高齢者向けビジネスを考えるなら知っておきたい「高齢者の困りごと」後編

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前回の記事「高齢者ビジネスを考えるなら知っておきたい「高齢者の困りごと」前編」では、高齢者の困りごとの日常生活の活動と意識についてを具体的に説明させていただきました。

後編となる今回の記事も、前回前々回の記事に引き続き「高齢者ビジネスを考えるなら知っておきたいこと」についてを説明させていただきますが、後編ではより具体的な高齢者の「衣食住」についてを説明させていただきます。

私はこういった考えは好きではありませんが、やはり「困っているところにニーズはある」と考えるのがビジネスの基本であり、高齢者を対象としたビジネスを考えているのなら、高齢者の「困りごと」を具体的に知ることが効果・効率で優先的なことだと言えるでしょう。

高齢者のニーズを正しく知らないが故に、高齢者特有の「堅実さ」をうまくクリアすることができず、思っていたよりもうまくいかないといった状況になる前に、高齢者ビジネスを考える上で知っておきたい高齢者の「困りごと」を内閣府より公表された3つのデータををもとに説明させていただきます。

高齢者の衣・食・住

高齢者の衣食住については考えたことはありますか?

高齢者の衣食住、その全てに言えることは「私達のイメージする昔ながらの高齢者」の時代とは違うということです。

「衣」について

最近では、高齢者の介護シューズも自分たちでデザインができたりと、介護グッズも大きく様変わりしてきています。

おしゃれへの関心度

おしゃれについてどの程度関心があるか聞いたところ、

  1. おしゃれをしたい(計):69.0%
  2. 関心はない(計):27.8%

とおしゃれをしたいと思う高齢者が圧倒的に多い結果となりました。
ここで興味深いのが、前回調査との比較で、「おしゃれをしたい(計)」は8.8 ポイント上昇しているということです。おしゃれへの関心度

【参考:高齢者の日常生活に関する意識調査結果

市販衣類に関する意見

市販の衣類について、どのような意見を持っているか聞いたところ、

  1. 体型に合うものが少ない:17.5%
  2. 好みの衣料品が近くの店では買えない:15.1%
  3. 値段が高い:13.8%
  4. 衣料品を売る店が近くにない:10.7%
  5. 色、柄、デザインが気に入らない:10.0%

といった順となりました。

ここでも前回調査と比較すると、「体型に合うものが少ない」は7.7ポイント、「好みの衣料品が近くの店では買えない」は8.3ポイント、「値段が高い」は8.2 ポイント、「衣料品を売る店が近くにない」は5.3ポ イント、「色、柄、デザインが気に入らない」は5.5ポイント上昇しているなど、おしゃれに対しての意識の高さが伺えます。

衣服衣類に関する意見

【参考:高齢者の日常生活に関する意識調査結果

「食」について

高齢者の「食」は、薄口で健康志向といったイメージがありますが、実際のところはどうなのでしょうか?

食生活全般に関する満足度

食生活全般に関して満足しているか聞いたところ、

  1. 満足(計):87.7%
  2. 不満(計):8.9%

となっており、前回調査との比較では、「満足(計)」は7.8ポイント低下していることがわかります。食生活全般に関する満足度

【参考:高齢者の日常生活に関する意識調査結果

食生活について気になる点

食生活について日頃どのようなことが気になっているか聞いたところ、

  1. 栄養のバランスがとれていない:19.7%
  2. パック食品、缶、ビンなどが開けにくい:10.9%
  3. 病気のため食事制限がある:8.6%
  4. 柔らかいもの以外食べられない:8.3%
  5. 家族との食事の時間が合わない:7.3%
  6. 近くに食料品を売る店がない:7.2%
  7. 調理が十分にできない:6.7%
  8. 体が衰えて買い物に行きづらい:6.6%

などの順となっており、前回調査との比較では、「パック食品、缶、ビンなどが開けにくい」が8.0ポイント上昇していることがわかります。

食事の際に不便なこと

【参考:高齢者の日常生活に関する意識調査結果

食事の用意が出来なくなった場合にどうするか

自分(たち夫婦)で食事の用意ができなくなった場合、主にどのようにしたいか聞いたところ、以下の様な結果となりました。

  1. 配食 サービスを利用する:56.2%
  2. 誰か(家族、ホームヘルパー等)に作ってもらう:34.9%
  3. 既製品を買う、または出前をとる:27.6%
  4. どこかに食べに行く:18.3%
  5. 食事付きの施設・ 住宅を利用する:17.3%

食事の意欲がなくなった場合どうするか

【参考:高齢者の日常生活に関する意識調査結果

「住」について

高齢者の「住」については、「高齢者=ものを大切にする」といったイメージから、そこまで変化を求めていないように思えますが、やはりそこにも高齢者の「住みやすさ」が現れていました。

