認知症対応型通所介護の内容とポイント

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送迎

介護サービスの種類」という記事では介護サービスの種類を説明させていただきました。

それでは、それぞれの介護サービスの内容とポイントを説明していきます。

それぞれの介護サービスの内容とポイント、第13回目は「認知症対応型通所介護」です。

認知症対応型通所介護、簡単に説明すると?

認知症にある人が、老人デイサービスセンターなどを訪れて利用する、入浴、排泄、食事などの介護、そのほかの日常生活を送るうえで必要となるサービスなどや機能訓練をいいます。

【参考:介護保険の解説 -サービス編 

これを簡単に説明すると、

認知症対応型通所介護は、認知症の方が日常生活上の介護や機能訓練などの介護サービスを受けるために通うデイサービスです。

認知症対応型通所介護
分類地域密着型サービス
監督・指導区市町村
対象要支護1以上(介護予防)
要介護1以上
利用する場所施設
別名認知デイ

その対象と利用するためには?

まず、認知症対応型とあるように要介護・要支援認定を受けた認知症の方が対象となります。

そして、認知症対応型通所介護は地域密着型サービスであり、地域密着型サービスは高齢者が住み慣れた地域や環境での生活が継続できるようにするためサービスですので、原則としてお住まいの市区町村以外の施設・事業所のサービスは利用できないことになっています。

つまり、要支援1・要介護1以上の認知症の方であれば、お住まいの地域にある認知症対応型通所介護が利用できるということです。

Point !

明らかに認知症と言える方でない場合、認知症対応型通所介護の利用にあたっては「医師による認知症の診断」が必要となることがあります。

サービスの具体的な内容は?

認知症対応型通所介護は通所介護と名前につくように「認知デイ」と呼ぶ方もいれば「デイサービス」と呼ぶ方もいます。

ですので、朝と夕方には職員による送迎があり、

  • 昼食
  • おやつ
  • レクリエーション
  • 機能訓練
  • 入浴
  • 口腔機能向上サービス

といった、一般的なデイサービスと同じような流れがあります。

そして、その利用者に合わせて希望時・定時で排泄介助を行ったり、必要に応じて食事介助なども行います。

つまり、対象が認知症の方というだけで、デイサービスなのです。

詳しくは以下よりデイサービスの内容をご確認ください。

通所介護(デイサービス)の内容とポイント 前編(定義と内容)
「介護サービスの種類」という記事では介護サービスの種類を説明させていただきました。 それでは、それぞれの介...

では、一般的なデイサービスと何が違うのでしょうか?

一般的な通所介護(デイサービス)との違い

目的

自宅にこもりきりの利用者の社会的孤立感の解消や心身機能の維持回復だけでなく、家族の介護の負担軽減などを目的として実施します。

【参考:厚生労働省 認知症対応型通所介護

認知症対応型通所介護は通所介護と違って、「社会的」と「回復」という言葉が使われています。

認知症の者が可能な限り居宅において日常生活を営むことができること及び家族の負担軽減を図ることを支援するものであること。

【参考:厚生労働省 人員、設備及び運営に関する基準】

また、認知症対応型通所介護の基本方針では、新オレンジプランと同じく認知症の方本人の考えを尊重した生活というものを前提にしています。

専門的なケア

厚生労働省では、認知症対応型通所介護は認知症の利用者を対象にした専門的なケアを提供するサービスと定義していますが、実際「専門的なケア」とは、一体どういったケアなのかということまでは定義されていません。

ただ、今後に関しては都道府県・市町村による介護指導者研修修了者の存在が今まで以上に重要になっていくことは間違いないと言えます。

認知症介護指導者研修

認知症介護実践研修を企画・ 立案し、講義、演習、実習を担当することができる能力を身に 付け、施設や事業所の介護の質の改善を指導することができる者となるためのもの

講義・演習等200時間 +実習4週間

認知症介護実践リーダー研修

実践者研修で得られた知識・ 技術をさらに深め、施設・事業 所において、チームケアを効率 的・効果的に機能させる能力を有した指導者となるためのもの

講義・演習3420分+実習 (職場実習4週間、他施設3日 等)

認知症介護実践者研修

認知症介護の理念、知識及び技術を習得するためのもの

講義・演習2160分+実習 (職場実習4週間、他施設1日 等)

【参考:厚生労働省 通所介護の報酬・基準について(案)

対象の方とそうでない方

認知症対応型通所介護では認知症の方が前提とされています。

は認知症の原因となる疾患が急性の状態にある者は、当該認知症対応型通所介護事業所において 日常生活を送ることに支障があると考えられることから、指定認知症対応型通所介護の対象とはならないものである。

