高齢者に関しての興味深い話 最終章

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学習

全4回にわたって説明してきた高齢者に関しての興味深い話ですが、今回の第4章をもって最終章とさせていただきます。

今回も内閣府の平成27年版の高齢社会白書(概要版)平成26年度高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況を自分なりの言葉でできるだけ簡単に説明させていただきます。

ちなみに前回の記事では、高齢者と介護の状況について説明させていただきました。

では、ここからは高齢者の生活について説明していきます。

高齢者の生活

皆さんは全産業における高齢者の雇用者数をご存知ですか?

全産業の雇用者数の推移をみると、平成26(2014)年の時点で

  • 60~64歳の雇用者は447 万人 (平成15年より153%増加)
  • 65歳以上の雇用者は 414 万人(平成15年より189%増加)

さらに、定年到達者の状況をみると、平成 26(2014)6月1日の時点においての過去 1 年間の定年到達者のうち、継続雇用された人の割合は81.4%となっているいるようです。

一見、高年齢の方を雇用するというのはデメリットなどのリスクしかないと考える方もいるかもしれませんが、企業としては在職老齢年金や高年齢雇用継続給付などにより人件費の削減ができるだけではなく、高年齢者雇用を先進的に進めることによって助成金の受給ができることもあるなど、国として支える保険制度もあります。

さらには高年齢の雇用を促進している企業は業績が良いというデータもあります。

ここには超高齢社会という時代ならではの「餅は餅屋」という考えも大きく関係しているのではないでしょうか?

では、その高齢者から見た社会とはどのようなものなのでしょうか?

高齢者の社会参加活動から見ていきます。

高齢者の社会参加活動

私が幼い頃から近所の区民センターなどでは高齢者による囲碁や将棋などのグループ活動が行われてきましたが、最近では高齢者のための麻雀や花札、高齢者のためのパソコン教室などのグループ活動を商店街にあるマンションの一室などを使って行っているケースもたまに目にします。

主なグループ活動には大きく分けて3つあります。

  • 社会奉仕活動
  • 生きがいを高める活動
  • 健康づくりに関する活動
こういったなんかしらのグループ活動参加したことがある高齢者は全国の 60 歳以上の男女
約 6 割ほどで、その割合は 20 年前 と比べて 18.7 ポイント増加しています。
活動全体を通じて参加してよかったことは?
  • 「新しい友人を得ることができた」(48.8%)
  • 「生活に充実感ができた」             (46.0%)
  • 「健康や体力に自信がついた」       (44.4%)

また、調査によると約 4 人に 1 人が参加しているのが「町内会・自治会」と最も多いということもわかりました。

やはり介護の仕事をしていて思うのは、高齢者を高齢者として考えて提供するレクリエーションなどよりも、高齢者同士が話し合っているほうがよっぽど楽しそうだったりしますし、人や時間に制限があるそもそもの「介護」という枠から大きくはみ出さないと本当の娯楽というものはいつまでも提供できないような気がします。

また、こういった社会活動などは高齢者が抱える「不安」「孤独」などはもちろんのこと、高齢者を取り巻く経済的なものに対しても本当に良い効果があるのだと思います。

高齢者と学習

私は今現在、祖母と暮らしています。

祖母はわからない英語などがあると私に聞いてきたり、新しい俳句を日々研究したりと昔から勉強熱心でした。

そんな祖母も現在は寝たきりでの生活を余儀なくされていますが、やっぱり勉強熱心で1日のほとんどはラジオを聞いていつも何かをメモしています。

そういったこともあってか、祖母は自分の容態に悲観的な発言や態度は全くと言ってもよいほど見られません。

では、高齢者の学習について見ていきます。

学習
人々が、生涯のいつでも、どこでも、自由に行う学習活動のことで、学校教 育や、公民館における講座等の社会教育などの学習機会に限らず、自分から進んで行う学習やス ポーツ、文化活動、趣味、ボランティア活動などにおけるさまざまな学習活動のこと

という定義のもと、高齢者の生涯学習への参加状況についてみると、この 1 年くらいの間に生涯学習をしたことのある人は、60 代以上で 5 割以上ということがわかりました。

高齢者が行っている生涯学習

 60 ~ 69歳70歳以上
健康・スポーツ31.728.8
趣味的なもの28.727.3
家庭生活に役立つ技能15.811.6
教養的なもの11.710.1
ボランティア活動のために必要な知識・技能10.89.8
社会問題に関するもの10.67.1
情報端末やインターネットに 関すること10.26.8
職業上必要な知識・技能9.33.8
育児・教育6.51.8
自然体験や生活体験などの体験活動6.05.3
学校の正規課程での学習1.31.3
その他0.40.5

ここでやはり特筆すべきなのは、やはり「情報端末やインターネットに関すること」「職業上必要な知識・技能」を学習されている方が60 ~ 69歳で 1 割近くいるということではないでしょうか?

