介護老人保健施設(老健)の内容とポイント 後編(内容と長短所)

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老健

前回の記事「介護老人保健施設(老健)の内容とポイント 前編」では、定義と条件と利用料についての説明をさせていただきました。

今回の記事「介護老人保健施設(老健)の内容とポイント 後編」では、介護老人保健施設の内容とメリット・デメリットを説明させていただきます。

具体的な内容は?

まず、老人健康保険施設の役割として、

  • 在宅復帰、在宅療養支援のための地域拠点となる施設
  • リハビリテーションを提供する機能維持・改善の役割を担う施設

という以上の二点を理解することが、内容を知る上では大切なことになります。

そして、老人健康保険施設の100床当たりの人員配置例を見てみると、

  • 医師 1人
  • 看護職員 10人
  • 介護職員 24人

となっていおり、さらに、利用者100人に対し1人以上のリハビリ専門職(理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士)が必要となっています。

これは、特別養護老人ホームなどに比べると分かりやすいのですが、介護老人保健施設は、人員的にも「看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練」に特化しているということなのです。

つまり、介護老人保健施設はリハビリテーションを中心とした医療サービスの提供など、在宅復帰を目的とする施設なのです。

もちろん、日常生活に必要な食事、入浴、排泄、レクリエーションなどの支援や介助も行っておりますが、やはりその目的が在宅復帰とはっきりとしているため、リハビリなどの機能訓練に力を入れているのが大きな特徴です。

メリットとデメリット

メリット

医学的管理

「看護、医学的管理の下における」と、定義にもあるように介護老人保健施設の人員基準には、医師一人だけではなく、看護師も複数名います。

この医学的管理というのは、病院と施設の中間的な立ち位置である介護老人保健施設の大きな特徴であります。

介護老人保健施設には、「緊急時施設療養費」というのがあり、入所者の病状が著しく変化した場合に、緊急等やむを得ない事情であれば、手術・放射線治療・急性増悪時の医療、超音波検査など特殊な検査・エックス線診断などの簡単な画像診断ができるとされています。

また、医師が常駐しているため、基本的には介護老人保健施設より薬が処方されます。

【参考:厚生労働省 介護報酬改定に向けて

リハビリに特化している

在宅への復帰が目標とされている介護老人保健施設のもう一つの特徴として、リハビリに特化しているということが挙げられます。

医学的管理のもと、リハビリ専門職と適切なリハビリを行うということは、利用者本人にとって明確な目標になります。

また、在宅生活の復帰を目標としているので、在宅生活でのリハビリについての指導も受けられます。

費用の安さ

医療療養病床・介護保険施設の中で、平均的な一人当たりの費用額が、特別養護老人ホームの次に安いのが介護老人保健施設です。(H24改定後の厚生労働省の調べでは約30.5万円)

  •  入居一時金が必要がない
  • 利用料が月額で16前後と安い

デメリット

退所が近い

何度かお伝えしていますが、介護老人保健施設では、3か月ごとに入退所判定が行われます。

つまり、長くても半年の入所になることが多いのが、介護老人保健施設の特徴です。

また、介護老人保健施設は施設であって病院ではないので、医療的な行為や治療が必要になった場合には外来の受診・入院ということになり、退所になることもあります。

そして、忘れてはいけないのが、入所までの道のりです。

介護老人保健施設は、以外とすぐに入所というのはできず、待つところでは半年を要すこともあり、半年待ったところで、入所の判定が厳しいため、入所ができないといったこともあります。

あくまで在宅生活への復帰のための施設

介護老人保健施設は、在宅生活を目標としたリハビリ施設です。

ですので、他の介護サービスと違い、利用者の生活面に対しての配慮に力を入れているわけではありません。

実際のところ、介護老人保健施設では多床室のところがほとんどです。

また、利用者を楽しませるといったレクやイベントなども充実しているわけではありません。

まとめ

今回、老健のメリット・デメリットでは、実際に老健で働く知り合い数名に協力をしてもらいました。

働いている方々からすると、デメリットというのはかなり多く出てくるものですね。

ですが、それはやはりどこも同じだと思います。

私は、研修と営業でしか老健を見たことがないので、正直華やかに思えていました。

それは、利用者の介護度に均一性が見られ、仲よさそうにしている方が多くいたからです。

介護サービスの中でも、利用者が目的を持つという意味で、介護老人保健施設はちょっと変わっていると思います。

ただ、ご家族の方にお伝えしておきたいのは、あくまで入所の期間が定められており、その期間が比較的短いため、老健に入所した後のことを考えておくのが良いということです。

老健の目指しているところは、従来型ではなく、在宅強化型のため、早い段階で自宅での生活に戻したいというのが本当のところです。

そういったことに関しては、老健の相談員などが色々と相談にのってくれると思いますが、在宅での生活に関し、今後どういった方向で介護を進めていくかは、家族介護をする上でとても大きなポイントになります。

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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