多くの高齢者を見てきて思う「長生きの秘訣」

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高齢者施設で何年も働いていると、「半身麻痺を持つ方には神経質な方がやたらと多い」など幾つかの共通点が見えてくることがあります。
そして、長生きをしている方にもある共通点があります。

もちろん、長生きをしている方全てにそれが当てはまるというわけではありませんが、「90歳を超えても認知症でない方」の多くは、

  • 女性である
  • 背筋がぴんとしている
  • わりポジティブである

もうひとつには、今もなお家事をしている方が多いといった特徴がみられます。

そして、私の祖母もこの特徴を持ち合わせています。

これは、私の仕事である介護の経験から感じた共通点ですが、他人に介護を頼むということは、その対象は介護が必要な介護サービスを利用している高齢者ということです。

では、介護サービスを利用しない高齢者にとっての「長生きの秘訣」とは何なのでしょうか?

今回の記事では、内閣府より公表されている「平成26年度 高齢者の日常生活に関する意識調査」をもとに長生きの秘訣を探っていきたと思います。

高齢者と活動

長生きの秘訣のひとつに、「良い刺激」が挙げられます。
良い刺激は、何かしらの影響へと繋がり、それが楽しみとなり、不安や悩みの存在を少し遠のかせてくれます。

では、「良い刺激」はどのようにして得ることができるのでしょうか?

高齢者の自主的・社会的活動

やはりいつまでも元気な方というのは、活気に溢れており、その活気は何かしらの活動をするからこそ得られているのではないでしょうか?
活動といっても幾つかあり、ここでは、自主活動・社会活動・グループ活動をひとつにまとめてみました。

自主的活動への参加状況

そもそも、高齢者の中で何かしらの活動に参加している方はどのくらいいるのでしょうか?

この1年間の「自主的に行われている活動への参加経験」を聞いたところ、「ある」50.7%、「ない」42.2% となっていました。

自主的活動への参加状況

【参考:高齢者の日常生活に関する意識調

高齢者のグループ活動への参加状況

自主的なグループ活動への参加状況についてみると、60歳以上の高齢者のうち61.0%が何らかのグループ活動に参加したことがあり、10年前と比べると6.2 ポイント、20年前に比べると 18.7ポイントも増加していることがわかっています。

つまり、60歳以上の6割がグループ活動に参加したことがある、その参加率は年々上昇傾向にあるということです。

グループ活動への参加状況

【参考:平成27年版高齢社会白書

参加したい団体と参加している団体

参加したい団体は「趣味」のサークル・団体、参加している団体は「町内会・自治会」参加したい団体は「趣味のサーク ル・団体」(31.5%)が最も多く、次いで「健康・スポーツのサークル・団体」(29.7%)と なっていました。

一方で、参加している団体をみると、「町内会・自治会」が最も多く、約4人に1人が参加していることもわかっています。

参加したい団体

【参考:平成27年版高齢社会白書

高齢者のグループ活動参加による効果

自主的なグループ活動に参加している高齢者が活動全体を通じて参加してよかったことは、 「新しい友人を得ることができた」が最も多く、次いで「生活に充実感ができた」、「健康や体力に自信がついた」の順となっており、いずれもポジティブな結果となったことがわかります。

高齢者のグループ活動参加による効果

【参考:平成27年版高齢社会白書

自主的活動へ参加していない理由

では、「活動または参加したいものはない」といった方にはどんな理由があるのでしょうか?
その答えは以下のような順となり、「特に理由はない」といった答えの方一割ほどいましたが、その多くに共通しているのは「面倒だから」といったところではないでしょうか?

  1. 健康・体力に自信がないから:44.1%
  2. 人と付き合うのがおっくうだから:25.2%
  3. 家庭の事情(病院、家事、仕事)があるから:24.3%
  4. 同好の友人・仲間がい ないから:15.1%

自主的活動へ参加していない理由

【参考:高齢者の日常生活に関する意識調

高齢者の学習活動

学習もひとつの自主的活動となりますが、ここではあえてわけさせていただきました。

高齢者が行っている生涯学習

高齢者の生涯学習への参加状況についてみると、この1年くらいの間に生涯学習をしたことのある方は、60代以上で5割以上もいるということがわかっています。
また、その内容は、「健康・スポーツ」が 60 代で31.7%、70 歳以上で28.8%と最も多い、生涯学習をしたことがある方は半数以上もいるということがわかっており、元気な高齢者が多いのも納得させられます。

高齢者が行っている学習

【参考:平成27年版高齢社会白書

高齢者が生涯学習を行っていない理由

では、逆に生涯学習を行っていないという高齢者の理由とは何なのでしょうか?

生涯学習を行っていない理由をみると、60代では「仕事が忙しくて時間がない」が最も多く、次いで「きっかけがつかめない」 、70 歳以上では「特に必要がない」が最も多いようです。

生涯学習を行っていない理由

【参考:平成27年版高齢社会白書

まとめ

何かしらの活動をする方は、それに意欲を持ち、集中していることから上手に健康を保てているということが考えられます。
ここからは介護現場の目線ですが、介護の現場で接する高齢者の中には、「活動に無気力」当方が多く存在しています。

やはり、生きがいは大切なものでしょうが、生きがいを作るというのは、そう簡単なことではないようで、人から勧められても無気力な方はやはり無気力です。

ですが、もっと楽な方法で生きがいを作ることもできます。

それが若い世代との交流です。

簡単にいってしまえば、生きがいを自然に感じている若い世代と触れ合い交流をするのが最も早いのです。

若い世代との交流

若い世代との交流の機会の参加意向

高齢者に対し、若い世代との交流の機会への参加意向について聞いたところ、「参加したい」と考える人の割合は平成25年で59.9%となっており、10年前(15 (2003)年)に比べると7.2 ポイント増加していることがわかっています。

若い世代との交流

【参考:平成27年版高齢社会白書

高齢者の世代間交流を促進するために必要なこと

交流といっても、交流するというのは日本人の性格上そう簡単なことではありません。

高齢者が世代間の交流を促進するために必要だと思うことをみると、「交流機会の設定」 が最も多く、次いで「高齢者が参加 しやすくなるための交通機関の整備など」となっていました。

高齢者世代間交流

【参考:平成27年版高齢社会白書

これだけ高齢者が増えれば、それをニーズとして考え、交流の場を提供する方も多く存在していることは確かです。
たとえば、麻雀や歌の会、最近ではカルタや百人一首をするための交流の場も多く設けられています。

また、生きがいという意味では、ポジティブでない要素も時として生きがいになり得ることもあるのではないかと、介護の仕事をしていると時折感じることがあります。
息子を心配する親心や、何かを気にかけるがために集中しているといったことも、ネガティブではありますが、生きがいになることもあるように思えます。

ただ、「何もしたくない」というのは、「今の環境や状況から離れたい」というのと表裏一体です。

何かの楽しみを見つけることはそう簡単ではないかもしれませんが、これだけ便利な時代ですから「探してみる」というのもひとつの選択肢なのではないでしょうか?

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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