住まいに対する満足度

住宅について、満足しているか聞いたところ、

  1. 満足(計):76.3%
  2. 不満(計):19.8%

となっており、前回調査との比較では、「満足(計)」が 13.0ポイント低下していることがわかっています。住まいに対する満足度

【参考:高齢者の日常生活に関する意識調査結果

住宅について不満な点

上記の「住まいに対する満足度」という質問に対し、「やや不満である」「不満である」と答えた方に、不満な点を聞いたところ、以下のような結果となりました。

  1. 住宅が古くなったりいたんだりしている:63.8%
  2. 住宅の構造や設備が使いにくい:32.2%
  3. 家賃、税金、住宅維持費等の経済的負担が重い:24.8%
  4. 庭の手入れが大変:23.1%
  5. 住宅の環境が良くない(日照、騒音等):21.1%
  6. 住宅が狭い:18.5%
  7. 住宅が広すぎて管理が大変:11.4%

住宅について不満な点

【参考:高齢者の日常生活に関する意識調査結果

日常生活情報

では、私たちにとってのインターネットのような「情報源」となるものは、高齢者にとっては何にあたるのでしょうか?
また、その情報源でどんな情報を得たいと考えているのでしょうか?

日常生活情報の情報源

日常生活に関する情報をどこから得ているか聞いたところ、

  1. テレビ:79.0%
  2. 新聞(タウン誌を含む):63.8%
  3. 家族:38.2%
  4. 友人、近所の人:28.9%
  5. チラシ、折り込み、ダイレクトメールなど:19.1%
  6. インターネット、携帯電話:15.8%

となっており、前回調査との比較では、「家族」は5.5ポイント、「チラシ、折り込み、ダイレクトメールなど」は8.4ポイント、「インターネット、携帯電話」は6.9ポイント上昇、「友人、近所の人」 は7.7ポイント低下しているということがわかります。

日常生活情報の情報源

【参考:高齢者の日常生活に関する意識調査結果

欲しい日常生活情報

日常生活に関する情報で、もっと欲しい内容があるか聞いたところ、

  1. 健康づくり:41.1
  2. 年金:30.3%
  3. 医療:26.0%
  4. 趣味、スポーツ活動、旅行、レジャー:22.6%

と、やはり高齢者ならではの情報が上位を占め、前回調査との比較では、「健康づくり」は 24.1ポイント、「年金」は13.4ポイント、「医療」は8.4ポイント、「趣味、スポーツ活動、旅行、レジャー」は 11.9 ポイント上昇していることがわかります。

ほしい日常生活情報

【参考:高齢者の日常生活に関する意識調査結果

日常生活情報の満足度

日常生活に関する情報に満足しているか聞いたところ、

  1. 満足(計):73.0%
  2. 不満(計):13.4%

となっていおり、前回調査との比較では、「満足(計)」が18.8ポイント低下していることがわかっています。

日常生活情報の満足度

【参考:高齢者の日常生活に関する意識調査結果

日常生活情報について不満な点

上記の「日常生活情報の満足度」という質問で、「やや不満である」「不満である」と答えた方に、どのような点に不満があるのかを聞いたところ、以下のような結果となりました。

  1. どの情報が信頼できるかわからない:50.5%
  2. 必要な情報が乏しい:40.5%
  3. 情報の内容がわかりにくい:38.8%
  4. どこから情報を得たらよいかわからな い:33.8%
  5. 字が小さくて読めない:32.1%

日常生活情報の不満点

【参考:高齢者の日常生活に関する意識調査結果

高齢者とインターネット

つい何年か前に、高齢者向けの携帯電話が爆発的なヒットとなりましたが、スマートフォンやタブレットといった情報端末が主流になるなか、最近の高齢者のICT事情とはどのようになっているのでしょうか?

ICT:情報・通信に関する技術の総称。従来から使われてい「IT(Information Technology)」に代わる言葉として使われている。【参考:コトバンク

ICTの活用の意向

インターネットやスマートフォンなどの情報端末を、普段の生活で利用したいかを聞いたところ、

  1. 利用したい(計):36.3%
  2. 利用したくない(計):46.8%

となっていました。ICT活用の意向

【参考:高齢者の日常生活に関する意識調査結果

ICTの利用状況

インターネットやスマートフォンなどの情報端末を、普段の生活で利用しているかを聞いたところ、以下のような結果となりました。

  1. 利用している(計):26.0%
  2. 利用していない(計):67.2%

ICT活用の利用状況

【参考:高齢者の日常生活に関する意識調査結果

まとめ

高齢者の衣食住、ICTの利用状況などを見ていくと、やはり昔ながらの高齢者もいれば、時代流れに順応している高齢者も多くいるということがわかります。
また、前回の記事からもわかるように、高齢者は高齢者として生きやすい環境を望むことから、今後は今以上にICTが高齢者向けになっていき、高齢者もまたICT向きになっていくと思われます。

高齢者の中で、「頼れる人がいない」 と考える方の割合は、全体では2.4%となっていますが、一人暮らしの男性では20.0%にのぼることがわかっおり、ICTは活用次第で、高齢者が望む「交流」も自宅にいながらできるようになるだけでなく、「相談」や「安否の確認」といった利用方法も期待されています。

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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