定期巡回・随時対応型訪問介護看護の内容とポイント

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定期巡回

介護サービスの種類」という記事では介護サービスの種類を説明させていただきました。

それでは、それぞれの介護サービスの内容とポイントをご説明していきます。

それぞれの介護サービスの内容とポイント、第7回目は「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」です。

「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」という名前、「訪問介護」や「訪問入浴」などと比べると聞いたこともないという方も多いではないでしょうか?

それもそのはずで、2012年に新しくできたサービスが「定期巡回・随時対応サービス」なのです。

「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」、少し難しそうな名前で抵抗のある方もいらっしゃるかとは思いますが、私個人としては利用者・家族目線の最も優れた介護サービスの一つだと思います。

 どんな時に利用するの?

従来の訪問介護では、週に数回利用したとしても1日で考えると、日中に1回だけのケアというのがほとんどでした。

ですが、その1回で1日分のトイレや1日分の食事など、その利用者にかかるケアが訪問介護のタイミング全て済ませられるということは当然ありませんので、訪問介護が帰ってしまった後に食事することもあれば、トイレに行くこと、さらには汚してしまうことだってあります。

で、結局、家族へ負担はかかってしまうというのが今まででした。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護はそういった点を補う痒いところに手が届くサービスで、1日に 3~6 回前後、定期的に訪問し、短時間でもその時に必要なケアだけを支援するサービスです。

在宅での生活を続ける利用者の 介護者の負担軽減 や 介護者の不在時の対応 や、サービス高齢者住宅 などで利用されることが多いサービスです。

定期巡回1

定期巡回・随時対応型訪問介護看護、簡単に説明すると?

それではまた例によって、厚生労働省の介護保険の解説 -サービス編 –より定義から見ていきたいと思います。

定期的な巡回や利用者からの連絡によって、利用者の居宅を訪問して行われる入浴、排泄、食事などの介護や療養生活を支援するための看護、そのほかの日常生活を送るうえで必要となるサービスなどをいいます。

これを簡単に説明すると、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、日中・夜間を通じて、訪問介護と訪問看護の両方を提供し、定期巡回と随時の対応を行うサービスです。

定期巡回・随時対応サービス
分類地域密着型サービス
監督・指導区市町村
対象要介護1以上
※要支援の方は受けられません。
利用する場所自宅
別名定期巡回・随時対応サービス

その対象と利用するためには?

要介護1以上の方が対象となっておりますので、要支援の方はご利用できません。

訪問看護を利用する際には、医師の指示書が必要になります。

また、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は「地域密着型サービス」に属しますので、原則としてお住まいの市区町村以外の施設・事業所のサービスは利用できません。

つまり、要介護1以上の方であれば、お住いの市区町村の定期巡回・随時対応型訪問介護看護が利用できるということです。

具体的な内容は?

日中・夜間を通じて、訪問介護と訪問看護の両方を提供し、定期巡回と随時の対応を行うというのは具体的にはどういったことなのでしょうか?

では、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の特徴である、

  • 定期巡回
  • 随時対応
  • 訪問看護

という、3つのサービスから見ていきたいと思います。

定期巡回

利用者の現在の状態に合わせて定期的な訪問を実施してくれます。

下記がその例になります。【参考:厚生労働省】

定期巡回

これはあくまで例で、利用者の現在の状況に合わせるということが前提になります。

介護の内容

上記の例では、モーニングケア(起床介助)、食事準備、水分介助、ナイトケア(就寝介助)となっていますが、身体介護とあわせて生活援助を実施するといったことも可能です。

生活援助とは、洗濯物の片付け、身の回りの整理などとされていますが、身体介護と一体的に提供されています。

厚生労働省の定義(新介護保険法(平成24年4月1日施行分))では 入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話 とされていますが、私の今までの経験では、週に2回、あいだにデイサービスをはさみ、そこで入浴をするという方が多いように思えます。

内容に関しての詳しいことについては、訪問介護の内容とポイントをごらんください。

随時対応

利用者の体調が変化した時、または急を要す時に柔軟な対応をしてくれます。

随時の対応をするため、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の各事業所には、訪問介護員等 ・看護職員 、そしてオペレーターが人員基準として定められております。

オペレーターからの要請を受けて、随時、訪問介護員等が利用者の居宅を訪問して、入浴、排せつ、食事等といった日常生活上の世話を行います。

 例えば

夜間にトイレに行こうとしたが間に合わず、失敗をしてしまったが、衣類と床を汚しパニックになり自分ではどうすることもできなくて、随時対応サービスを利用した。

このような場合、利用者の緊急コールからオペレーター、オペレーターから訪問介護員等へと連絡が入り、利用者の自宅に訪問し状況に適したケアをしていきます。

 例えば

午前のうちはとても調子が良かったが、昼過ぎ頃から腹痛で起き上がることもできなかったため、随時対応サービスを利用した。

このような場合でも、同じように訪問介護員等が利用者の自宅に訪問し水分介助などの状況に適したケアをしていきます。

 Point ! 

ケアプランの中で、利用者に対し訪問看護が必要という「医師の指示書」がある場合は、その利用者の状況によっては、訪問看護が訪問することがあります。
つまり、医師の指示書がない場合は、基本的にヘルパーの訪問のみとなります。

訪問看護

内容に関しては、訪問看護の内容とポイントをご覧ください。

訪問看護は医師の指示書に基づくものでなければなりませんので、訪問看護をご希望の際にはまずはかかりつけのお医者さんにご相談ください。

 Point !

