データで見る高齢者向け住宅(有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の比較)

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今、居宅サービスを中心に多くの事業所は、経営が苦しい状態なのではないでしょうか?
その理由の一つとして、「高齢者住宅が増えたから」ということが考えられます。
では、高齢者はなぜ高齢者住宅に行ってしまうのでしょうか?

平成26年に厚生労働省より公表された「高齢者向け住まいについて」では、高齢者向け住まいの現状として以下の3点をあげています。

  • 高齢者世帯における持家率の低下
  • 高齢者の9割以上は在宅
  • 要介護の高齢者も約8割が在宅

第1号被保険者

また、「高齢者の人口動態」では、「世帯主が65歳以上の単独世帯や夫婦のみの世帯が増加していく」と記載されています。
では、ここからは厚生労働省より公表されている資料をもとに有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅を比較していきます。

有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅

いわゆる高齢者向け住まいとは、有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の2つを指します。
では、有料老人ホームとサ高住は何がどう違うのでしょうか?

高齢者向け住まいの概要
有料老人ホームサービス付き高齢者向け住宅
根拠法老人福祉法第29条高齢者住まい法第5条
基本的性格高齢者のための住居
定義①入浴、排せつ又は食事の介護、②食事の提供、③洗濯、掃除等の家事、④健康管理のいずれかをする事業を行う施設 状況把握サービス、生活相談サービス等の福祉サービスを提供する住宅
利用できる介護保険特定施設入居者生活介護・訪問介護、通所介護等の居宅サービス
主な設置主体限定なし (営利法人中心)
対象者老人(老人福祉法上、老人 に関する定義がないため、解釈においては社会通念による)次のいずれかに該当する単身・夫婦世帯
① 60歳以上の者
② 要介護/要支援認定を受けている60歳未満の者
1人当たり面積13m² (参考値)25m² など
件数8,499件 (H25.7)4,626件 (H26.5.31)

ここでのポイントは、「定義・主な設置主体・1人あたりの面積」の3つで、この3つは有料老人ホームとサ高住の違い共通点であり、有料老人ホームとサ高住の印象に大きく関わる特徴でもあります。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

サービス付き高齢者向け住宅の事業主体

サービス付き高齢者向け住宅の事業主体2

  • 実際に事業を行っている法人の種別では、株式会社・有限会社(62.7%)、医療法人(15.5%)、社会福祉法人(9.6%)で全体の約9割を占める。
  • 母体法人をベースに事業種別を集計すると、介護サービス関連が約5割、医療関連が約2割を占めている。不動産・建設業関連は1割強に留まっている。

【参考:厚生労働省 高齢者向け住まいについて

サービス付き高齢者向け住宅の規模

サービス付き高齢者向け住宅の規模4

  • 住宅戸数では、「10戸以上20戸未満(21.7%)」「20戸以上30戸未満(24.8%)」が多く、全体の8割以上が50戸未満である。
  • 専用部分の床面積は、25m²未満が7割以上を占める。
  • 全体の約95%の事業者が、特定施設入居者生活介護の指定を受ける予定はないとしている。

【参考:厚生労働省 高齢者向け住まいについて

サービス付き高齢者向け住宅の併設施設

サービス付き高齢者向け住宅の併設施設1

  • 訪問介護事業所など、介護保険サービスの事業所を1つ以上併設している物件は82.0%(診療所・配食サービスは含まない)。
  • サービス付き高齢者向け住宅の入居者による居宅サービスの利用状況については、「居宅介護支援」と「訪問介護」の利用率が特に高い。