ちなみにこの「情報端末」というのはコンピュータやタブレット端末などのことで、「インターネットに関すること」というのはプログラムの使い方やホームページの作り方などだそうです。

最近ではスマホを持ち歩く高齢の方多く見かけますし、私が有料老人ホームで働いていた時にはパソコンを使う方はとても多く、中にはiPadやiphoneを使っている方も数名いました。

(関東にお住いの方で興味のある方がいらっしゃいましたら、関東シニアライフアドバイザー協会のホームページをご覧になって見てください。)

世代交流

平成 25 年に行われた全国の 60 歳以上の男女を対象とした内閣府「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」で、約 6 割の高齢者が若い世代との交流に参加したいと考えているということがわかりました。

高齢者の若い世代との交流の機会への参加意向

  • 「積極的に参加したい」    14.0%
  • 「できる かぎり参加したい」     45.9%
  • 「あまり参加したくない」         23.9%
  • 「全く参加したくない」            14.0%
  • 「わからない」                          2.4%

これからは福祉やボランティアというものではない交流というものがもっと積極的に行われていくと良いですよね。

仕事でなければできない交流という点でそれを楽しみにしている高齢者も多くいると思いますが、やはりそういった意識ではどうしてもどちらかに大きな壁ができてしまうということが考えられますし、色々な部分で制限ができてしまうというのもあるように思えます。

また、高齢者の若い世代との交流の機会への参加意向の過去の結果を見ていくと、ここ 20 年で「積極的に参加したい」という方が増え、「あまり参加したくない」と「わからない」という意見が減ったということがわかりました。

ここには「高齢者の若者に対しての意識」、それと「若者の高齢者に対しての意識」というものが大きく関わっているのではないでしょうか?

と考えると、これから先の団塊の世代になった時にはこの高齢者の若い世代との交流の機会への参加意向の結果はどうなっているのだろうかとちょっと気になってしまいます。

生活環境

全国 60 歳以上の男女を対象とした、平成 26 年度の内閣府「高齢者の日常生活に関する意識調査」をもとに高齢者の生活環境について見たところ、高齢者の 8 割は現在の住居に満足しているということがわかりました。

高齢者の事故

つい先日、高速道路で逆走する高齢者の事故をある動画サイトで見ました。

高齢者の自動車運転は、加齢に伴って身体機能の低下が自動車等の運転に影響を及ぼす可能性があるため、

  • 高齢者講習
  • シニア運転者講習
  • チャレンジ講習+特定任意運転者講習(簡易講習)

のいずれかの講習を受講しなければ運転免許の更新が出来ないことになっています。
(更新期間満了の日の年齢が70歳以上の方が運転免許の更新を希望する場合)

予防措置としてのこういった制度があるにもかかわらず、高齢ドライバーの交通事故は急増しており、65 歳以上の高齢者の交通事故死者数は平成 26年は 2,193 人と前年より減少に転じましたが、 交通事故死者数全体に占める割合は 53.3%と過去最高となったようです。

ここには、認識→判断→行動 という一連の動作すべてが遅れてしまうことが大きな原因となっているようで、その対策として高齢者に優しい交通システムの構築が進められて行っていますが、やはり最も大切なのは高齢者としての自覚ではないでしょうか?

高齢者の犯罪

平成 25(2013)年の 65 歳以上の高齢者の刑法犯の検挙人員は、10年前と比較すると検挙人員では約 1.5 倍、犯罪者率では約 1.2 倍であるが、犯罪者率は近年減少傾向となっているようです。

ちなみに、平成25年の高齢者による犯罪者数は46226人で、その大部分にあたる34060人は窃盗犯のようです。

高齢者の被害

今度は逆に、犯罪による 65 歳以上の高齢者の被害の状況について見てみると、平成 14 (2002)年にピ―クを迎えて以降、近年は減少傾向にあるが、高齢者が占める割合は、25(2013)年は 12.9%と、増加傾向にあるようです。

ちなみに平成14年の高齢者の刑法犯被害認知件数は約248万件です。

では、高齢者に多いトラブルというのにはどういったものがあるのでしょうか?

愛知県の消費生活情報「あいち暮らしWEB」の70代、80代のトラブル事例を紹介させていただきます。(このサイトものすごくわかりやすく、とてもためになるので是非ご覧になってみてください。)

どれにしてもとにかく悪質ですよね。

高齢者に関わる仕事をしていると本当に許せない気持ちになってきます。

高齢者の被害に関しては「オレオレ詐欺などによる高齢者被害」の記事で種類や内容・対策を載せているのでよろしければご覧になってみてください。

生きがい

それでは、平成 26 年の全国 60 歳以上の男女を対象とした、内閣府「高齢者の日常生活に関する意識調査」をもとに高齢者の生きがいについてみていきます。

60 歳以上の高齢者が生きがいをどの程度感じているか?

 男性女性
十分に感じている14.716.7
多少感じている49.050.5
あまり感じていいない25.720.9
全く感じていない3.73.7
わからない2.22.4

このことから、60 歳以上の高齢者で生きがいを感じている人は約 7 割ということがわかります。

また、今後の生活で「貯蓄や投資など将来に備える」ことよりも「毎日の生活を充実させて楽しむ」 ことに力を入れたい人の割合が

  • 70 歳以上   83.1%
  • 60 ~ 69歳  77.0%
  • 50 ~ 59歳  54.9%
  • 40 ~ 49歳  40.2%
  • 30 ~ 39歳  35.2%
  • 20 ~ 29歳  39.0%

と49 歳以下の各層では 4 割前後であるのに対して、60 歳以上の各層の割合は高いことがわかります。

また、平成 15(2003)年と比べ、約 7 割から約 8 割に増加しているというところから、毎日の生活を充実させて楽しむことに力を入れたい人が多いということもわかります。

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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