モンスターシニア

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厚生労働省による平成23年3月に卒業した新規学卒者の卒業後3年以内の離職状況
についての取りまとめを見ていたのだが、自分なりになんとなく思ことがあったので記事にしてみようかと思う。

「なんとなく」で勝手な考えを述べるのは無責任なことなのかもしれないが、できるなら寛容な気持ちで見ていただきたい。

【産業別大学卒業後3年以内離職率のうち離職率の高い上位5産業】
( )内は前年比増減
宿泊業・飲食サービス業    52.3% (+1.3P)
生活関連サービス業・娯楽業    48.6% (+3.2P)
教育・学習支援業         48.5% (▲0.4P)
小売業            39.4% (+1.7P)
医療・福祉          38.8% (+1.1P)

介護士だけであればともかく、医療・福祉という様々な職種が混在する大きな括りでも5位というのは意外だった。

確かに私を例にしてみると、介護職の離職率は異常なほど高い。

  • 私が最初に働いた特別養護老人ホームでは、私が入社するちょっと前にほぼ全ての職員が辞めるという事態があった。
  • 次に働いた有料老人ホームでは自分が働いていた2年半で、入社して1年以内に辞めた職員の数は計算したところ70%だった。
  • そして、デイサービスでは何回かの異動があったが、どのデイサービスでも共通していたのは1年半以上続けた職員は一人もいなかった。

私は上記の3箇所以外に他の施設でも働いているが、この3箇所の離職率は本当に異常だった。
だが、私が今まで働いてきた福祉施設の介護士以外の職種で一年ももたずに辞めた者はほとんどいなかったので、この結果がとても意外に思えた。

共通点

この厚生労働省による平成23年3月に卒業した新規学卒者の卒業後3年以内の離職状況を見ていると「人を相手にした仕事」というところで共通しているのがわかる。

ここからは本当に自分の勝手な解釈だが、そこには「モンスターペアレント」「モンスターチルドレン」「モンスターペイシェント」などの「モンスター」と言われる人たちが大きく関係しているように思えて仕方がない。
その背景にはスマホやユーチューブなどの手軽なネットワーク通信が大きく関係していると思うが、やはり長い不景気が産み出した産物でもあり、「おもてなし」や「社交辞令」などの日本人特有の良さにつけこんだ日本人特有のものにも思える。

さらには考えを進めていくと、最近ニュースなどで度々目にする「いじめ」問題もそう遠いものではないことに思えてくる。

ネットワーク通信

インターネットが普及したことで誰かが撮った動画が社会問題にまで発展する「壁に耳あり障子に目あり」的なことが異常なほど目につくようになったが、それだけではなくインターネットの通信速度の飛躍的な向上なども大きく影響していると思える。

インターネットの誰でも自由に好きな時に「好きな情報が入る」「好きなことを表現できる」という夢のような環境は、時として自分を満たす手段や自分のストレスを吐き出す手段としても使われようになったが、結果的に「待てない人間」を多く生み出したのではないだろうか?

失われた20年

1990年代のバブル崩壊から今までで日本は大きく様変わりをした。(ここで色々と書きたいこともあったのだが長くなりそうなので省略させていただきます。)

「バブル崩壊」は確か私が中学一年の頃で、その後、大学を出て就職先を探していた頃は「就職難」「リストラ」「フリーター」「ニート」や「引きこもり」、私の親は「年功序列」や「終身雇用」「団塊の世代」、そして今の私の職場にいる20代の子は「ゆとり」とそれぞれの世代にそれぞれの言葉がついて回っている。

そこで思うのは、その世代特有のストレス、世代と世代の相性というのも「モンスター」を生み出すきっかけになっているのではないだろうか、ということ。
近い世代では理解をし合うことはさほど難しくはないが、世代が離れていると寛容な気持ちがなければ衝突になることはしばしあるだろう。

そして長い不景気の末の格差社会も原因の一つに考えられる。

日本人特有

つい先日、コンビニエンスストアの店員が客に土下座させられている映像を目にしたが、「これはさすがにやりすぎでしょ」と思うのは日本人くらいなのではないだろうか?

日本では相手を思う気持ちや気遣いが良き文化として根ずいているが、見方を変えると変な常識にも思える。

例えば、挨拶を重んじる人の多くは挨拶をしない人間をやたらと気にする傾向にあるように思える。
これは自分がそうだからなのだが、せめて「おはようございます」でも「すいません」でも一言言っておけば丸く何事もなくおさまるのに、挨拶をしないがためにちょっと鼻に付くといったことになってしまう。
考えてみると、自分の偏見的な常識を人に押し付けているだけのことでとてもくだらないことだが、やはり日本人であれば挨拶は「気に触るか」「気持ちがいいか」のどちらかになるのではないだろうか?

挨拶を求めていること自体が本来の「挨拶」から離れていってしまっているようで残念にも思える。

介護の世界では?

介護の世界にも当然のように「モンスター」は多く存在している。

一つには自己中心的な利用者(高齢者)の「モンスターシニア」、そしてそれ以上に大変な存在にもなりうる利用者の家族の「モンスターチルドレン」。

「モンスターシニア」

「モンスターシニア」でいえば、暴力を振るってくる方、「痛〜い」などとすぐに大声を張り上げる方、とにかく体重が重い方、唾を吐きまくるような方などのハード的な方もいれば、何かと家族や施設の上の者に告げ口をする方、とにかくわがままな方、感染症のある方などソフト的な方も多くいる。

中でも多いのはやはり認知症の方で、とにかく職員を捕まえては同じ話を何度も何度もしてくる方もいれば、やっと座ってくれてもすぐに立ち上がる事故リスクの高い方など様々な症状の方がいる。

「モンスターチルドレン」

「お金を払っているのだから、うちの家族にはそれ相応のことをしてほしい」というのは、割と多くの家族が思うことだろう。
これは自分の家族を施設に預けることになれば、「今までの思い」や「施設に預けてしまうことへの罪のような意識」などからそう思う方も少なくはないように思える。

だが、家族への愛情はあればあるほど歪んでいってしまうもので、まるで「うちの母親を優先にしてください」という要望が見え隠れしている家族も少なくはない。
その中でも、ちょっとしたことで何かとクレームをつけきたり無理難題を無理やり押し付けてくる「モンスターチルドレン」には本当に手を焼かされ、酷い時には施設全体としての問題にまで発展させられたり、特定の介護士の退職を要求してくることもある。

逆にお金がある家は全く違うのだが、これはこれでちょっと長くなってしまうので機会があったら介ゴ士目線を読んでいただきたい。

今後の介護

私が20代の頃は親と意見が合わず幾度となく口論を繰り返していたが、最近では「ゆとり」VS「団塊」の世代間戦争というのもあるようで、団塊の世代が要介護の中心になる未来を考えると心配になってしまう。

介護士目線の介護保険になることまではもちろん望まないが、高齢者目線の介護保険からお互いがいい関係を築けるような介護保険になってほしい。

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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