夜間対応型訪問介護の内容とポイント

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介護サービスの種類」という記事では介護サービスの種類を説明させていただきました。

それでは、それぞれの介護サービスの内容とポイントをご説明していきます。

それぞれの介護サービスの内容とポイント、第3回目は「夜間対応型訪問介護」です。

夜間対応型訪問介護、簡単に説明すると?

利用者宅への定期的な夜間巡回や連絡によって利用者宅へ訪問する地域密着型介護サービス。

夜間訪問介護の導入の経緯

夜間に定期巡回と通報による随時対応を併せた訪問介護の提供により、24時間安心して生活できる体制を整備し、中重度者の在宅での生活を支えるものとして導入。(厚生労働省 社保審ー介護給付日分科会より)

↑これを簡単に説明すると、夜間を含め24時間安心して自宅で生活できる体制の整備が必要という基本的な考えのもと、定期的な巡回と随時対応を合わせた「夜間対応型訪問介護」が始まったということ。

具体的な内容は?

具体的な内容として

  • 定期巡回
  • 随時対応

の2種類のサービスがあります。

定期巡回

定期的に利用者の居宅を巡回して行う夜間対応型訪問介護です。

利用者は夜間帯に定期的な訪問を受け、入浴、排泄、食事などの介助や安否確認などのサービスを受けることができます。

随時対応

随時対応サービスは利用者の緊急時などに利用者の居宅を随時訪問する夜間対応型訪問介護です。
例えば、ベッドから転落して自力で起き上がれないような時や夜間に急に体調が悪くなった時などに、利用者は訪問介護員(ホームヘルパー)を呼んで介助を受けたり、救急車の手配などのサービスを受けることができます。

オペレーションセンターサービス

オペレーションセンターサービスには二つの大きな特徴があります。

一つは、オペレーションセンターサービスです。

これは簡単に言ってしまうと、利用者の健康状態を常に管理し、必要に応じて夜間の訪問介護を行うといったものです。

具体的には、オペレーションセンターのシステムには利用者の健康データが蓄積される仕組みになっており、その状態を把握したうえで、通報に応じて訪問介護員の派遣、必要であれば救急車の手配などをしてくれるサービスです。

もう一つは、随時訪問サービスです。

これは簡単に言ってしまうと「自宅にも病院のようなナースコールを」的なものです。

具体的には、夜間に生命に危険が及ぶような緊急時から心身のバランス状態の悪化や排泄の介助まで、利用者が「介助が必要」と思った時にケアコール端末のボタンを押すことで常駐オペレータに通報され、通報を受けたオペレータからの連絡により、随時ヘルパーが利用者のご自宅に伺うといったサービスです。

訪問の時間について(厚生労働省令第34号)

サービスを提供する事業所は、夜間訪問型介護サービスを提供する時間を各事業所ごとに設定するとされているので、その事業所によってサービスの提供時間には違いがあるのですが、最低限22時から6時までの間は含むものと決められています。

その対象と利用するためには?

利用するためには

  1. 要介護1以上の認定を受けた方
  2. 原則としてお住まいの市区町村にある施設、事業所

という以上の2点を満たしていなければなりません。

  • 要介護1以上の認定を受けた方

夜間対応型訪問介護を利用できるのは、居宅(ここでいう「居宅」には、自宅のほか軽費老人ホームや有料老人ホームなどの居室も含みます)で生活を送る、「要介護」と認定された人です。

 注意

夜間対応型訪問介護は、要支援1・2の人は利用できません。また、次のサービスを受けることはできません。

直接利用者の援助に該当しないサービス

(例)利用者の家族のための家事や来客の対応 など

日常生活の援助の範囲を超えるサービス
(例)草むしり、ペットの世話、大掃除、窓のガラス磨き、正月の準備 など

一般的な訪問介護との違いは?

一般的な訪問介護サービスでも夜間の対応をしているところは多くあります。
では、夜間対応型訪問介護と一般的な訪問介護は何がちがうのでしょうか?

夜間対応型訪問介護は以下の三つの特徴があります。

  1. 夜間のサービス提供のみを対象
  2. 利用者の求めに応じて随時訪問を行うオペレーションセンター機能
  3. 市町村(保険者) が指定を行う地域密着型サービス

特徴1 夜間のサービス提供のみを対象

夜間対応型訪問介護は、あくまで「夜間対応」なので8時から18 時までの間の時間帯を含むことは認められないとされています。

つまり、この間の時間帯については、一般的な訪問介護を利用することとなっています。

特徴2 利用者の求めに応じて随時訪問を行うオペレーションセンター機能

夜間対応型訪問介護は、利用者が援助を必要とする状態となった場合に通報するケアコール端末を有していることが条件となっています。

つまり、ケアコール端末を使わない定期巡回だけのサービスであれば、夜間対応型訪問介護には含まれず、一般的な訪問介護を利用することとなっています。

特徴3 市町村(保険者) が指定を行う地域密着型サービス

以前の記事「サービスの種類と内容 早見表バージョン」でも説明したのですが、夜間対応型訪問介護は地域密着型サービスの1つと位置づけられ、介護保険の保険者となるのは都道府県ではなく市町村が監督、指定を行います。

つまり、各市町村で必要な整備量を定められるということで、その地域のニーズに応じたバランスの取れた整備を促進ということなのです。

これはその土地その土地に合わせたサービスに適応できるように市町村に任せているということで、介護報酬や基準についても一定の範囲内で市町村の裁量が認められているということです。

