短期入所生活介護(ショートステイ)の内容とポイント 後編(長短所とポイント)

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前回の記事「短期入所生活介護(ショートステイ)の内容とポイント 前編(定義と内容と利用料)」では、短期入所生活介護、いわゆるショートステイの定義と内容、利用料について説明させていただきました。

短期入所生活介護の内容とポイント、後編ではポイントとメリット・デメリットについて説明させていただきます。

ポイント

家族(介護者)への配慮

前編の条件のところで説明させていただきましたが、ショートステイでは、以下のどれかに当てはまっていることが条件とされています。

  • 利用者の心身の状況や病状が悪い場合
  • 家族(介護者)の疾病、冠婚葬祭、出張
  • 家族(介護者)の身体的・精神的負担の軽減 など

そして、厚生省令において、ショートステイは「利用者の心身の機能の維持並びに利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図るものでなければならない」とされています。

つまり、ショートステイは他の介護サービスに比べ、家族(介護者)の生活の質の維持であったり、介護負担の軽減であったりと、家族(介護者)への意識が高いというのが大きな特徴です。

この特徴は、家族(介護者)の急な体調悪化などによっては、緊急の受け入れをしているといるというところにも表れています。

併設事業所

ショートステイの多くは特別養護老人ホームに併設されていますが、併設ではない単独型のショートステイもあります。

併設であれば、特別養護老人ホームか老人保健施設、療養型医療施設と同一法人の経営となりますので、社会福祉法人か医療法人が運営しています。

ショートステイ 事業所

【参考:厚生労働省老健局振興課

短期入所療養介護との違い

短期入所療養介護も同じようにショートステイと呼ばれることがありますが、短期入所療養介護は介護療養型医療施設など医療機関の施設や介護老人保健施設などに短期的に入所する介護サービスです。

短期入所療養介護は、看護師や准看護師、リハビリの専門職が短期入所生活介護よりも多く設定されており、介護だけでなく医療とリハビリに特化しているのが特徴です。

限られた期間

ショートステイはショートとつくように基本的には短期間の宿泊とされていますが、家族(介護者)の都合などによってはもっと長く宿泊されている方もいます。

ですが、短期入所生活介護(ショートステイ)の連続利用日数は30日までと定められています。

メリットとデメリット

メリット

慣れ

ショートステイを利用することによって、少しづつ介護サービスのある環境、そして自宅以外の場所での生活、そしてそこでの宿泊に慣れるということは、利用者本人にとっても、家族(介護者)にとっても今後の介護を考える上でとても重要なことになります。

宿泊

訪問や通いのサービスと違い、期間を定め宿泊できるため一時的ではありますが、家族(介護者)が介護から離れゆっくりと安心して休むことができます。

そしてショートステイがあることによって、今後の在宅での介護の安心にもつながります。

人員基準

人員基準に医師が1人以上と定められているため、緊急時の早期対応ができます。

また、栄養士も1人以上と定められているため、宿泊期間中の栄養も提供されたものをしっかりと食べれるのであれば心配はないと言えます。

床面積

ショートステイは1人当たりの床面積が10.65m²以上と定められています。

ショートステイの床面積は他の介護サービスと比べ少し広く設定されています。

デメリット

退所日の対応

ショートステイでは時間利用という概念がないため入所日はもちろんのこと、退所日も利用料がかかります。

それは午前に退所したとしてもかかってしまうのです。

退所の時間は施設によって様々ですが、午前に退所というところもあるのが実際のところです。

筋力の低下

介護の仕事をしている方であれば、「ショートステイに行ってから歩けなくなった」という介護士の発言は一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

自分がショートステイで働くまでは本当にショートステイに行くと筋力が低下して帰って来ると考えていました。

これはこの後説明するショートステイ特有のものが関係しています。

認知症の進行

認知症の方にとって最も良くないのが環境の変化というのは介護の授業を受けたことのある方であれば誰でも知っています。

それは自分の知らない環境という不安が大きく関係しています。

ショートステイを何度も利用するというのは、認知症の方にとって最も良くないことを繰り返すということです。

これは働いているからこそ思ったことですが、やはりショートステイの利用は認知症の方にとって刺激ではなく不安でしかないため、認知症がより進行するような気がします。

集団生活

特別養護老人ホームであれば、他の利用者と一度仲良くなれたなら明日もまた会うことができます。

デイサービスであれば、特定の曜日には決まった利用者が利用していることが多く、その曜日に行けば仲良くなれた利用者とまた会うことができます。

ショートステイでは、その日にどんな利用者が宿泊されているのかというようなパターンなどはほぼないに等しいので、そういったこともまずないに等しいと言えます。

ですので、常に慣れることのない集団生活といっても過言ではないでしょう。

予約が取りにくい

ショートステイはとても利用希望者が多く、予約が取りにくいというのが現状です。

まとめ

個人的な考えになりますが、私が働いてきた介護施設の中でショートステイが最も難しく思えます。

介護士の目線でのショートステイの最大の特徴は、毎日、利用者の入退所があることです。

ここまでであれば大きなデイサービスも同じですが、それが短期間の宿泊となると訳が違います。

毎日、利用者の入退所があるということは、常に入れ替わる利用者情報をどんどんと更新し共有していかなければならないのです。

利用者によっては同性介助の希望だったり、家族の希望で毎日夕方前に少しでも歩行の訓練をすることを望まれたり、家族の要望、利用者本人の要望は私たち介護士の業務に大きな影響を及ぼします。

そして、毎日のように知らない利用者を何人も対応することは大きなリスクを伴います。

また、生活相談員をして思ったのが、ショートステイが最も苦情が多いということです。

  • 「家に帰ってきたら◯◯がなくなっていた」
  • 「他の利用者の荷物が紛れ込んでいた」
  • 「行く前よりも歩けなくなった」

こういった職員のミスなどの理由には、ショートステイ特有の日々更新されてしまう不安定的な業務というものが少なからず関係しているのだと思われます。

職員からすれば、どんどんと溢れるように更新されていく優先順位の候補(排泄介助や食事介助や転倒リスクへの配慮など)への対応に追われている中、トラブルになりかねないリスクを冒したくないというのが正直なところではないでしょうか?

それが、筋力の低下にも繋がってくるのではないでしょうか?

ですので、正直なところ、ショートステイはあくまで家族が休むためにある施設と思うのが無難なのではないかとも思ってしまします。

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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