【参考:厚生労働省 高齢者向け住まいについて

サービス付き高齢者向け住宅の入居者

サービス付き高齢者向け住宅の入居者

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  • 入居者の要介護度等の範囲は『自立』も含めて幅広いが、比較的、『要支援』『要介護1・2』の入居者が多く、全体としての平均要介護度は1.76となっている。
  • 一方で、開設からの期間が比較的短い住宅も多い中、『要介護4・5』の入居者も相当数認められることから、制度上は同じ「サービス付き高齢者向け住宅」であっても、個別の住宅によって機能が多様化しているものと考えられる。
  • 認知症高齢者の日常生活自立度については、自立が約1/3である一方、『判定基準II』以上が約4割を占めている。
  • 入居者の年齢については、80代が最も多く5割以上を占めており、平均年齢は82.1歳である。

【参考:厚生労働省 高齢者向け住まいについて

サービス付き高齢者向け住宅が増える理由

どんどんその数を増やしているサ高住ですが、なぜそんなに増えているのでしょうか?

スマートウェルネス住宅等推進事業

サービス付き高齢者向け住宅が今後も増えていくと思われる要因に、スマートウェルネス住宅等推進事業という供給促進施策が挙げられます。
これは、新たに創設される「サービス付き高齢者向け住宅」の供給促進のため、建設・改修費に対して、国が民間事業者・医療法人・社会福祉法人・NPO等に直接補助を行うといったものです。(平成26年度予算額340億円 )

簡単にいってしまえば、「サービス付き高齢者向け住宅を建設・改修するのであれば、補助・税制・融資をしますよ」という施策です。

◆ 補助率と税制 ◆7

  <税制>3

こういった国の補助もあり、サービス付き高齢者向け住宅は、平成23年(30件)から平成26年(4626件)までで大幅に増えていきました。

◆ サービス付き高齢者向け住宅の登録状況の推移 ◆戸数

【参考:厚生労働省 高齢者向け住まいについて

有料老人ホーム

有料老人ホームは、大きく3つに分類されています。

介護付有料老人ホーム

  • 介護等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設
  • 介護等が必要となっても、ホームが提供する介護サービスである「特定施設入居者生活介護」を利用しながら、 ホームでの生活を継続することが可能

住宅型有料老人ホーム

  • 生活支援等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設
    介護が必要となった場合、入居者自身の選択により、地域の訪問介護等の介護サービスを利用しながら、ホームでの生活を継続することが可能

健康型有料老人ホーム

  • 食事等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設
  • 介護が必要となった場合には、契約を解除し退去しなければならない

有料老人ホームにおける法人種別

有料老人ホームにおける法人種別設置主体

  • 実際に事業を行っている法人の種別では、介護付き・住宅型のどちらもで、株式会社・有限会社が約8割を占めており(82.6%・76.6%)、医療法人・社会福祉法人だけでなく、財団・社団・宗教法人といった種別も見られる。

【参考:厚生労働省 高齢者向け住まいについて

有料老人ホームの概況

有料老人ホームの概況件数

  • 有料老人ホームの件数・定員数ともに「介護付き」と「住宅型」でほぼ100%を占めている。

【参考:厚生労働省 高齢者向け住まいについて

有料老人ホームの併設施設

有料老人ホームの併設施設併設

  • 訪問介護事業所など、介護保険サービスの事業所を1つ以上併設している物件は介護付41.9%(診療所・配食サービスは含まない)に比べ住宅型は82.7%と高い。
  • 有料老人ホームの入居者による居宅サービスの利用状況については、介護付・住宅型とも「居宅介護支援」、「訪問介護」、「通所介護」の利用率が特に高い。

【参考:厚生労働省 高齢者向け住まいについて

有料老人ホームの入居者

有料老人ホームの入居者 有料老人ホームの入居者

  • 入居者の要介護度等の範囲は『自立』も含めて幅広いが、『要介護1』から『要介護5』まで、いずれの階層もほぼ同じ割合であり、全体としての平均要介護度は2.19となっている。
  • 認知症高齢者の日常生活自立度については、自立が約1/4である一方で、『判定基準II』以上が約5割を占めている。
  • 入居者の年齢については、80代が最も多く、平均年齢は84.4歳である。

【参考:厚生労働省 高齢者向け住まいについて

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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