重度になっても在宅介護を続けている方々にみられる共通点

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「忙しい、忙しい」と家族の介護を放棄する人と、進行が終わるまで直接的に介護をする人は、なかなか分かり合えないものです。
「介護」を遠くで見ているだけであれば、「家族介護」の大変さは到底知ることはできません。
その結果、「介護」を遠くで見ているだけの人は、現実よりも理想が先行し、直接的な介護をする人との考えが大きく異なってきます。
つまり、家族間に大きな溝を作ってしまうのです。

それが、家族介護の難しさの一つなのです。

これについての詳細は、以前の記事「家族介護の難しさ」でもお伝えしているので、内容が少し重複してしまいますが、「介護」は見ているのとやっているのは大きな違いがあります。

ですが、仕事で在宅介護をしている方を多く見ていると、いつまでも在宅介護を続けている方にはどうも共通点がある気がしてきましたので、今回の記事では、その共通点についてを説明させていただきます。

家族介護の難しさ
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家族介護について

ここからは、

  • 介護を必要としている方を要介護者
  • 要介護者に対し介護をしている方を介護者

として説明させていただきます。

家族介護の種類

家族介護は以下のように大きく2つに分けることができます。

  1. 経済的な支援
  2. 直接的な介護

そして、直接的に介護をする人も大きく2つに分けることができます。

  1. 介護で一杯一杯な人
  2. 良い距離感を保てる人

家族介護の大変さは、「要介護者・介護者の思考や受け止め方」がポジティブネガティブか、その相性でだいぶ変わってきます。

もちろん、アルツハイマーを含む認知症や、うつ病の要介護者に対しては、介護者がどれだけポジティブな性格でも、その思いは空回りしてしまいがちですし、かえって逆効果になることもあります。

要介護者の種類

これは以前の記事「介護に関わらなくても知っておきたい高齢者 五つのタイプ」からの抜粋になりますが、介護者として知っておいても損はないことだと思います。

その5つのタイプとは、円熟型依存型防衛型憤慨型自責型です。
そして、これらは適応、不適応という面から分類されています。

では、まず3つの適応型、そして次に2つの不適応型を説明していきます。

適応型 3つのタイプ

  • 円熟型:過去を後悔することもなく積極的に未来に希望を持つようなタイプ
  • 依存型:現実を受け入れ物質的、情緒的な支えを与えてくれる人に依存し安心し楽に暮らそうとするタイプ
  • 防衛型:老化していく自分を受け入れず責任感を強く持って活動し続けるタイプ

不適応型 2つのタイプ

  • 憤慨型:自分の人生を失敗を自らの責任と後悔し自分を責めて塞ぎ込むタイプ
  • 自責型:自分の過去や老いを受け入れず不満が他者への攻撃となってあらわれるタイプ

つまり、要介護者が不適応型というのが、最も大変な介護になるということなのです。

介護者について

ここからは、以前の記事「高齢者に関しての興味深い話 第3章」をもとに説明させていただきます。

介護が必要になった場合、結局は誰かの助けが必要になりますが、要介護者に対しての介護は誰がしているのでしょうか?

要介護者等からみた主な介護者の続柄

  • 同居している配偶者   26.2%
  • 同居している子     21.8%
  • 同居している子の配偶者 11.2%
  • 事業者         14.8%
  • 不詳          13.0%
  • 別居の家族         9.6%
  • その他の親族                     1.8%
  • その他                            1.0%
  • 同居している父母      0.5%

さらに、同居している介護者を男女の比率で見ると、

  • 男性:31.3%
  • 女性:68.7%

と圧倒的に女性が多いことがわかります。【参考:内閣府 高齢社会白書(概要版)

家族介護をうまくやる共通点

冒頭でもお伝えしていますが、仕事で在宅介護をしている方を多く見ていると、要介護者が重い状態になっても在宅介護を続けている方には、共通点があるように思えます。

その共通点は、もう一人の介護者の存在です。

家族介護をしていると、ろくに介護もしないくせになんやかんやと理想論を押し付けてくる他の家族が登場してくることがあり、そういった「直接的な介護にかかわらない家族」の存在が主となる介護者の「介護」や「精神状態」に大きく影響してくるものです。

つまり、家族介護をしていくうえで大切になるのが、他の家族のサポートなのですが、もう一人の介護者が存在するだけで、その状況は大きく好転するものです。

仕事で在宅介護をしている方を多く見ていて気がついたのは、要介護者が重い状態になっても在宅介護を続けている介護者には、そのサポートをするもう一人の介護者がいることがほとんどであり、そのもう一人の介護者の多くは、主となる介護者の娘様がほとんどだったのです。

もちろん、娘様だけはなく、主となる介護者の方の妹や姉妹にあたる方のこともありますが、女性が多いということです。(男性もいました。)

まとめ

仕事で在宅介護をいつまでも続けている方を多く見ていると、もう一人の介護者の存在がどれだけ大きなものなのかを改めて痛感します。

もう一人の介護者の存在は、一人で抱え込んでしまいがちな介護を二人で分かち合うだけでなく、要介護者の病気の進行を一緒に受け止め、同じ時間をも二人で分かち合っているようにも思えました。

大切だからこその家族への思いは「真に受けた介護」にもつながりがちですが、もう一人の介護者の存在により、要介護者と介護者の距離感をうまく保てているようにも思えます。

ただ、いつまでも家族介護を続けている方に共通しているのは、もう一人の介護者の存在だけではありません。

「家族を施設に預ける」ということを、罪にも感じているということです。

これは家族介護をしている方、した方であれば、皆同じ思いをすると思われますが、いつまでも家族介護を続けている方は、その思いが人一倍強く、その縛から解き放たれないでいるようにも感じています。

時には休むことも忘れないで下さい。

もし、その要介護者が話すことができたら、「家族に迷惑をかけてまで生きていたくない」と考えているはずです。

今現在、家族介護をされている方からしたら、私は部外者ですが、介護サービスを使うことは悪いことでは無いですし、また家族介護ができるようになったら家に戻すという選択肢もあるので、要介護者のためにも、介護者自身のためにも、距離感を大切にし、自分の身を壊してまで全てを注がないでいただきたいと心より願っています。

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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