認知症の症状と原因

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徘徊

私のように介護施設で働く者からすると「認知症」はとても身近です。
高齢の方と一緒に住まわれている方、高齢になってきている方にとっては、ちょっと怖いフレーズかもしれませんが、厚生省の発表では、現在、85歳以上の4人に1人が認知症と言われています。

「もう忘れてるの?」なんて思ったらすぐに認知症と思ってしまいがちですが、認知症といっても様々な種類があります。

認知症とは?

「取る」「歩く」「喋る」「思う」など、私たちがするあらゆる活動をコントロールしているのが脳です。

その脳が正常に働かなければ、精神活動も身体活動もコントロールが上手にできなくなってしまいます。

認知症とは、いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったために様々な障害が起こり、生活するうえでおよそ6ヵ月以上継続して支障が出ている状態のことです。

認知症の種類

では、「いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったため」というところを説明していきます。

認知症は、正常であった記憶や思考などの能力が脳の病気や障害の為に低下していく障害です。

脳の病気、障害には一体どんなものがあるのでしょうか?

認知症を引き起こす病気のうち、もっとも多いのは脳の神経細胞がゆっくりと死んでいく「変性疾患」と呼ばれる病気で、代表的なものにアルツハイマー型認知症という脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程でおきる認知症があります。

脳の障害としては、脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化などのために、神経の細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなり、その結果その部分の神経細胞が死んだり、神経のネットワークが壊れてしまう脳血管性認知症があります。

認知症の説明

【参考:厚生労働省 認知症を理解する

では、ここからは厚生省の定義と認知症ねっと、それと今までの自分の経験をもとに認知症の種類を私なりに簡単に説明させていただきます。

アルツハイマー型認知症

特徴

  • 最も発症数が多いとされている
  • 女性に多く見られる
  • 年々増加の傾向にある
  • 脳に特殊なたんぱく質が溜まり神経細胞が死んでしまう
  • 神経細胞が死ぬことで脳が萎縮される

主な症状

  • 記憶障害
  • 認識・判断力の低下
  • 幻覚
  • 激しい喜怒哀楽

レビー小体型認知症

特徴

  • アルツハイマー型認知症の次に発症数が多い
  • 男性に多く見られる
  • レビー小体という特殊なたんぱく質が、脳の中でも人が生活するうえで重要な部分に集まってしまい神経細胞が壊れる

主な症状

  • 幻覚
  • 感情の起伏が大きい
  • 震えるように体がこまめに揺れる
  • 頑固

脳血管性認知症

特徴

  • 脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳の血管障害により起こる
  • 脳の血の流れに障害がでることで細胞に酸素が送られなくなり、神経細胞が死んでしまう

主な症状

  • 教科書などでは感情失禁とありますが、私はあまり感情失禁の方を見たことがない気がします。
  • 思い通りにならないとすぐに怒る
  • やたらとこだわりが多く細かい

前頭側頭型認知症(FTD)

特徴

  • 前頭葉や側頭葉の委縮によるもの
  • 若年性認知症など若い人でも発症する

主な症状

  • 同じ行動を繰り返す
  • 集中すること、自発的な動きなどがなくなる
  • 反社会的・非常識的な行動が多くなる

【参考:認知症ねっと

認知症の症状

脳の細胞が壊れることによって直接起こる症状が

  • 記憶障害
  • 見当識障害
  • 理解・判断力の低下
  • 実行機能の低下

などの中核症状と呼ばれるもので、周囲で起こっている現実を正しく認識できなくなります。

そこに本人の性格、環境、人間関係などさまざまな要因がからみ合って、

  • うつ状態や妄想のような精神症状
  • 日常生活への適応を困難にする行動上の問題

といった周辺症状と呼ばれることが起こってきます。

認知症の症状

【参考:厚生労働省 認知症を理解する

中核症状

記憶障害

認知症が進行すると大切な情報までもが失われてしまいます。

  • 生活に関わる出来事の記憶
  • 言葉などの意味記憶
  • 動作に関わる手続き記憶

【参考:認知症サポーター養成講座

見当識障害

見当識(けんとうしき)とは、現在の年月や時刻、自分がどこにいるかなど基本的な状況を把握することをいいます。

  1. 時間や季節感の感覚が薄れる
  2. 方向感覚が薄らぎ、目的の場所がわからなくなったり、遠くに歩いて行こうとする
  3. 自分の年齢や人の生死・人との関係に関する記憶がわからなくなる
理解・判断力の障害

認知症になると、ものを考えることにも障害が起こります。具体的な現象では次の変化が起こります。

  • 考えるスピードが遅くなる
  • 二つのことが重なると処理不能
  • 些細なに対応できず、混乱
  • 観念と現実の乖離
実行機能障害

前頭前野の統合機能の障害で計画立案、按配・遂行が困難になります。

  • 家事ができない
  • 独り暮らしが困難
感情表現の変化

認知症による記憶障害や、見当識障害、理解・判断の障害のため、周囲からの刺激や情報に対して正しい解釈ができなくなります。

  • その場の状況が読めない

周辺症状

認知症のため、排泄などの失敗が連続的に続くことによって、

  1. 自信を失う
  2. 全てが面倒になる
  3. 将来の沿いを失ってうつ状態

といった精神状態となり、それが認知症をさらに進行させます。

身体症状

認知症の原因となる病気によって多少の違いはあるものの、さまざまな身体的な症状もでてきます。

血管性認知症の一部では、早い時期から麻痺などの身体症状が合併すること、アルツハイマー型認知症では、進行すると歩行が拙くなり、終末期まで進行すれば寝たきりになってしまう人も少なくありません。

【参考:厚生労働省 認知症を理解する

原因・発症の要因

脳血管性

脳血管性のうち、わが国に最も多いタイプに広範な梗塞・不全軟化があります。

このタイプは、大脳深部の白質線維の連絡機能が断たれることで認知症症状が出現します。

大脳の表面付近の梗塞に起因する例では、梗塞巣の容積が100mLを超えると認知症の発現頻度が増加します。

また海馬、視床、尾状核など重要な脳構造に梗塞を生じると、それが限局性であっても高次脳機能障害をきたすことがあります。

アルツハイマー型

アルツハイマー病の病因は不明です。

しかし、病理学的な特徴とされる老人斑を構成するアミロイドβ(Aβ)にその原因を求める考えが主流になっています。

つまりAβの切り出し、凝集に始まるプロセスに起因して神経原線維変化を生じ、さらに神経細胞死へと至るという考え方です。これをアミロイドカスケード説といいます。

このAβ中心説に対して、神経原線維変化を構成するリン酸化されたタウに注目する立場も有力です。

その他の認知症

レビー小体型認知症と前頭側頭葉変性症については、鍵となる脳内構造物が明らかになりつつあります。

これによって原因解明が期待されています。

なお、スピロヘータ、ウイルス、プリオンなどの感染性因子により、神経細胞が傷害されて起こる認知症があります。

たとえば脳梅毒ともいわれる進行麻痺、エイズ脳症、狂牛病などです。

【参考:厚生労働省 みんなのメンタルヘルス

次回に続きます

今回も長くなってしまいましたので記事を二つに分けさせていただきました。

続きは、記事「認知症の治療法と予防法」をご覧ください。

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。