介護職員の採用のポイント

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採用のポイント

今回の記事では、現場を考えた介護職員の採用のポイントを、応募が多い事業所の特徴などをふまえて説明させていただきます。

面接官が、結果的に働かなくなってしまうような職員を雇い入れれば、介護の現場は、士気が下がるだけではなく、平均的な介護の質さえも下げ、結果的にその環境に我慢ができなくなった職員の退職を促してしまいます。

では、面接官はどういったところをポイントに判断していけばよいのでしょうか?

まず、介護の現場を理解することが大切になります。

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介護は歩合制ではない

一般的な介護職員であれば、ある程度決まった時間に食事介助や排泄介助などの業務をやらなければなりません。

やらなければならない業務なので、誰かがやらなければ、他の誰かがやるしかないのです。

ですが、介護は歩合制ではありません。

働いてもサボっても同じような給料なら、人の分まで働くことに対し「こんなに一生懸命、なんで人の分まで働かなければならないのか?」と思ってしまう職員がいても普通ではないでしょうか?

介護という仕事においては、サボった職員の分を常に誰かが補わなければ、介護職員のその時間帯の業務が回らなくなるだけではなく、

  • チームワーク
  • 介護の質
  • 一緒に働く介護職員の勤務姿勢

さらには、利用者の生活にまで影響してきます。

そういった環境に、いつの間にか流されて自分まで働かなくなってしまうような職員もいますが、見て見ぬ振りはできないという職員もいます。

では、ここからは見て見ぬ振りができない職員について書いていきます。

見て見ぬ振りができない介護職員

見て見ぬ振りができない職員は、以下のような3つのタイプに分かれます。

  • 感情丸出しなヒステリックタイプ
  • はっきりと言うよりも自己を犠牲にするタイプ
  • ある意味ポジティブな脱出を考えるタイプ

感情丸出しなヒステリックタイプ

気がきく女性に多く、職場に一人こういった職員がいると介護の質が保てたりもしますが、派閥のようなものを作ってしまうタイプです。

はっきりと言うよりも自己を犠牲にするタイプ

上司からすると、腹をくくっているうちは穏やかで最も使いやすい。

このタイプは、何も言わない平和主義タイプと何も言えない超消極的タイプに分かれます。

ある意味ポジティブな脱出を考えるタイプ

潤滑油的な存在で、好かれるようなキャラの人が多いタイプですが、「良い職員はやめてしまう」という、介護業界のちょっとした常識の典型です。

バランスが崩れると

介護の現場においては、チームワークのバランスが取れるとより効率的に業務を遂行することができますが、バランスが崩れると、やはりどこかにしわ寄せがきてしまうものです。

通常の業務のどこかで、そのしわ寄せが来るだけなら毎日のようにありますが、転倒や便失禁、何かしらの緊急の対応など、忙しい時に限って幾つかのことが重なったりすると、さすがに手に負えない状況になってしまいます。

また、チームワークのバランスが崩れることによってコミニュケーションに障害が発生すれば、必然的に効率的とはかけ離れていき、最終的にそれぞれが必要以上に時間に追われた状況になってしまいます。

時間に追われば、介護の質は当然、下がります。

介護職員の提供するサービスの質が下がるということは、利用者の転倒などの事故リスクを高めるだけでなく、利用者の容態の変化に気づくための意識、落ち着いているからこその適切な対応、と幾つものことに影響してきます。

そして、チームワークの歯車をさらに崩すことになるようなうっかりミスにもつながってしまうのです。

こうなってしまうと徹底的に悪循環です。

こういった状態を放っておけば、根がどんどんと深くなっていき、最適な改善方法が職員の総入れ替えしかなくなってしまいます。

経営者的な目線では

良い職員を採用することで、新規の受け入れ態勢の強化につながります。

新規とは、新しい利用者の獲得という意味でもありますが、新しい職員の獲得という意味でもあります。

新しい職員の獲得

やはり今後の介護を考えると、介護人材の確保は最も大きな課題の一つです。

「働けるところがあれば早く働きたい」といった求職中の身だとしても、これだけたくさんの介護事業所があるのであれば、「どうせ働くなら良いところで働きたい」と思うのは当然のことだと思います。

