診療報酬改定の裏側

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前回の記事「平成28年施行の診療報酬改定の簡単な説明」では、診療報酬についての簡単な説明をさせていただきました。
介護報酬は3年に1度、診療報酬は偶数年ごとの2年に1度のペースで改定されます。
前回の記事でもお伝えしましたが、「改定」は来る2025年の医療・介護ニーズのピークに備えた軌道修正でもあります。

ここからは、前回の記事に引き続き、厚生労働省の資料をもとに、診療報酬の裏側についてをできるだけ簡単に説明させていただきます。

【参考】

  1. 平成28年度診療報酬改定の概要(平成28年3月4日版)
  2. 平成28年度診療報酬改定の 基本方針(骨子案)に関する参考資料 

診療報酬について

診療報酬は以下の4つの定義があります。

  1. 保険医療機関及び保険薬局が保険医療サービスに対する対価として受け取る報酬。
  2. 診療報酬は、「技術・サービスの評価」と「物の価格評価」から構成されており、医科・歯科・調剤のそれぞれについて、個々の技術、サービスを点数化して評価。
  3. 具体的な診療報酬は、原則として実施した医療行為ごとに、それぞれの項目に対応した点数が加えられ、 1点の単価を10円として計算される。
  4. 厚生労働大臣が中央社会保険医療協議会(中医協)の議論を踏まえ決定。

診療報酬イメージ

※ 医薬品・医療材料については薬価基準・材料価格基準で価格を定める。

改定までの流れ

では、「診療報酬改定はどのように行われるのか?」というところから見ていきます。
冒頭でもお伝えしましたが、介護報酬は3年に1度、診療報酬は偶数年ごとの2年に1度のペースで改定されます。

厚生労働省より公表されている資料によると、診療報酬の改定は、以下の3つをもとに実施されるとされています。

  1. 予算編成過程を通じて内閣が決定した改定率を所与の前提として、
  2. 社会保障審議会医療保険部会及び医療部会において策定された「基本方針」に基づき、
  3. 中央社会保険医療協議会において、具体的な診療報酬点数の設定等に係る審議を行い実施されるものである。

【参考:平成28年度診療報酬改定の 基本方針(骨子案)に関する参考資料 】

つまり、まず第一になるのが、予算なのです。

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【参考:平成28年度診療報酬改定の 基本方針(骨子案)に関する参考資料 】

診療報酬改定の裏側

前回の記事でもお伝えしていますが、ポイントは「高齢化」と「予算」です。
診療報酬の改定は、今後も「高齢化」と「予算」を考えたうえで推し進められていくと思われますが、具体的に「高齢化」「予算」はどういった状況なのでしょうか?
ここからは、平成28年4月1日より施行された診療報酬改定の「基本方針に関する参考資料」を見ていきたいと思います。

高齢者数増加の地域差について

  • 高齢化の進展には地域差があり、今後、首都圏をはじめとする都市部を中心に、高齢者数が増加することが予想される。

人口増加

【参考:平成28年度診療報酬改定の 基本方針(骨子案)に関する参考資料 】

主な疾患別の死亡率の推移

  • 高齢化の進展により、医療ニーズが、ガンなどを原因とする慢性疾患を中心とするものに変化。

脂肪の要因

【参考:平成28年度診療報酬改定の 基本方針(骨子案)に関する参考資料 】

死亡数の将来推計

  • 今後も、年間の死亡数は増加傾向を示すことが予想され、最も年間死亡数の多い2040年と2015年で は約36万人/年の差が推計されている。

死亡数

【参考:平成28年度診療報酬改定の 基本方針(骨子案)に関する参考資料 】

死亡の場所(年次推移)

  • これまで、自宅等における死亡が減少し、医療機関における死亡が増加する傾向にあった。
  • 近年、医療機関以外の場所における死亡が微増する傾向にある。

死亡別

【参考:平成28年度診療報酬改定の 基本方針(骨子案)に関する参考資料 】

終末期の療養場所に関する希望

希望

【参考:平成28年度診療報酬改定の 基本方針(骨子案)に関する参考資料 】

自宅で最期まで療養することが困難な理由(複数回答)

困難な理由

【参考:平成28年度診療報酬改定の 基本方針(骨子案)に関する参考資料 】

医療費の動向

  • 対GDPで見た国民医療費は、国民医療費の増加に伴い上昇傾向にある。

対GDP

【参考:平成28年度診療報酬改定の 基本方針(骨子案)に関する参考資料 】

医療費の伸び率の要因分解

  • 近年の医療費の伸び率を要因分解すると、「高齢化」で1.5%前後の伸び率となっている。※ 「その他」の要因には、医療の高度化、患者負担の見直し等種々の影響が含まれる。

医療費伸び率

【参考:平成28年度診療報酬改定の 基本方針(骨子案)に関する参考資料 】

平成25年度 国民医療費の構造

  • 平成25年度における国民医療費総額は、40兆610億円 (人口1人当たり国民医療費31万4,700円)。
  • 財源別にみると、公費は15.5兆円(38.8%)、保険料は19.5兆円(48.7%)、患者負担等は5兆円(12.5%)
  • 診療種類別にみると、医科診療が28.7兆円(71.8%)、歯科診療2.7兆円(6.8%)、薬局調剤が7.1兆円(17.8%)
  • 医療機関の費用構造は、人件費が18.6兆円(46.4%)、医薬品が8.9兆円(22.3%)、材料費が2.6兆円(6.4%)

医療費の内訳

【参考:平成28年度診療報酬改定の 基本方針(骨子案)に関する参考資料 】

まとめ

診療報酬改定は、「団塊の世代が75歳以上となった2025年の医療・介護ニーズのピークにどう備えるか?」という軌道修正であり、医療だけでなく介護も一体となって計画的にすすめられています。

スケジュール

【参考:平成28年度診療報酬改定の 基本方針(骨子案)に関する参考資料 】

そして、ここから20年の診療報酬の動向としてはパラダイム・シフト(社会と経済の変化に対応 )することが必要とされています。
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【参考:平成28年度診療報酬改定の 基本方針(骨子案)に関する参考資料 】

つまり、「これまで」が今後の下準備であり、今まさにシフトチェンジをする折り返しを迎えようとしているのです。

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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