地域により密着するためには、その地域をよく知るものに任せるということですね。

メリットとデメリット

メリット

メリットとしては、夜遅くても定期的な巡回をしてもらえるという安心はとにかく大きなものだと思います。

また、オペレーションセンターサービスで夜間のアクシデントなどにも対応してくれるので、ご本人にとってもご家族にとってものも安心ですよね。

そして利用料が夜間にもかかわらず思っているよりも安いというのも嬉しいですね。

デメリット

デメリットとしては、地方では夜間対応型の訪問介護サービスを提供しているところが少ないというのが一番だと思います。

さらには地域密着型なので、夜間対応型の訪問介護サービスを提供している事業所があったとしても、住んでいる地域ではなければ利用できないというのも考えられます。

これについては本当に介護の理想と現実というところに行き着くので、また別の機会にお話をさせていただきます。

また、定期巡回型サービスや随時訪問サービス、緊急連絡を1ヶ月間利用しなかったとしても1ヶ月あたり1006円の基本夜間対応型訪問介護費は支払わなければなりません。

この基本夜間対応型訪問介護費というのは1ヶ月単位ですので、もし月の途中に別の事業所に変更となった場合だとしても今まで利用していた事業所には基本夜間対応型訪問介護費は支払わなければなりません。

いくらかかるの?

夜間対応型訪問介護は、オペレーションセンターを設置する場合と、設置しない場合で報酬が異なっています。

オペレーションセンターを設置する場合は、1ヶ月の基本を定額1006円に設定され、定期巡回訪問、随時訪問1回ごとに報酬額が設定されています。(金額はあくまで目安です。)

オペレーションセンターを設置しない場合は、 1ヶ月あたり定額2775円の報酬と設定されています。(金額はあくまで目安です。)

夜間対応型訪問介護の利用料の目安

状況金額
オペレーションセンターを設置している場合専用の端末により緊急時に利用者からの連絡が受けられる体制をとっている場合
(基本夜間対応型訪問介護費)
1006円(1ヶ月あたり)
定期巡回サービス383円(1回あたり)
随時訪問サービス訪問介護員が1人で訪問した場合583円(1回あたり)
訪問介護員が2人で訪問した場合785円(1回あたり)
オペレーションセンターを設置していない場合2775円(1月あたり)

※上記の表はあくまで目安ですので、詳しくは市町村と東京都では23区の特別区の窓口までお問い合わせ下さい。

ポイント

上記の表と訪問介護の金額を比べてみると、一般的な訪問介護より高めの設定がされていることがわかります。

ですが、夜間にしては思っていたよりも安いというのがあるのではないでしょうか?

また、訪問介護事業所が、夜間対応型訪問介護事業所として指定を受けることは可能なため、都内にある夜間対応型訪問介護サービスを提供している事業所が昼間は一般的な訪問介護サービスを提供している24時間対応というところも多く見かけます。

ですので、もし利用を希望されているのであればそういった併設されているところをおすすめします。

それは単純に別に契約しなくても良いからといったところもありますが、情報の伝達という点でも多くのメリットがあります。

よく介護の仕事をしていると、昼間は落ち着かれている穏やかな方でも、夜には「夜の顔」があるように、昼と夜とでは身体の機能などでも大きな違いがあったりします。

これは身体機能の状況が大きく変わる転倒や事故の後にはとても大切な情報になります。

そういった意味でもやはり状況が更新されやすく、なおかつ伝達されやすい環境の併設型がおすすめです。

また、月の途中からの利用に関しては日割り計算になりますが、月の途中で事業所を変更した場合には1ヶ月分の基本夜間対応型訪問介護を支払わなければなりませんので、月の終わりに変更し、新しい事業所は次の月の頭からの利用がお得です。

あと、忘れてはならないのが、専用のコールを持ち始めた最初の月と身体的、精神的に体調を崩した時にはコールを鳴らし過ぎてしまうことが本当に多いようなので要注意です。

まとめ

この記事を書くにあたり、厚生労働省の資料をみるだけではなく、実際に夜間対応型訪問介護働く知り合いに色々と聞いてみたのだが、

  • 直接利用者の援助に該当しないサービス
  • 日常生活の援助の範囲を超えるサービス

というサービスの対象ではない要望はいまだに多く聞かれるとのことでした。

「今度うちに来る時でいいから化粧品を買ってきて」や「次の年金が入ったら何か買ってあげたいから一緒に出かけよう」など返答に困るようなケースもあれば、当たり前のように利用者以外の方への家事援助をお願いされたりといったことも多いようです。

ですので、これから夜間対応型訪問介護を利用されることをお考えの方はそれだけはお願いですからやめてあげてください。

地味にすごくストレスなようです。。

それと、専用のナースコールについては「利用者に対しては、援助を必要とする状態となったときに適切にオペレーションセンターに 通報できる端末機器を配布しなければならない。」という設備運営基準が設けられているので、とてもしっかりとした使い勝手の良いものです。

私の知り合いのところでは、首からかけるペンダント式と本体の二つをセットとして提供しているようです。

また、色々としらべてみたのですが、設置も工事などの面倒な作業はなく簡単な取り付けでできるようです。

それで健康状態をプロが把握してくれるというのはとてもいいですよね。

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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