デイサービスの売上にかかわる「加算についての簡単な説明」

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売上が伸びない場合、しなければならないことの最初は営業なのでしょうか?
大規模などのデイサービスならともかく、小規模のデイサービスの現場で働く者からすると、営業で職員が一人持っていかれるというのは、やはり大きな打撃になります。

営業にいったところで、他の介護サービスの多くも営業しているなか、自分の事業所に興味を持ってもらうということは簡単なことではありません。

ですが、おいしい話は意外と足元に転がっているもので、営業をしなくても売上を上げる方法は探せば少しは出てくるものです。

デイサービスの売上を上げる方法のひとつに加算があります。

今回の記事では、通所介護、いわゆるデイサービスに関係する「加算」についてを厚生労働省の資料をもとに説明させていただきます。

  • 加算の算定状況のデータ
  • 簡単な説明
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通所介護の加算

通所介護だけでなく、どの介護サービスにも加算はあります。
ですが、「どこの介護事業所も使える加算は全て使っているか?」となると、答えは「いいえ」なのではないでしょうか?

加算に関するデータ

今回は通所介護に限定させていただきますが、加算に関するデータを見ると、驚くほど加算を使っていない事業所が多いということに気が付きます。

加算の算定状況

通所介護の加算をみると、「算定あり」は「入浴介助加算」が90.2%で最も割合が高い。
次いで「サービス提供体制強化加算(I)」が33.1%となっていました。

加算割合

【参考:厚生労働省 平成27年度介護報酬改定に向けて

加算の算定状況/利用登録者に占める割合

利用登録者に占める利用割合をみると、「入浴介助加算」が8.2割、「個別機能訓練加算(I)」が8.1割、「個別 機能訓練加算(II)」6.6割で割合が高くなっている一方で「栄養改善加算」「若年性認知症利用者受入加算」は 1割に満たないませんでした。

比率

【参考:厚生労働省 平成27年度介護報酬改定に向けて

機能訓練の実施時間

利用者に対する機能訓練の実施状況について、提供時間の平均値をみると、集団は46分、個別は40分となっていました。

実施時間の分布

【参考:厚生労働省 平成27年度介護報酬改定に向けて

利用者に対する機能訓練の実施状況(平均値)

プログラム内容をみると、集団は、「身体機能の維持向上訓練」が73.6%、「生活行為の維持向上訓練」が36.9%、「口腔機能維持向上訓練」が33.2%となっている。個別は、「身体機能の維持向上訓練」が64.3%、「生活行為の維持向上訓練」が41.5%となっていました。

機能訓練の実施状況

【参考:厚生労働省 平成27年度介護報酬改定に向けて

個別機能訓練加算(I)・(II)の提供内容

個別機能訓練の内容としては歩行訓練、筋力増強訓練、関節可動域訓練が多く、(I)では筋力増強訓練、 (II)では歩行訓練が最も多いことがわかりました。

リハの内容

【参考:通所介護の報酬・基準について(案)

主な加算の概要

ここからは「主な加算の概要」として、通所介護に関係する加算を出来るだけ簡単に説明させていただきます。

延長加算

  • 1時間の延長:50単位/日
  • 2時間の延長:100単位/日
  • 3時間の延長:150単位/日

入浴介助加算 50単位/日

入浴介助を行った場合

個別機能訓練加算

個別機能訓練加算 (I) 42単位/日

通所介護を行う時間帯を通じて、常勤・専従の機能訓練指導員を1 名以上配置し、 複数の種類の機能訓練の項目を準備し、利用者の生活意欲が増進されるよう利用者を援助し、心身の状況に応じた機能訓練を行っている場合

個別機能訓練加算 (II) 50単位/日

専従の機能訓練指導員を1名以上配置し、利用者の生活機能向上を目的とする機能訓練の項目を準備し、機能訓練指導員が、利用者の心身の状況に応じた機能訓練を行っている場合

栄養改善加算 150単位/回 (3月以内の期間に限り月2回まで)

以下の全てに適合するとして都道府県知事に届け出た事業所

  • 管理栄養士を1名以上配置
  • 利用者の栄養状態を把握し、管理栄養士、看護職員等が共同して栄養ケア計画を作成
  • 利用者ごとの栄養ケア計画に従い栄養改善サービスを行い、定期的に記録
  • 栄養ケア計画の進捗の定期的な評価

口腔機能向上加算 150単位/回 (3月以内の期間に限り月2回まで)

以下の全てに適合するとして都道府県知事に届け出た事業所

  • 言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員を1名以上配置
  • 利用者の口腔機能を把握し、言語聴覚士、歯科衛生士等が共同して口腔機能改善管理指導計画を作成
  • 利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画に従い口腔機能向上サービスを行い、定期的に記録
  • 口腔機能改善管理指導計画の進捗の定期的な評価

若年性認知症利用者受入加算 60単位/回

若年性認知症利用者ごとに個別の担当者を定め、通所介護を行った場合

サービス提供体制強化加算

サービス提供体制強化加算 (I) 12単位/回

介護職員の総数のうち、介護福祉士の占める割合が40%以上

サービス提供体制強化加算 (II) 6単位/回

勤続年数3年以上の占める割合が30%以上

新たな加算

認知症高齢者の日常生活自立度III以上に該当する者を積極的に受け入れるための体制や、要介護3以上の高齢者を積極的に受け入れる体制を整えている事業所を評価するうえで新たに2つの加算が設けられました。

  • 認知症加算:60単位/日
  • 中重度者ケア体制加算:45単位/日

この2つに関しては少しややこしく、長くなってしまいますので、別の記事にて説明させていただきます。

要介護度別平均利用回数

要介護度別利用回数の推移

1月・1人当たり平均利用回数を見ると、全体的に増加傾向にあり、平均では平成14年度と比べて約1.5倍(6.8回→10.0回)に増加した。

要介護度別に見ると、それほど顕著な差は見られないが、要介護3、4の利用回数が多く、
要介護1の利用回数は少ない。いずれも週平均2~3回程度の利用となっていました。

利用回数の推移

利用回数の推移2

【参考:厚生労働省 在宅サービス関係

まとめ

「なぜ、加算を使わないのか?」という質問の答えの多くは、やはり人員の問題が大きく関係していると思われます。

機能訓練指導員、管理栄養士、看護職員、それら全ては一般介護職員よりも給料が高く、大きな事業所でなければ、経営にとって大きな負担となりかねません。

そして、延長加算は、職員の配置の仕方によっては、残業となってしまい、残業代はもちろんのこと、職員にとっても負担となっていまいます。

現実的に考えると、やはり小規模デイサービスにとって加算は、ほとんど関係のないようなものに感じてしまいます。

小規模は現在、かなり厳しい状況が続いておりますが、利用される方にとっては「こじんまりしたところ」は居心地の良いものであり、大規模に比べて精神的な負担を軽減できることも確かです。

財政面を考えると、小規模デイサービスは淘汰されていくべきなのかもしれませんが、そこに思いを寄せる方も多くいるということは国の方に理解して欲しいところに思えます。

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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