ここでいう良いところはだいたい以下の5つだと思われます。

  • 給料などの条件が良い
  • 経営母体が大きい
  • 事業所の形態が自分に合っている
  • 建物の見た目やサイトで見た印象などが良い
  • 職員の雰囲気が良い

どれか一つでもこれらのポイントをおさえている事業所は平均よりも明らかに多くの応募があると思われます。

ですので、なかなか応募が来ない事業所はこれらのポイントを修正していけば良いのです。

まず、給料に関してですが、民間の大きな施設などではない限り、人件費が総支出の大部分を占める介護で、介護職員の給料を上げるということは容易ではありません。

ましてや、経営母体・事業所の形態・見た目などの外観を変えることはさらに難しいことです。

つまり、努力次第で得られるのが、職員の雰囲気が良いということです。

そこで、以下の2つが大切になってきます。

  1. 新人職員を受け入れる体制ができている
  2. 新人職員が継続しやすい環境ができている

雰囲気が良いことで、チームワークの歯車に油を注ぎ、円滑な流れを作り、新しい職員を受け入れる体制・継続しやすい環境作りにつながってきます。

新しい職員の中には過去に、別の事業所で介護をしていたという介護経験者も多くいます。

介護経験者は即戦力にもなりえますが、場合によっては反発因子のような存在にもなりえます。

経験・未経験問わず、新人の介護職員が、今後も継続するかしないかの判断のポイントとしては、

  • 介護の質
  • 介護職員の人間関係
  • 業務の煩雑さや大変さ

と、大きく3つのポイントがありますが、その全ては結果的にチームワークにつながってきます。

新しい職員を受け入れる体制・継続しやすい環境作りがある程度できているのであれば、そこからはそう焦らなくても自然に応募が来るはずだと思います。

新しい利用者の獲得

介護事業の経営のポイントは、常に利用者がいる状態を作るということです。

ですので、どの事業所も営業活動をし、セールスポイントを伝え合っているとは思いますが、やはり内も外も同じでこそ中身があるというものです。

営業で良い顔ばかりしていても、実際の現場が文句と愚痴の言い合いのような雰囲気であるのなら、それは嘘に近いものなのかもしれません。

私は生活相談員として、新規の受け入れや見学の対応などをしていますが、ここ最近、見学に来られる方で疑うような目をしている方をたまに見ることがあります。

それもそのはずで、テレビやニュースでは介護の問題ばかりがクローズアップされ、メディアの影響が介護のイメージ全体に及んでいます。

そういった状況に対して、常日頃から(現場で働く介護士)は良い介護を目指し、は現場の近況を理解することが本当の信頼につながってくるのではないでしょうか?

そこでも大切なのはやはりチームワークです。

コミニュケーションがとれていれば、自ずとチームワークが円滑になってきます。

コミニュケーションがとれてくると、笑顔も自然に溢れてくるものです。

介護職員が作り出す雰囲気は利用者全体の雰囲気にも影響しますし、施設全体の雰囲気にも影響します。

「みんなで楽しく和気藹々」というのは、大きな施設になればなるほどかなり難しいことだとは思いますが、それも良い職員を入れることで不可能ではなくなるはずです。

見学に来られる方に対して、自信を持って施設の中を案内するには、常日頃から安定的な資質を求めていなければならないのです。

採用時のポイント

面接をする時の流れとして、雇い入れる側は、働く上で大切な経歴などの質問をしていき、次に相手側の要望や希望、質問といったことを聞いていきます。

面接をする上で大切なのは「その人から協調性を感じられるか?」です。

介護の仕事で何が最も大切か?と聞かれたら、私は真っ先に協調性と答えます。

協調性は言い換えると、チームワークであり、合わせられるということでもあります。

本当に協調性があるのであれば、チームワークを意識すること、準備ができた考えが自然にできるはずです。

では、どうやって協調性があるかを判断すればよいのでしょうか?

