高齢者に多い感染症の簡単な説明

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糞便・嘔吐物・共同生活・調理、これらはノロウイルスの主要な感染経路です。
そして同時に高齢者施設とは切っても切り離せない関係でもあります。

今回の記事では、高齢者に多い感染症を厚生労働省の資料をもとにいくつか取り上げてみました。
知っていると知っていないでは、大きな差どころではなく、院内感染といった施設の運営にも大きく関係してきます。
また、今回の記事は、高齢者に多い感染症と題してますが、肝炎・MRSAは含んでおらず、肝炎に関しては次回以降の記事で特集させていただきます。

インフルエンザ

毎年、12月から 3 月にかけて流行するインフルエンザですが、科学的に存在が証明されているのは1900年頃からで、現在までに数回の世界的大流行が知られています。

インフルエンザとは、「インフルエンザウイルス」に感染して起きます。38°C以上の発熱、頭痛や関節・筋肉痛など全身の症状が急に現れ、高齢の方や種々の慢性疾患を持つ方は肺炎を伴うなど重症化することがあります。

インフルエンザを予防する有効な方法

ワクチン接種に対して抵抗がある方やあまり信用していないという方も多くいるとは思われますが、ワクチン接種以外にも手洗いやアルコール製剤による手指衛生も有効とされています。

ワクチン接種

ワクチン接種を受けた高齢者は、死亡の危険が 1 / 5 に 、 入院の危険が約 1 / 3 から 1 / 2 にまで減少することが期待できるとされています 。 現行ワクチンの安全性はきわめて高いと評価されています。

インフルエンザワクチン接種による副反応

インフルエンザワクチンは、ウイルスの活性を失わせて、 免疫をつくるのに必要な成分を取り出し、病原性をなくした 「不活化ワクチン」です。
接種によってインフルエンザを発症することはありません。
比較的多く見られる副反応は、接種部分の発赤や腫れ、痛みなどで、通常は 2 ~ 3 日でなくなります。
一方で、まれに重い副反応の報告がありますので、気になる症状がある場合は医師に相談してください。

定期のインフルエンザ予防接種の対象インフル

【参考:厚生労働省 インフルエンザ

ノロウイルス

ノロウイルスとは、非細菌性急性胃腸炎をおこす「小型球形ウイルス」の一種で、手指や食品などを介して、経口で感染し、ヒトの腸管で増殖し、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。
健康な方は軽症で回復しますが、子どもやお年寄りなどでは重症化したり、吐ぶつを誤って気道に詰まらせて死亡することがあります。
ノロウイルスについてはワクチンがなく、また、治療は輸液などの対症療法に限られます。

ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は、一年を通して発生していますが、特に冬季に流行します。ノロ2

感染経路

感染経路はほとんどが経口感染で、次のような感染様式があると考えられています。

  1. 患者のノロウイルスが大量に含まれるふん便や吐ぶつから人の手などを介して二次感染した場合
  2. 家庭や共同生活施設などヒト同士の接触する機会が多いところでヒトからヒトへ飛沫感染等直接感染する場合
  3. 食品取扱者(食品の製造等に従事する者、飲食店における調理従事者、家庭で調理を行う者などが含まれます。)が感染しており、その者を介して汚染した食品を食べた場合
  4. 汚染されていた二枚貝を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合
  5. ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合 など

治療方法

現在、このウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。
このため、通常、対症療法が行われます。特に、体力の弱い乳幼児、高齢者は、脱水症状を起こしたり、体力を消耗したりしないように、水分と栄養の補給を充分に行いましょう。
脱水症状がひどい場合には病院で輸液を行うなどの治療が必要になります。
下痢止め薬は、病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいでしょう。

予防方法

具体的な方法は、

  • 加熱処理
  • 次亜塩素酸ナトリウム
  • 手洗い

があります。

ノロ1

【参考:厚生労働省 ノロウイルスに関するQ&A

肺炎球菌感染症

肺炎球菌とは、主に気道の分泌物に含まれる細菌で、唾液などを通じて飛沫感染し、気管支炎や肺炎、敗血症などの重い合併症を引き起こすことがあります。
肺炎はわが国の死亡原因の第 3 位となっています。
また、日常的に生じる成人の肺炎のうち1 ⁄ 4~1 ⁄ 3は肺炎球菌が原因と考えられています。

定期接種

平成26年10月1日から平成31年3月31日までの間に、主に65歳以上で裏面の生年月日に該 当する方は、肺炎球菌ワクチンの定期接種を 1回受けることができます。

平成27年4月1日から平成28年3月31日までは以下の方が対象となります。

経過措置の対象となる方対象者

上記の表以外にも、60歳から65歳未満の方で、心臓、腎臓、呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害やヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害がある方は対象となります。

肺炎球菌ワクチンの接種による副反応

肺炎球菌ワクチンの接種後にみられる主な副反応には、 接種部位の症状(痛み、赤み、腫れなど)、筋肉痛、だるさ、発熱、頭痛などがあります。
接種後に気になる症状や体調の変化があらわれたら、すぐ医師にご相談ください。

【参考:厚生労働省 肺炎球菌ワクチン

結核(BCGワクチン)

結核は、毎年新たに2万人以上の患者が結核菌によって発生するわが国の主要な感染症の一つです。
結核は、いわゆる空気感染を起こし、結核菌という細菌が体の中に入ることによって起こる病気です。
結核菌は主に肺の内部で増えるため、咳、痰、発熱、呼吸困難等、風邪のような症状を呈することが多いですが、肺以外の臓器が冒されることもあり、腎臓、リンパ節、骨、脳など身体のあらゆる部分に影響が及ぶことがあります。
また、結核菌に感染した場合、必ずしもすぐに発症するわけではなく、体内に留まったのち再び活動を開始し、発症することがあります。

結核にかかった場合

結核を発症した場合、無治療でいると50%程度の方が亡くなってしまうといわれています。
現在は、医療の進歩もあり、そこまで高い割合で亡くなることは ありませんが、髄膜炎を発症してしまった場合は、現在でも30%程度の方が亡くなり、治った方においても後遺症を残すことがあるといわれています。

相談窓口

厚生労働省では、インフルエンザ、性感染症、その他感染症、予防接種全般についての相談窓口を設けています。

○ 電話番号 03-5276-9337
○ 受付日時 午前9時~午後5時 ※土日祝日、年末年始を除く
自治体のインフルエンザ関連お問い合わせ・情報提供窓口

予防接種健康被害救済制度について

定期の予防接種による副反応のために、医療機関で治療が必要な場合や生活が不自由になった場合 (健康被害)は、法律に定められた救済制度(健康被害救済制度)があります。制度の利用を申しこむときは、お住まいの市町村にご相談ください(制度を利用するためには、一定の条件があります)。 ※詳細は、厚生労働省HPをごらんください。「予防接種 救済制度」で検索できます。

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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