初介護職・再介護職を考えるなら知っておきたい「特別な支援」

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平成27年12月22日の火曜日、全国介護保険・高齢者保健福祉担当者会議が行われました。
そこで、大きなテーマとなったのが、今後の「介護人材の確保について」です。

今現在、どこの介護施設でも利用者の獲得だけでなく、介護職員の獲得にも頭を悩ませていることだ思います。
実際、現場で働く介護士のなかには、「もう介護から離れたい」と思っている職員も少なくはなく、今後どういったかたちになっていくのかを気にしている方も多いと思われます。

今回の記事では、最も新しい「介護人材の確保について」の施策を簡単に説明させていただきます。

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未来に向けた総合的な介護人材確保の推進

今、大きな問題となっているのは、「介護人材の確保」です。

数年前に比べ、少しづつ介護人材は増えてはいますが、今のペースでは将来の高齢化に対応できないと予想されています。
それは、「介護士の不足」が主たるところですが、今いる介護士が介護業界から離れていく「介護離れ」や、介護業界の高い離職率なども大きな要因となっています。

そこで、各都道府県では、介護人材を量と質の両面から確保しようと「地域医療介護総合確保基金」等を活用した積極的な取組を進めています。

介護人材の確保として

  1. 潜在介護人材の呼び戻し
  2. 新規参入促進 (若者)
  3. 新規参入促進 (中高年齢者)
  4. 離職防止・定着促進

の4つの視点にたった追加的・緊急的な取組を講じるための総額444億円の財源を確保しています。

では、ここからはその4つの具体的な施策についてを説明させていただきます。

1. 潜在介護人材の呼び戻し

「潜在介護人材の呼び戻し」は、一年以上の経験を有する「以前に介護職員だった者」に対し、再び介護職員として就職するための施策です。

これにはまず、以前に介護の仕事を一年以上していた方が福祉人材センターに届け出をすることが前提になっており、

福祉人材センターに届け出人材センター

【参考:介護人材の確保について 】

介護職員として再就職する際に必要となる「再就職準備金の貸付メニュー」の中から、一回を限度に上限20万円が貸りられるという仕組みです。

再就職準備金の貸付メニュー準備金

【参考:介護人材の確保について 】

この施策の大きなポイントは、再就職後2年間介護職としての実務に従事することにより返還義務を全額免除という点です。

2. 新規参入促進 ➀ 「介護士になりたいなら支援するよ」

「新規参入促進 ➀」は、

  1. 介護職を目指すために介護福祉士養成施設に入るのであれば、修学資金を53.2万円まで貸してあげるよ
  2. 卒業して介護職になって5年間働いてくれたら貸したお金全額免除でいいよ

といった施策です。

就学

【参考:介護人材の確保について 】

3. 新規参入促進 ➁ 「ボランティアを活かそう」

「新規参入促進 ➁」は、全国にいる約120万人のボランティアをしている中高年齢者(50歳~64歳の者)のうち「介護を仕事としたい」と思う方をに対し、介護職に従事する際に必要となる基礎的知識を学ぶための研修などを実施し参入を促進するための施策です。

具体的には、都道府県福祉人材センターによるマッチングを通じて就労し、働きながら介護職員初任者研修の修了を目指す者に対し研修受講費等の助成を支援します。

ボランティア

【参考:介護人材の確保について 】

4. 離職防止と定着促進 「なぜ辞めたのか?」を解決する

「離職防止と定着促進」は、介護人材の離職事由の上位を占める要因に対し、総合的な対策を実施することにより、介護人材の離職防止・定着促進を推進する施策です。

4

【参考:介護人材の確保について 】

「過去働いていた職場を辞めた理由」とその対策

1位 結婚、出産・育児:31.7%

過去働いていた職場を辞めた理由の1位になったのは、「退職せざるをえない状況」である結婚や出産といったことなのですが、「退職せざるをえない状況」にならないようにするために「事業所内に保育施設」を整備・開設していき解決を図るというものです。

また、退職ではなく休暇というかたちにして「子育て支援のための代替職員のマッチング」も新規で行われる予定です。

2位 法人・事業所の理念や運営のあり方に不満があった:25.0%
  • 職場の人間関係に問題があった:24.7%
  • 労働時間・休日・勤務体制があわなかった:18.9%

介護事業所の運営は難しく、現場側と運営側で大きな溝が生まれ、結果的に退職者を増やしてしまうといったことも珍しくはありません。

そこで新たな人材確保対策として、優良な雇用管理改善の取組の普及・促進が新たに設けられることとなっています。

主な特徴として、評価制度の推進があげられていますが、これにより良い事業所に人が集まりやす結果となるのではないでしょうか?

8位 専門性や能力を十分に発揮・向上できない職場・仕事だった :13.2%
  • 腰痛:14.3%

ここでは、対策として、身体的負担軽減や事務の効率化等による生産性向上があげられています。

具体的には、

  • 介護ロボットの効果的活用方法の検討・開発・導入支援
  • 業務上の書類削減
  • ICTの活用(ペーパーレス化の推進)による文書量の半減

と介護職の面倒を払拭する効果が期待されています。

10位 将来の見込みが立たなかった:12.2%

やはり現場での介護というのは、終わりがなく、未来が明るいとは決して言えません。

その上で「介護職員のキャリアアップ支援」が新しくなります。

  • 増加が見込まれる医療的ケアの研修機会の拡大
  • 介護人材のキャリアアップ・定着促進のための登録研修機関の開設・支援
  • 介護福祉士を目指す現任介護職員の実務者研修受講機会確保のための代替要員の雇上経費の支援

など、介護職としてステップアップすることを国全体で支援するといったものです。

まとめ

新しい人材確保対策は、事業所にとっても介護職員にとってもポジティブな施策であり、潜在的な介護士を呼び戻す・新たな介護士を誕生させるといった点でも有益であると思えます。

実際にそれがどういった結果になるのかは、まだわからないところですが、介護を離れていく者からヒントを得ようとするあたりは国の意気込みが現れているのではないでしょうか?

介護のイメージの向上は、介護の未来を考える上でとても重要なことであり、看護士同様に何年もかかることかもしれませんが、「とりあえず」といった気持ちでも介護に目を向けてくれるなら、今現在としては良い結果だと思います。

今後、介護報酬・介護保険法がどういった方向に進んでいくのかで左右されてしまいがちなところですが、財政・高齢化率を考えると「そのなかで何ができるのか?」というところに常に芽を向けておく必要があると思われます。

ただ、やはりわたしとしては、職員・事業所・国が体制を整えたところで、高齢者側がそれを荒らすような結果となってしまっては元も子もないように思え、今から心配なところでもあります。

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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