【参考:厚生労働省 人員、設備及び運営に関する基準】

ですが、上記からもわかるように認知症の原因となる疾患が急性の状態にある場合は対象とはなりません。

また、明らかに認知症と言える方でない場合、認知症対応型通所介護の利用にあたっては「医師による認知症の診断」が必要となることがあります。

人員基準と定員

人員の配置基準に関してもデイサービスとは違います。

認知症対応型通所介護の人員基準では、看護職員または介護職員が専従で2人以上と定められています。

これを簡単に説明すると、認知症対応型通所介護はデイサービスと比べ職員が多く配置されているということです。

そして、デイサービスでは利用者1人あたりの面積と利用者数に対しての職員数の基準さえ満たせば定員の規定がないというのに対し、認知症対応型通所介護では利用者の定員は12人以下と定められています。

【参考:厚生労働省 認知症対応型通所介護の報酬・基準について(案)

以上の2つの特徴から、認知症対応型通所介護は認知症の方への対応を手厚いものとした認知症専門の介護サービスであるということが伺えます。

利用料

認知症の方へ手厚い介護サービスを提供するため、職員を多く配置しているということは、デイサービスに比べ利用料が高く設定されているということでもあります。

もっとも多く利用される所要時間が7~9時間の場合の利用者負担1割の金額を比べてみます。

認知症対応型通所介護(単独型)

  • 要介護1:985円
  • 要介護2:1092円
  • 要介護3:1199円
  • 要介護4:1307円
  • 要介護5:1414円

通所介護(デイサービス)(通常規模)

  • 要介護1:656円
  • 要介護2:775円
  • 要介護3:898円
  • 要介護4:1021円
  • 要介護5:1144円

* 注意 *

  • 要介護・要支援ともに1単位を10円とした目安ですので、詳しくは市町村・東京都では23区の特別区の窓口までお問い合わせ下さい。
  • 認知症対応型通所介護は事業所の形態や所要時間によって費用が設定されています。
  • 送迎に係る費用も上記の利用料に含まれています。
  • 日常生活費(食費・おむつ代など)などは、別途負担する必要があります。

認知症対応型通所介護のポイント

3つの型

認知症対応型通所介護は大きく分けて3つの型があります。

特徴としては単独型、併設型、共用型の順で利用料が高く設定されており、併設型は一般のデイサービスよりも利用料がやや高く、共用型は一般のデイサービスよりも利用料が安く設定されています。

単独型

単独型指定認知症対応型通所介護とは、特別養護老人ホームや病院などの社会福祉施設等に併設されていない事業所において行われる指定認知症対応型通所介護です。

併設型

併設型指定認知症対応型通所介護とは、単独型の社会福祉施設等に併設されている事業所において行われる指定認知症対応型通所介護です。

共用型

認知症対応型共同生活介護事業所、地域密着型特定施設、地域密着型老人福祉施設の食堂等でこられの利用者とともにサービスを提供する場合を指します。

【参考:厚生労働省 認知症対応型通所介護の報酬・基準について(案)

捉え方の問題

一般の通所介護の利用者の中に重度の認知症高齢者が入ると、双方の利用者が混乱してしまう。認知症対応型通所介護の普及を進めるためにもケアマネや利用者の理解が進むようにしていくべきではないか。

【参考:厚生労働省 認知症対応型通所介護の報酬・基準について(案)

これは捉え方の問題となってしまうことなのですが、私の知る限り、多くの認知症対応型通所介護では、1つの大きなデイサービスを2つに分け片方を認知症対応型通所介護として運営しています。

認知症対応型通所介護の基本方針(基準第41条)では、一般のデイサービスと認知症対応型通所介護を同一の時間帯に同一の場所で一体的な形で実施することは認められないとされています。

ですが、 パーティション等で間を仕切るなどにより、職員、利用者及びサービスを提供する空間を明確に区別することができるのであれば構わないともされています。

これをどう捉えるかは認知症対応型通所介護のちょっとした問題です。

まとめ

認知症対応型通所介護は今現在、最も先進的な介護サービスの1つだと私個人は考えています。

というのも、介護サービスを利用される方の3分の1近くは認知症の方であり、小規模のデイサービスではあれば、その日の利用者のほぼ全員が認知症ということも少なくはありません。

ですが、一般的なデイサービスは認知症対応型通所介護と比べ、職員の数も少なければ介護報酬も高くはありません。

今現在問題視されている今後の認知症患者の増加という点でも、認知症の方が住み慣れた地域での生活を続けられる環境基盤の整備という点でも大きな役割となるのが認知症対応型通所介護なのではないでしょうか?

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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