ここでは二つのポイントを挙げさせていただきます。

面接をする上での3つのポイント

一つは、やはり「愛嬌があるか?」ということです。

その場だけの愛嬌なのかを知るためには「人見知りはする方ですか?」という質問が有効です。

もう一つは、「挨拶はちゃんとできますか?」という質問です。

挨拶がちゃんとできるかは、何よりも大事なことです。

最後は、「以前働いていた職場はなぜ辞めたのですか?」という質問です。

面接官は、この質問を少し掘り下げていけば、すぐに判断ができると思います。

というのも、働くことを希望している者が、不採用になるかもしれないような発言を避けるのはごく普通ですが、面接官がそこを掘り下げていくことによって、採用した後の結果が少し見えてくるはずです。

その上で「穏やかか?イライラしやすいか?」や、「仲良く・チームワーク・介護観・理想」などを含む質問をすることで、少しは適切な判断ができると思います。

長期的目標

現場の介護士からは「なんであんな職員を雇ったのか?」「普通に考えて、あれは雇っちゃダメでしょ」などと影口を叩かれているかもしれませんが、面接の時に全てを判断するというのはかなり難しいものです。

  • 「一年経っても、チームワークを大切にできますか?」
  • 「一年経っても、常に穏やかでいられますか?」
  • 「一年経っても、あなたがする介護の質に変わりはありませんか?」

本当に聞きたいのは、採用した介護職員の仕事が慣れてきたあたりの状況ではないでしょうか?

これに関しては、率直に聞いてしまうのが良いと思われます。

  1. 面接官「一年経っても、チームワークを大切にできますか?」
  2. 求職者「一年先のことは想像ができないのですが、多分できると思います。」
  3. 面接官「おっ、それはとてもこころ強いですね」

これは「早く仕事先を決めて安定させたい」という求職者特有の考えをうまく利用したもので、面接官が求職者に対し、1.のように聞くことによって、求職者はその後も「言ってしまった手前」という考えになるのが普通だと思われます。

つまり、利用するといっても、良い意味での利用であり、お互いにとってポジティブな手段なのです。

面接をした後のポイント

この前までは面接官の目線でのポイントを説明させていただきましたが、ここからは求職者の目線でのポイントとなります。

では、例を使って説明させていただきます。

例1

求職者「残業はありますか?」

面接官「あることはありますが、残業といっても週に1回ほどです。」

例2

求職者「昇給やボーナスといったものはありますか?」

面接官「昇給に関しては努力次第、ボーナスは売り上げにもよりますが、半年に1回あります。」

例3

求職者「夜勤ができないのですが大丈夫ですか?」

面接官「夜勤はしなくても、夜勤専門の職員を雇っているので結構です。」

ポイント

ここでは残業給料夜勤についての例えを出しました。

多くの面接官はこの面接の時に何かしらかのメモをとって、求職者の希望や話し合ったことなどについてメモを残していると思います。

口約束ですが、約束は約束なので、面接官がこの時のことを忘れたり放っておくというのは、本人の了解がなければ、あってはならないことだと思います。

契約時、面接時の約束というのは面接官が思っているよりも求職者にとっては大切なことです。

「残業はないって言ったのに、想像以上にあって耐えられない。」

「どんなに頑張っても給料がずっと低いままで何も変わらない。」

「夜勤の話はあれだけしたのに、結局、夜勤やらないといけないなんて。」

求職者にとって、残業が嫌なのではないのです。

残業はないという約束を裏切ったことが嫌なのです。

面接官が「雇用後のことは現場に任せればいいから関係ない」という態度なのであれば、チームワークの歯車を錆びつかせてしまう原因は、間違いなくその面接官にあります。

未来を少しでも考えるのであれば、現場に貢献するという意識は大切なのではないでしょうか?

まとめ

良い施設の共通点として、挨拶が挙げられます。

コミニュケーションの基本は挨拶です。

先ほどもお伝えしまいたが、コミニュケーションがとれていれば、自ずとチームワークが円滑になってきます。

逆に、悪循環の多い施設では、役職があるほど挨拶しない人が多い気がします。

現場で働く介護士も、現場以外の施設関係者も、介護という仕事に携わる上で大切なのは、やはり基本の「き」である挨拶です。

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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