これからの介護に必要なこと 前編

シェアする

7d4f996bb02fa4ad8304345836441dfe_s

これからの介護に必要なことはいくつもありますが、その中で最も大切な4つを自分なりに考えてみました。

  1. 現場で働く介護職への理解
  2. 介護職員の確保
  3. 準市場への理解
  4. 「理想的な介護」の更新

以上の4つを説明する前に、先に介護の4つのタイプについて説明していきます。

介護の4つのタイプ

介護は以下のように、大きく4つに分けられます。

  • 現場サイド
  • 経営サイド
  • 家族サイド
  • メディアサイド

現場サイド

これはそのままで、介護の現場で働く介護士です。

経営サイド

経営サイドとは、経営者・施設長・管理者・支配人・事務はもちろんのこと、副施設長や副支配人といった役職に副のつく方、役職のわりにはほとんど現場に出ない方も経営サイドになります。

つまり、現場で直接的な介護をしていない方です。

家族サイド

家族サイドとは、家族介護をされている方、介護サービスを利用している家族がいる方などです。

メディアサイド

メディアサイドとは、現場サイド・経営サイド・家族サイドのどれにも当てはまらない方です。

現場で働く介護職への理解

これからの介護には、現場で働く介護職への理解が今以上に必要になってきます。

それは、今後も増加していく高齢者と、それを支える現役世代(15~64 歳)の比率を考えると、一人の介護士の存在が今以上に大切になってくるからです。(平成26年は、高齢者 1 人に対して現役世代(15~64 歳)2.4 人

そこに、介護職員の離職率を加えると、「介護士の人材不足」となるのですが、一方で、介護士は引く手数多になり、今以上に選択の幅が広がります。(平成27年2月の民間企業の男女平均の離職率 20.1%

つまり、

  • 給料などの条件が良い
  • 経営母体が大きい
  • 事業所の形態・勤務時間などが自分に合っている
  • 建物の見た目・ホームページなどの印象などが良い
  • 職員の雰囲気が良さそう

などの、より魅力がある施設に介護士が集中するといった状況にもなり得るのです。

介護の仕事を考える

現場は見てるのと、やっているのでは大きく違います。

現場の介護士でも、一週間休むだけで、その情報量とその変化についていけない時があります。

それは、施設にいる利用者全員が「生活をしている」からです。

介護は、転倒・転落などの事故、緊急搬送などの事態につながらないように日々心掛けることが大前提の仕事です。

昨日、元気だった利用者も今日はどうかわかりません。

転倒をし、骨折をしてしまえば、その状況は大きく変わります。

介護士は、常にそういった変化を共有し、起こり得る事態を未然に防ぐことが大切ですが、他の利用者の要望などによっては、大切な業務にまで影響するほど乱されてしまうことがあります。

そういった利用者に、介護士の業務というのは理解されず、酷い時には「介護士のくせに」「お前たちは本当のバカ」などと罵られることもあります。

さらには、経営サイドから「なぜもっとうまくできないのか?」「なぜそんな簡単なこともできないのか?」と高いところから叱りつけられるようなこともあります。

厚生労働省が平成27年2月に発表した介護人材の確保についてに、過去働いていた職場を辞めた理由の25%が「法人、事業所の理念や運営のあり方に不満があった」というデータ結果があります。

つまり、介護はやってみなければ理解できない仕事なのです。

それは、介護だけでなく、看護など、どの仕事にも言えることですが、介護の世間的なイメージ・給料・仕事内容、それと介護の敷居の低さを考えると、介護は理解することがなかなか難しい仕事だと言えます。

介護職員の確保

これは言うまでもないことですが、介護職員の確保は最も大切です。

介護士の人材確保を考えるということは、経営サイドにとっては人員基準に悩まされなくて済むということだけではなく、平均的な介護の質を安定させ、結果的に施設に対しての信頼も安定的にさせるということなのです。

ですが、その確保が一時的なものであったり、半ば強制的なものであってはいけません。

「変わりはいくらでもいるから」と介護職員を冷たくあしらうような管理をしていては、引く手数多の介護職員の離職を促し、どんどんと手がつけられない状況になってきます。

今では、インターネットで介護施設の職員の口コミが誰でも簡単に見ることができます。

私も以前にそういった口コミサイト見たことはありますが、「感情と勢いとストレスの掲示板」という印象で、見ていて気持ちの良いものではありませんでした。

ですが、世間一般では、良い情報よりも悪いの情報の方が印象に残りやすいというのは明らかなことであり、介護のイメージを考えると尚更でもあります。

今後、平均的な介護の質の安定を求めるのか、売り上げを第一に考えるのかが大きな分かれ道になってきます。

平均的な介護の質を安定させる上で大切になるのが、新しい職員を受け入れる体制・継続しやすい環境作りです。

新しい職員を受け入れる体制・継続しやすい環境作り

新しい職員を受け入れる体制とは、経営サイドにとっては福利厚生や給料といったところが具体的なところで、核となるのはやはり、現場で働く介護職への理解です。

継続しやすい環境作りは、現場サイドの包括的な協力が必要不可欠となります。

  • OJTなどの研修制度
  • 全ての職員で新入社員を受け入れる姿勢
  • 肩の荷を降ろしてあげるコミニュケーションの配慮

これは新入社員に対し、すぐに辞めてしまわないようにという伏線であり、チームで働く上での大切なことでもあります。

逆に、入社したばかりなのにすぐに辞めてしまう理由には、

  • 想像していたのと全然違った
  • 契約時に約束した内容と違っていた
  • 職員に受け入れる姿勢が感じられない
  • 介護職員の介護の質にばらつきがある
  • 平均的な介護の質が低い
  • 会社が狂ってる

以上のようなことが考えられます。

これから先ずっと、介護職員の引く手数多の状況は変わりませんので、「この職場で働き続けたい」と思う介護職員を確保することは、なかなか難しいことかと思われますが、「辞めるのが面倒臭い」「今はやめる必要がない」と思わせることができているのであれば、すでに及第点なのではないでしょうか?

つまり、継続しやすい環境作りとは、本人の意思で継続することを選択させる体制作りなのです。

退職を抑えるポイント

これは、退職を希望している介護職員を「辞めないように押さえつける」というのとは全く違います。

あくまで、本人の意思で継続することを選択させる体制作りなのです。

退職を抑えるポイントとしては、非常勤職員を大切にすることです。

常勤職員を大切にするのはもちろんですが、常勤職員に比べ、「退職」が近い非常勤職員を大切にすることで、人材の確保がより安定的になってきます。

ここでの非常勤職員とは、主にパート職員と派遣職員になります。

介護事業における非常勤職員の割合を見てみれば一目瞭然ですが、施設によっては半分の職員を非常勤職員で補っています。

後編

「これからの介護に必要なこと」の後編はこちらからどうぞ

これからの介護に必要なこと 後編
前回の記事「これからの介護に必要なこと 前編」では、これからの介護に大切な4つ 現場で働く介護職への理...
The following two tabs change content below.

kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
スポンサーリンク

シェアする

フォローする