究極の老後を過ごす、ごく一部の方々

シェアする

億万長者

究極の老後って一体どんなものなのでしょうか?

究極といっても、「何を基準に究極なのか」というのにもよりますよね。

病気もなく安定的な生活を続けられるのが究極なのか、それともいつまでも自分の満足を追求できるのが究極なのか?

今回の記事では、その後者である「いつまでも自分の満足を追求できる」という究極の老後について説明していきます。

となると、出てくるのは有料老人ホームの一択になるのですが、そもそも有料老人ホームってどんなところだかご存じですか?

有料老人ホームについて

全ての介護サービスの中でも、異色であり、介護の本質的な部分が色濃く出ているのが、有料老人ホームではないでしょうか?

介護保険を学ぶ上で、避けては通れないのが「利用者本位」という介護保険の一つの柱ですが、リハビリ系以外の介護サービスを行う事業所の多くは、なんだかんだで「職員本位」なのではないでしょうか?

利用者が「〇〇がしたい」と言ったとしても、実際のところ、まともに全ての意向に従っていたら、「全ての利用者に行う日常的な介護業務」に大きな影響を及ぼしてしまいます。

利用者本位

例えば、向井さんという90歳の車椅子を利用されている男性利用者がいたとします。

向井さんが、食後の口腔ケアを終え、「もう部屋で寝たいので、寝かせてくれないか?」と言うのであれば、「全ての利用者に行う日常的な介護業務」に沿っているので、向井さんを部屋のベッドに寝かせるでしょう。

ですが、向井さんから、5分もしないうちに「悪いけど、見たいテレビがあったから、ちょっと起こして食堂のテレビまで連れてってくれないか?」と言われば、起こすにしても、やはりその重複分は「全ての利用者に行う日常的な介護業務」に影響が出てきます。

では、起きた向井さんから「起きたら起きたで、腰が痛いんだけど、やっぱり横にさせてくれないか?」と言われたらどうですか?

有料老人ホームでは、利用者の言うことは絶対的なものがあります。

つまり、「全ての利用者に行う日常的な介護業務」の「全て」というのが、ほぼ認知症の方に限定されており、自立の方に対しては、徹底的なほど「利用者本位」の介護業務なのです。

食事の時間になっても、「眠いから」という理由で寝続ける方もいれば、用意された食事を食べずに自らで用意したお寿司などを召し上がる方、夜中になると外出をされる方、夜に利用者同士で毎日のようにお酒を飲む方など、本当に様々です。

ナースコール

有料老人ホーム以外の施設のナースコールは、その大半が排泄関係と、分かりやすいほどの偏りがありますが、有料老人ホームでは、そのナースコールの種類も様々です。

「LEDを買ってきたんだけど、取り付けてくれない?」「プリンターの接続の仕方がいまいちわからないんだ」「新しい絵を買ったから、そこの壁に掛けて欲しいんだけど」「冷蔵庫からビールをとってくれ」など、より生活感のある要求が多く、逆に排泄関係というのは、少ないかもしれないほどです。

呼び方

有料老人ホーム以外の施設では、利用者のことを〇〇さんと呼ぶことが一般的です。

ですが、ご存知の通り、有料老人ホームでは〇〇様と呼ばなければなりません。

そして、利用者ではなく「お客様」なのです。

お金と尊厳

有料老人ホームで働いて思うことは、やはりお金と尊厳は大きな結びつきがあるということです。

それもそのはずで、有料老人ホームの入居金+毎月の支払いは、特別養護老人ホームとは比べ物にならないほど高く、利用されている方ももともと〇〇省、社長、医者だった方などそうそうたる面子で、本当のお金持ちばかりなのです。

ですので、有料老人ホームは、特別養護老人ホームなどの「介護士と利用者」という関係ではなく、「スタッフとお客様」となっています。

有料老人ホームの特徴が表れていたのが、私が有料老人ホームで働いていた時の最初の研修で、日本にある有名な旅館の接客の映像が流れていたことです。

また、有料老人ホームの多くは「介護付き」と書いてあるように、介護はあくまでオプション的なもので、介護施設というよりもホテルに近いと言えます。

で、何が究極なのか?

何が究極なのかというと、やはりお金と自由があるというところです。

そして、そういった方のための有料老人ホームなので、食事も美味しければ、お風呂もゆっくりと浸かれます。

有料老人ホームは、ほぼ全てが個室なのですが、その個室は「利用者の居室」ではなく、「お客様の家」になっています。

内側から鍵をかけることもできれば、部屋のどこに何を置くかといった内装も全てがお客様の自由です。

部屋でパソコンやタブレットを見ている方もいれば、クラシックを大音量で聞かれる方、仲良しの他のお客様と談笑をされる方、お酒を飲まれる方、その過ごし方も本当に様々です。

ですので、特別養護老人ホームなどの個室と比べ、有料老人ホームでは、お客様の部屋に入る時にはちょっとした心構えすら必要になります。

私が最も驚かされたこと

私が最も驚かされたことは、月に一回程度、キャバクラのようなことをしていることです。

これは、女性職員がいつもよりも煌びやかな格好をして、男性のお客様をもてなすといったもので、その日に合わせて厨房からおつまみが出されたり、お酒やカラオケセットが用意されたりと、その日の夜だけは全てが無礼講のキャバクラ状態なのです。

人によっては、そういったことをするのは良くないと思うかもしれませんし、私も以前はそう思っていましたが、その夜の宴を楽しみに「あと18日」とリハビリなどを頑張るお客様を姿を見ていると、これはこれで良いのではないかと思うようにもなりました。

そして、もう一つ

自由があるというのは、やはり理想的なことですが、有料老人ホームの良いところの一つに、「究極の方同士の会話」が挙げられると思います。

やはり、多くの部下を抱える上に立つ方には、その方にしかわからない苦しみや悲しみがあると思います。

そして、それに対しての考えというのも生きていくにつれて育っていくのではないでしょうか?

そういったことを話せる場としての有料老人ホームは、とても価値のあるものではないのでしょうか?

そして、それこそが本当の究極の老後なのではないかと思います。

ちなみに、有料老人ホームに関しては、介ゴ士目線でもっと詳しく書いていますので、機会があればご覧になってみてください。

介ゴ士目線
(介ゴ士目線 本文より抜粋) 「もうしつこい!少しの間だけでも静かにして!」 それは福祉施設、とくに介護認知...
The following two tabs change content below.

kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
スポンサーリンク

シェアする

フォローする