定期巡回・随時対応型訪問介護看護において、定期訪問・随時対応のほかに訪問介護だけのサービス利用であったとしても、月に1回は看護師が自宅に訪問し、アセスメントを実施しなければならない。

このポイントが、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の一つの大きな特徴です。

これを簡単に説明すると、訪問看護を利用しなかったとしても、アセスメント(事前評価)として、看護師が月に一回、利用者の自宅にお伺いするということです。

つまり、介護側だけの評価ではなく看護師による医療的な評価を受けることによってより適切なサービスが受けられるということです。

メリットとデメリット

メリット

なによりも大きなメリットとしては、1日に複数回の定期訪問があるということですが、それ以外にもたくさんのメリットがあるのが定期巡回・随時対応型訪問介護看護です。

料金

利用する上で心配になってくるのは、やはりその料金ですが、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、月々一定額ですので利用する回数が増えても心配になりません。

また、デイサービスやショートステイなどのニーズに対応するため、日割り計算システムが導入されています。

  • 通所系サービス利用時には、1日分の単価の3分の1(33%)相当額を日割り減算する。
  • 短期入所系サービス時には、短期入所系サービスの利用日数に応じた日割り計算を行う。

サービスの柔軟性

医療ニーズが高い高齢者に対して医療と介護との連携が不足しているという問題に対し創設されただけあって、一体的又は密接に連携した介護と看護の両方のサービスが受けられます。

これは、定期的な訪問だけではなく、必要なときに随時サービスを受けるといった、利用者の心身の状況に応じて柔軟にサービスを変更できるということでもあります。

利用者状態の把握

一日複数回の訪問により利用者の日々の心身の状況が把握できます。

これにより介護・看護間の連携で常に新しい情報が得ることができ、その状態に適したサービスが受けられます。

24時間 365日

24時間 365日、日中・夜間を通じて対応してもらうことが可能です。

1日に何度利用することも可能ですが、そこはアセスメントに基づき適切なサービスの回数となっています。

デメリット

定額制

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は定額制のため、利用する回数が少なければ当然、割高にもなってしまいます。

ですが、たいしてあまり使わなかったという話は聞いたことがありませんし、たいして使わないのに利用すると決まったのであればケアマネージャーに責任があると思います。

オペレーター

オペレーターに関しては、夜間対応型訪問介護と若干の違いがあります。

夜間対応型訪問介護では、

  • 利用者の処遇に支障がない場合は、利用者以外の者からの通報を受け付ける業務に従事することができる
  • ケアコール端末は、利用者が援助を必要とする状態となったときにボタンを押すなどにより、簡単にオペレーションセンターに通報できるものでなければならず、 単なる一般の家庭用電話や携帯電話だけでは認められない

定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、

  • 「オペレーションセンター」の設置は設備基準としては求めておらず、地域を巡回しながら適切に随時のコールに対応する形態も可能
  • 利用者がコールを行う、オペレーターがコールを受ける際の機器は、一般に流通している通信機器等の活用が可能

とあるように、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の随時対応は夜間対応型訪問介護に比べオプション的な要素が強くあります。

オペレーションセンターを設置せず、オペレーターが地域を巡回しているのであれば、場所やタイミングによっては対応が遅れることもあります。

また、用意されているケアコールが専用の端末ではなく、簡単な携帯電話などの場合もあるため、高齢者によっては扱いにくいというのもあります。

定期巡回・随時対応サービスの利用料の目安

では、利用するとなった場合の、利用者が支払うサービス利用料を見ていきたいと思います。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護 一ヶ月の利用料の目安

定期巡回・随時対応型訪問介護看護
訪問看護サービスを受ける場合訪問看護サービスを受けない場合
要介護18,255円5,658円
要介護212,897円10,100円
要介護319,686円16,769円
要介護424,268円21,212円
要介護529,399円25,654円

上記の表はあくまで目安ですので、詳しくは市町村・東京都では23区の特別区の窓口までお問い合わせ下さい。

その他の注意すべきこと

併用できないサービス

次のサービスについては、サービス内容が重複することから、定期巡回・随時対応サービス利用時は算定しないこととなってます。

  • 訪問介護(通院等乗降介助を除く)
  • 訪問看護(連携型利用時を除く)
  • 夜間対応型訪問介護

医療保険の訪問看護利用時

当該期間については、介護のみ利用者の単位数を算定するこことなっています。

まとめとポイント

定期巡回・随時対応型訪問介護看護については、次の二つの類型が定義されています。

  • 一つの事業所で訪問介護と訪問看護のサービスを一体的に提供する「一体型事業所」
  • 事業所が地域の訪問看護事業所と連携をしてサービスを提供する「連携型事業所」

一体型事業所なのか、連携型事業所なのかは正直、とても大切なポイントだと思います。

訪問看護サービスを利用するのであれば、一体型事業所と連携型事業所、一体型事業所の方が高く設定されており、要介護1であれば 約1600円、要介護5であれば、約3800円の差があります。

ここだけ見てしまうと、訪問看護は別事業所の連携型事業所を選びたくなると思いますが、私個人の意見としては一体型事業所をお勧めします。

というのも、連携型は別事業所であった訪問看護と連携するので連携型なのですが、訪問看護事業所からすると連携をするメリットはほとんどないに等しいといえます。

その理由の一つに、訪問看護の報酬は週1日程度の単位数と定められているため、週2回でも週5回でも同様の報酬ということが挙げられます。

ですので、普通に考えれば、連携をしたがらない訪問看護事業所の方が多いというのがあります。

つまり、訪問看護側とのコミニュケーション、情報共有という点でもやはり一体型がお勧めです。

これから先、ますます利用が増えていくであろうと思われている定期巡回・随時対応型訪問介護看護ですが、在宅での生活を続けていかれる方にとっては、色々と踏まえた上でも利用者・家族目線の最も優れた介護サービスの一つだと思います。

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。