平成28年施行の「診療報酬改定」の簡単な説明

シェアする

adc4d6e89986ac51d2061f19476e715a_s

つい数日前の平成28年4月1日より、診療報酬が新しくなりました。

「診療報酬が新しくなった」こう聞くと、医療全体に明るい日がさしたようにも感じますが、実際のところ、2年に1度のペースで新しくなる診療報酬に振り回されている事業所も少なくはないと思われます。

上司の「これから診療報酬が下がるから」という発言、鵜呑みにしていませんか?

今回の記事では、厚生労働省の資料を基に、

  • 診療報酬ってなに?
  • 何がどう新しくなったのか?
  • なぜ変える必要があったのか?

の3つのポイントを中心に、出来るだけ簡単に説明させていただきます。

【参考】

  1. 平成28年度診療報酬改定の概要(平成28年3月4日版)
  2. 平成28年度診療報酬改定の 基本方針(骨子案)に関する参考資料 

そもそも診療報酬って何?

では、まず診療報酬についてから説明させていただきます。
診療報酬を理解する上で大切なことは以下の2つの点です。

  1. 保険医療機関及び保険薬局が保険医療サービスに対する対価として受け取る報酬
  2. 「技術・サービスの評価」と「物の価格評価」から構成されており、実施した医療行為を点数化して評価

【参考:平成28年度診療報酬改定の 基本方針(骨子案)に関する参考資料 】

例:マスオさんの場合

では、ここからは例を使って説明させていただきます。

それは、縁側に座っていたサザエさんが立ち上がり、「桜も咲いて、やっと春らしくなってきたわね。よーし、こっから頑張るぞー」と言った矢先のことでした。
マスオさんが急に転げるようにお腹を抑え痛みだしたのです。

マスオ「お腹が、、お腹が、、イタタタ、、」

結果的にマスオさんは、急性虫垂炎(盲腸)と診断され、入院当日に脊椎麻酔下に開腹虫垂切除術を施行し、4日間入院となりました。

ここからは急性虫垂炎で入院した場合の診療報酬のイメージです。

費用の内訳

この場合のマスオさんが退院後に病院に支払うべき、診療報酬に関わる項目は以下の4つです。

  1. 入院基本費   (7128点)
  2. 入院基本料等加算(870点)
  3. 手術      (6210点)
  4. 麻酔      (950点)

これらは医療行為になるので、それぞれの項目に対応した点数として計算され、最終的に1点の単価を10円として計算されています。
上記の1から4までの合計は15158点となり、×10で 151580円 となります。

一部負担金

では、マスオさんは4日間の入院で 151580円 を支払うべきなのでしょうか?
ここが大切なポイントで、「医療・介護サービスは、保険料を支払うことで一部負担で利用できる」とされています。

つまり、マスオさんが自己負担割合3割の場合であれば、45474円を病院に支払えば良いということなのです。

スクリーンショット-0028-04-06-18.14.16

【参考:平成28年度診療報酬改定の 基本方針(骨子案)に関する参考資料 】

平成28年度診療報酬改定

では、平成28年度診療報酬改定の概要についてを、できるだけ簡単に説明させていただきます。

概要

まず見ていただきたいのが、以下の平成28年度診療報酬の改定率です。

スクリーンショット-0028-04-06-20.10.10

【参考:平成28年度診療報酬改定の概要(平成28年3月4日版)

この表からわかることは、診療報酬本体で見ると、049%の引き上げだが、薬価改定・材料価格改定を含めた診療報酬全体では0.84%の引き下げということです。(▲:引き下げ)

つまり、「これから診療報酬が下がるから」というのは診療報酬本体でなく、診療報酬全体を指しており、診療報酬本体としては、2008年から2年毎の改定のたびに引き上げられているのです。(▲:引き下げ)

診療報酬改定率の推移

 H12H14H16H18H20H22H24H26H28
薬価等▲1.7%▲1.4%▲1,0%▲1.8%▲1.2%▲1.3%▲1.3%▲0.6%▲1.3%
診療報酬本体+1.9%▲1.3%±0%▲1.3%+0.3%+1.5%+1.3%+0.7%+0.4%

改定の目的

診療報酬改定は、医療・介護ニーズが最も多くなるとされている2025年に向けて、以下の2つの構築を図ることが目的です。

  1. 地域包括ケアシステム
  2. 効果的・効率的で質の高い医療提供体制

改定の4つのポイント

診療報酬は偶数年ごと、前回の診療報酬改定の結果をもとに改定されます。
平成28年度の改定では、前回の平成26年度診療報酬改定の結果である、

  • 病床の機能分化・連携の推進
  • かかりつけ医機能の一層の強化
  • 後発医薬品の格段の使用促進や価格適正化

といったことを踏まえたうえで、4つの視点をポイントとしています。

  1. 視点1「地域包括ケアシステムの推進と、医療機能の分化・強化・連携」
  2. 視点2「患者にとって効果的・効率的で質が高い医療の実現」
  3. 視点3「重点的な対応が求められる医療分野の充実」
  4. 視点4「効率化・適正化を通じて精度の持続可能性を高める」

この4つの改定のポイントについては、詳しく説明するとつまらない文になりますので、要点のみを以下の「まとめ」にて説明させていただきます。(詳しくは「平成28年度診療報酬改定の概要(平成28年3月4日版)」を御覧ください。)

まとめ

診療報酬改定を知る上で大切なポイントとなるのが、高齢化と予算です。

高齢化に関しては、「団塊の世代が75歳以上となり、医療・介護ともに最もニーズが高まると予想される2025年にどのように備えるのか?」ということが重要となり、「効率・効果・適正」が重要になってきます。
なかでも特に重要となるのが「効率」です。
つまり、平成28年度の診療報酬改定の「医療の分化・連携・充実」が目標であるなら、「高齢者の増加・働き手の不足・少ない予算」という問題が背景であり、歩むべき道を明るくするのが「効率」なのではないでしょうか?
現在ではクラウドサービスなどもあり、法人で一つのネットワークを構築し、「行ったり来たり」「作成された資料を、もう一度作成する」等をなくした効率化を図っているところも珍しくはありません。
そして、マイナンバー制度が導入されたことも忘れてはいけません。

では、ここで平成28年度の診療報酬改定のポイントをおさらいしてみます。

  1. 地域包括ケアシステムの推進と、医療機能の分化・強化・連携
  2. 患者にとって効果的・効率的で質が高い医療の実現
  3. 重点的な対応が求められる医療分野の充実
  4. 効率化・適正化を通じて精度の持続可能性を高める

この4つのポイントは、患者側・医療従事者のどちらにとってもポジティブな方向を目指しているものであるということは言うまでもありません。

The following two tabs change content below.

kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
スポンサーリンク

シェアする

フォローする