医療と介護をつなぐ「医療介護総合確保推進法」の簡単な説明

シェアする

c2f4563e4835b6a41376cb71e87b1ae2_s

2015年4月より順次施行されている新たな介護保険制度ですが、その介護保険法は2014年に制定された「医療介護総合確保推進法」に従って改正されていることはご存じですか?

「医療介護総合確保推進法」には、「医療」とつくように医療法も当然関わってきています。

つまり、「医療介護総合確保推進法」を知ることで、今後の医療・介護の方向性を知ることができるのです。

今回は、その「医療介護総合確保推進法」についてを簡単に説明させていただきます。

「医療介護総合確保推進法」ってなに?

この「医療介護総合確保推進法」は、医療や介護に関わる19の法案を取りまとめたもので、地域の医療と介護の連携も強化を目指すことを大きな目標としています。

その19の法案のなかには、国⺠健康保険法や生活保護法、診療放射線技師法と一見、介護・医療とは少し離れていそうな法案まで含まれており、一体となった包括的な推進が色濃く表れています。

で、なんのための法律なの?

では、なぜ19もの法案を取りまとめ「医療介護総合確保推進法」を制定する必要があったのでしょうか?

理由:2025年に団塊の世代が75歳以上

当然、そこには国民の3人に1人が65歳以上・5人に1人が75歳以上となる2025年問題がその背景にあり、具体的には高齢化の進展に伴う変化として以下の3つが挙げられています。

  1. 慢性疾患、複数の疾病を抱える患者が増える
  2. 手術だけでなく、その後のリハビリも必要となる患者が増える
  3. 自宅で暮らしながら医療を受ける患者が増える

目的:2025年問題に備えた方向性の確率

では、「医療介護総合確保推進法」の目的は何になるのでしょうか?
その答えは、「医療介護総合確保推進法」の2つの方向性に表れています。

  1. 高度急性期から在宅医療まで、患者の状態に応じた適切な医療を、地域において効果的かつ効率的に提供する体制を整備し、
  2. 患者ができるだけ早く社会に復帰し、地域で継続して生活を送れるようにする

で、医療・介護はどうなるの?

医療はどうなるの?

医療については、以下の2つが患者の状態に応じて、適切な医療を連携して地域で提供できる体制を整備することになっています。

  1. 高度な医療や入院や手術に対する医療機関
  2. 退院後・手術後のリハビリを提供する身近な医療機関

介護はどうなるの?

介護については、以下の3つが大きなポイントで、その地域・その利用者に合わせることで可能性を広げるといった包括的な取り組みがされています。

  1. 市町村がその地域の状況に合わせた独自のサービスを提供できるよう範囲の拡大
  2. 高齢者の生活支援に地域のNPO法人やボランティアの協力を取り入れたり、高齢者の介護予防サービスを充実
  3. 介護費用はその利用者に合わせた応能負担

で、今後はどうなる予定なの?

今後は、患者(高齢者・利用者等)を中心に、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、介護支援専門員、その他の様々な専門職の積極的な関与のもとサービス提供体制を構築していくことが予想されています。

今後

【参考:厚生労働省 医療介護総合確保推進法等について

「医療介護総合確保推進法」の概要って?

厚生労働省では、「医療介護総合確保推進法」の概要として、以下の4つをポイントとしていますが、これらを説明するとかなり長い文章になってしまうので、幾つかの記事にわけさせて説明をさせていただきます。

必要な部分だけでも知りたいという方はこちらをご覧ください。

1. 新たな基金の創設と医療・介護の連携強化

  1. 消費税増収分を活用した新たな基金を都道府県に設置
  2. 医療と介護の連携を強化

2. 地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保

  1. 都道府県は、医療機関の病床の医療機能等をもとに地域医療構想を策定
  2. 医師確保支援を行う地域医療支援センターの機能を法律に位置付け

3. 地域包括ケアシステムの構築と費用負担の公平化

  1. 在宅医療・介護連携の推進などの地域支援事業の充実とあわせ、予防給付を地域支援事業に移行し多様化
  2. 特別養護老人ホームについて、在宅での生活が困難な中重度の要介護者を支える機能に重点化
  3. 低所得者の保険料軽減を拡充
  4. 一定以上の所得のある利用者の自己負担を2割へ引上げ
  5. 低所得の施設利用者の食費・居住費を補填する「補足給付」の要件に資産などを追加

4. その他

  1. 診療の補助のうちの特定行為を明確化し、それを手順書により行う看護師の研修制度を新設
  2. 医療事故に係る調査の仕組みを位置づけ
  3. 医療法人社団と医療法人財団の合併、持分なし医療法人への移行促進策を措置
  4. 介護人材確保対策の検討

【参考:厚生労働省 医療介護総合確保推進法等について

まとめ

今現在、医療は幾つもの問題を抱えています。
その代表的なところは以下の3つであり、

  1. 少子高齢化に伴う労働力人口の減少
  2. 地域や診療科による偏在
  3. 過酷な勤務環境

この3つを解決するのが「医療介護総合確保推進法」でもあるのです。

というのも、「医療介護総合確保推進法」は、その患者・利用者の視点に立って、必要に応じた医療・介護を、必要に応じた場所(医療機関・介護事業所)で、連携して行っていくことが大きな目標ですが、上記の3つの大きな問題を解決する手段としても大きな役割を担っています。

  1. 少子高齢化に伴う労働力人口の減少→「地域医療支援センター」 の機能を法定化し、 医師確保の取組みを強化
  2. 地域や診療科による偏在→離職する看護職員等の 連絡先を都道府県の ナースセンターに届出
  3. 過酷な勤務環境→医療機関の勤務環境 改善の取り組みを都道府県が支援

また、消費税増収分を活用した新たな基金を都道府県に設置することで、病床の機能分化・連携、在宅医療・介護の推進等のために利用することも目的とされています。

その負担はやはり国民全体にかかってきてしまうものですが、自分たちの将来のためにも必要な措置であると私は考えています。

The following two tabs change content below.

kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
スポンサーリンク

シェアする

フォローする