使わなきゃ損!「介護休業・休暇」の簡単な説明とポイント

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平成29年1月1日より、育児・介護休業法が改正されます。
改正の目的は、

  1. 労働者が退職せずに済むようにするため
  2. 雇用の継続を図る
  3. 育児又は家族の介護のために退職した労働者の再就職の促進を図る

と3つがあげられていますが、やはり社会的な背景としては最近良く聞かれるようになった「介護離職」が最も大きなところではないでしょうか?

NHK クローズアップ現代の「どうする介護離職 ~職場を襲う“大介護時代”~」では、

  • 社員4000人の大手総合商社の2013年の調査では、すでに介護をしている社員が11%
  • 2016年の時点になると、8割以上が介護に直面する可能性がある
  • 40~50代の幹部社員が介護で退職したりすれば、国内外で重要なポストに穴が開く

といった記事が話題を呼びました。

また、介護離職者は介護が中心になるがゆえに年収が激減する事態も懸念され、将来的には社会保障費を含む財政にも大きな影響を与えるのではないかと言われています。

つまり、介護離職を防ぎ、仕事と介護を両立するための改正なのです。

今回の記事では、介護休業だけでなく、介護をする労働者にとってメリットとなる他の制度も含めて説明させていただきます

そもそも介護休業ってなに?

介護休業は、労働者が要介護状態にある対象家族を介護するためにする休業です。

要介護状態って?

要介護状態は、介護が必要であると認められなければならず、認められるためには、以下の①と②のいずれかに該当していなければなりません。

次のいずれかに該当するもの ①

下の図の事項欄(イ〜ホ)までの5項目のうち、全部介助が1項目以上及び一部介助が2項目以上あり、かつ、その状態が2週間以上続継続すると認められること

表1

【参考:厚生労働省 介護休業制度ガイドブック

次のいずれかに該当するもの ②

下の図の行動欄の(イ〜ト)の7項目のうちいずれか1項目以上が重度又は中度に該当し、かつ、その状態が2週間以上続継続すると認められること

表2

【参考:厚生労働省 介護休業制度ガイドブック

介護休業って誰が使えるの?

介護休業は、労働者家族のために使うためのものです。

対象となる労働者 ①

労働者(日々雇用を除く)

対象となる労働者 ②

労使協定により対象外にできる労働者

  • 雇用期間が1年未満の労働者
  • 93日以内に雇用期間が終了する労働者
  • 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

対象となる労働者 ③

次の要件を満たした有期契約労働者

  1. 雇用期間が1年以上
  2. 介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日(93日経過日)を超えて引き続き雇用されることが見込まれること

介護休業の対象となる家族って?

  • 父母
  • 兄弟姉妹及び孫
  • 配偶者(事実婚を含む)
  • 配偶者の父母
  • 同居し扶養している祖父母

労働者の介護に関わる5つの制度

ここまでは、介護休業の対象と条件などについてを説明させていただきましたが、

  1. 介護休業
  2. 介護休暇
  3. 勤務時間の短縮等の措置
  4. 所定外労働の制限
  5. 深夜業の制限

と、労働者の介護に関わる制度は5つもあるのです。
そして、この5つは「上記で説明した介護休業の対象と条件」を満たしていれば基本的には使えます。

この5つのうち「深夜業の制限」以外は、今回の改正で大きく変更され、特筆すべきポイントとなっています。

改正のポイント① 介護休業の分割取得

介護休業は、対象家族1人につき、通算93日までとされており、そこは改正前後で変更されてはいません。
ですが、改正前は、介護が必要になった時に集中して介護をするのが介護休業の在り方でしたが、改正後は、分割して介護ができるといった柔軟なかたちになりました。

93日

【参考:厚生労働省 改正のポイント

改正のポイント② 介護休暇の取得単位の柔軟化

介護休暇に関しては、1年に5日までとされており、改正前後でその日数は変更されていませんが、改正前は1日単位だったものが、改正後は半日単位での取得が可能となりました。

一日単位

【参考:厚生労働省 改正のポイント

改正のポイント③ 介護のための所定労働時間の短縮措置等

短縮措置とは、事業主が家族の介護をしている労働者に対し、「しなければならない措置」であり、その措置は以下の4つのうちのいずれかとされています。

  1. 所定労働時間の短縮措置
  2. フレックスタイム措置
  3. 始業・終業時間の繰り上げ・繰り下げ
  4. 労働者が利用する介護サービス費用の助成その他これに準じる措置

所定労働時間

【参考:厚生労働省 改正のポイント

改正のポイント④ 介護のための所定外労働の制限

これは、家族の介護をしている労働者に対して、残業をさせてはダメだよという「残業の免除が受けられる制度」であり、今回の改正で新設されたものです。

なし

【参考:厚生労働省 改正のポイント

改正のポイント⑤ 介護給付金の引き上げ

改正前、介護休業中は休業開始前の賃金の40%までしか支給されませんでしたが、改正により、休業開始前の賃金の67%を支給されることとなりました。

介護給付金

【参考:厚生労働省 改正のポイント

まとめ

改正されたことにより、より使いやすくなったことは間違いありませんが、介護の現場のことを考えるとなかなか申請まではいけないというのが実際のところなのではないでしょうか?
国の後押しで申請がしやすくなったとはいえ、まだまだ受け入れられない事業所も多く存在していると思われます。

たとえば、家族の介護をする労働者に対して、事業主が講じる以下の4つの措置については、私は初めて知りましたし、知らない方のほうが多いとも思います。

  • 所定労働時間の短縮措置
  • フレックスタイム措置
  • 始業・終業時間の繰り上げ・繰り下げ
  • 労働者が利用する介護サービス費用の助成その他これに準じる措置

やはり、大手の会社などであれば、率先して取り組んでいるのかもしれませんが、現実的には、その会社の経営力に依存しているのではないでしょうか?

そういったこともあり、今回の改正では「介護休業等を理由とする上司・同僚からのパワハラを防止する措置を講じることを事業主に新たに義務付け」というのがひとつのポイントとされていますが、それがどこまで効果が有るのかはやはり未知数でもあります。

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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