高齢者への虐待 虐待の種類と程度

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高齢者への虐待1

皆様は以下の3つのニュースはご覧になりましたか?

そして今一番騒がれているのが川崎で起きた高齢者の転落死のニュースです。(スポニチアネックス 2015.9.5)

超高齢社会の日本の介護で問題となっていることのひとつに介護職員による高齢者への虐待があります。

厚生労働省の虐待に関する資料をもとに、いくつかの現場を経験した自分の考えをお伝えしたいと思います。

虐待とは?

私は同業者なので介護士の虐待に関しての意見などは内部告発のような感じがで正直、複雑な心境です。

介護の現場を経験したことのない方からすれば「虐待」は絶対にあってはならないことですが、私個人の意見では正直なところ「見る人によっては虐待と思えるような言動」はどこの介護施設でもあると思えます。

もちろん、ほぼ全ての利用者が寝たきりの方のような療養通所介護や、利用者と接する時間が短い訪問系のサービス、生活環境を整えるための住宅改修サービスなどではないといえるかもしれません。

虐待の種類と程度

種類

一言で虐待といっても、そこには様々な状況があります。

ここでは、主な5つの種類を見ていきます。【参考:東京都福祉保険局

虐待の種類
身体的虐待暴力的行為によって身体に傷やアザ、痛みを与える行為や外部との接触を意図的、継続的に遮断する行為。
心理的虐待脅しや侮辱などの言葉や態度、無視、嫌がらせ等によって精神的に苦痛を与えること。
性的虐待本人が同意していない、性的な行為やその強要
経済的虐待本人の合意なしに財産や金銭を使用し、本人が希望する金銭の使用を理由なく制限すること。
介護・世話の放棄・放任必要な介護サービスの利用を妨げる、世話をしない等により、高齢者の生活環境や身体的・精神的状態を悪化させること。

程度

また、虐待はその状況の深刻さから3つのレベルに分けて考えることができます。

虐待の程度
緊急事態高齢者の生命に関わるような重大な状況を引き起こしており、一刻も早く介入する必要があります。
要介入放置しておくと高齢者の心身の状況に重大な影響を生じるか、そうなる可能性が高い状態です。当事者の自覚の有無にかかわらず、専門職による介入が必要です。
要見守り・支援高齢者の心身への影響は部分的であるか顕在化していない状態。介護の知識不足や介護負担が増加しているなどにより不適切なケアになっていたり、長年の生活習慣の中で生じた言動などが虐待につながりつつあると思われる場合などがあります。

身体拘束

「緊急やむを得ない場合」とされているものについては、例外的に高齢者虐待にも該当しないと考えられますが、そういった場合でない身体拘束は原則的に虐待に該当する行為と考えられます。

身体拘束の具体例 【参考:厚生労働省 身体拘束ゼロへの手引き】

  1. 徘徊しないように、車いすやいす、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。
  2. 転落しないように、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。
  3. 自分で降りられないように、ベッドを柵(サイドレール)で囲む。
  4. 点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、四肢をひも等で縛る。
  5. 点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、又は皮膚をかきむしらないように、 手指の機能を制限するミトン型の手袋等をつける。
  6. 車いすやいすからずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y字型抑制帯や腰 ベルト、車いすテーブルをつける。
  7. 立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるようないすを使用する。
  8. 脱衣やおむつはずしを制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる。
  9. 他人への迷惑行為を防ぐために、ベッドなどに体幹や四肢をひも等で縛る。
  10. 行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる。
  11. 自分の意思で開けることのできない居室等に隔離する。

今までにあった事例

上記の虐待の種類、身体拘束の具体例の中で私の働いてきたいくつかの施設であった事例を紹介します。

ただ、先にご理解いただきたいのが、実際には表現する側・その表現を捉える側・その瞬間だけを捉えた第三者の問題であり、私としても「以前に見かけた言動を上記のどれかに当てはめるとするのであれば」といったニュアンスで紹介しているということです。

主な虐待にあたる事例

  • 叱りつける
  • 無視をする
  • 必要な用具の使用を限定し、高齢者の要望や行動を制限させる行為
  • 高齢者の権利を無視した行為またはその行為の放置
  • 高齢者の意欲や自立心を低下させる行為

身体拘束にあたる事例

  • 自分で降りられないように、ベッドを柵(サイドレール)で囲む。
  • 点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、又は皮膚をかきむしらないように、 手指の機能を制限するミトン型の手袋等をつける。
  • 車いすやいすからずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y字型抑制帯や腰 ベルト、車いすテーブルをつける。
  • 立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるようないすを使用する。
  • 脱衣やおむつはずしを制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる。
  • 自分の意思で開けることのできない居室等に隔離する。

今回の記事では虐待の種類やその程度について説明させていただきました。

次回の記事「高齢者への虐待 その弐」では、平成25年度の高齢者虐待の調査結果について説明させていただきます。

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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