消費税と「地域医療介護総合確保基金」の深い関係

シェアする

dc7232742b5e51124dd7d3a1823b22f3_s

2017年の4月から予定されていた消費税の税率10%への引き上げが先送りされることになったことはもうご存知のことと思いますが、先送りになったことで介護業界にはどのような影響があるのでしょうか?

全く関係のないように思える「消費税」と「介護」の2つですが、実は大きな関係があるどころか、今後の介護に大きな影響を与えるものなのです。

今回の記事では、消費税と「地域医療介護総合確保基金」の深い関係についてを説明させていただきます。

「地域医療介護総合確保基金」って?

地域医療介護総合確保基金の説明をするには、「医療介護総合確保推進法」を簡単にでも知ることが大切になりますので、ここでは少しだけ「医療介護総合確保推進法」についてを説明させていただきます。

「医療介護総合確保推進法」って?

「医療介護総合確保推進法」は簡単に説明すると、医療・介護に関わる19の法律を、ひとつの法律の方針に従って変えていくというもので、そのひとつの法律が「医療介護総合確保推進法」なのです。

医療と介護をつなぐ「医療介護総合確保推進法」の簡単な説明
2015年4月より順次施行されている新たな介護保険制度ですが、その介護保険法は2014年に制定された「医療介護総...

この「医療介護総合確保推進法」が2014年に制定されたことにより、2025年をピークとする高齢化の医療・介護ニーズに備え、

  1. 高度急性期から在宅医療まで、患者の状態に応じた適切な医療を、地域において効果的かつ効率的に提供する体制を整備し、
  2. 患者ができるだけ早く社会に復帰し、地域で継続して生活を送れるようにする

といった大きな目的に向かって進めていくということなのです。

そして、その「医療介護総合確保推進法」は、概要として大きく4つをポイントを上げているのですが、そのうちのひとつに含まれているのが、「地域医療介護総合確保基金」なのです。

新たな基金の創設と医療・介護の連携強化

「医療介護総合確保推進法」の4つのポイントのうちのひとつは「新たな基金の創設と医療・介護の連携強化」です。

これは以下の2つを指しており、

  1. 消費税増収分を活用した新たな基金を都道府県に設置
  2. 医療と介護の連携を強化

「1. 消費税増収分を活用した新たな基金を都道府県に設置」が、「地域医療介護総合確保基金」であり、

消費税増収分を活用した新たな財政支援制度(地域医療介護総合確保基金) を創設し、各都道府県に設置。 各都道府県は、都道府県計画を作成し、当該計画に基づき事業を実施する。【参考:地域医療介護総合確保基金

とされています。

「地域医療介護総合確保基金」の目的って?

少子高齢化がすすみ、働き手も少なくなっていく中で、一刻も早い対応が望まれているのが、

  • 病床の機能分化・連携
  • 在宅医療・介護の推進
  • 医療・介護従事者の確保・勤務環境の改善 等

であり、その対策として、

  • 効率的かつ質の高い医療提供体制の構築
  • 地域包括ケアシステムの構築

といったことがあげられています。

つまり、その費用を賄う目的で作られたのが「地域医療介護総合確保基金」なのです。

ここで大きな問題が。。

もうおわかりかと思いますが、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するため、消費税増収分を活用した新たな財政支援制度が「地域医療介護総合確保基金」なのですが、消費税増税が先送りになってしまったのです。

以下の図からもわかるように、前年と比べ平成27年度は+724億円が見込まれており、それを介護分として活用する予定でした。

予算

【参考:地域医療介護総合確保基金

増税されていた場合の計画

計画

増税されていた場合の対象事業

対象2

まとめ

結果から申し上げますと、消費税増税が先送りになってからの「地域医療介護総合確保基金 」に関しての資料はまだ公表されていません。

では、具体的にどのようなところで影響がでるのでしょうか?

ここでは、「平成26年度 地域医療介護総合確保法に基づく東京都計画」を参考に東京を例に介護に関わることだけを説明させていただくと、

  • 介護従事者・医療従事者の育成・確保
  • ICTネットワークの活用
  • 体制を強化するための加算

に大きく影響がでることが予想されます。

特に、地域包括ケアシステムの基盤として期待されるICT(インターネットなどの情報通信)活用をバックアップできないとなると、やはりその計画も先送り状態となってしまうのではないでしょうか?

ICTを活用し、異なる医療機能や役割を持つ医療機関同士が効果的・効率的に連携することは、地域包括ケアシステムだけでなく、少子高齢化の社会全体にとっても望まれていることです。

ですが、介護は常にお金に困っており、安定的な運営もままならない事業所も多く、「地域医療介護総合確保基金 」のようなバックアップがなければ、そう簡単には導入もできません。

つまり、地域包括ケアシステム化が先走ってしまっている今の介護で必要なのは、プラスαの労力ということになるのではないでしょうか?

The following two tabs change content below.

kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。