高齢者に関しての興味深い話 第2章

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環境前回の記事「高齢者に関しての興味深い話 第1章」では日本の高齢化率などについてお話しました。

今回の記事でも、内閣府の平成27年版の高齢社会白書(概要版)平成26年度高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況を自分なりの言葉でできるだけ簡単に説明させていただきます。

高齢者を取り巻く環境の現状と動向

総人口に65歳以上が占める割合が26.0%の日本

前回の記事でもお話ししましたが、日本はいまや4人に1人が65歳以上、そして10人に1人は75歳以上という超高齢社会に突入しています。

  • 高齢化社会 :総人口に65歳以上が占める割合が7%以上
  • 高齢社会    :総人口に65歳以上が占める割合が14%以上
  • 超高齢社会 :総人口に65歳以上が占める割合が21%以上

高齢者のいる世帯は全体の4割

平成25年の調査では全世帯5011万世帯のうちの44.7%の2242万世帯に65歳以上の高齢者がいるとされています。

そして興味深いのが、三世代世帯は減少傾向にあるのに対して

  • 親と未婚の子のみの世帯(世帯全体の19.8%)
  • 夫婦のみの世帯    (世帯全体の31.3%)
  • 単独世帯       (世帯全体の25.6%)

の3つは増加の傾向にあるということです。

つまり、夫婦のみの世帯+単独世帯=世帯全体の半数ということになります。

一人暮らし高齢者は増加傾向

一人暮らし高齢者が高齢者人口に占める割合は、昭和55(1980)年には男性4.3%、女性 11.2% であったが、平成22(2010)年には男性11.1%、女性20.3%となっており、一人暮らし高齢者の増加は男女ともに増加傾向にあります。

また、これを見ててムムっと思ったのが1980年から2010年までの30年間の一人くらい高齢者の男女の増加率です。

  • 男性4.3%  →11.1%
  • 女性11.2%  →20.3%

この背景には一体どんなものがあるのだろうか?と考えてしまうのは私だけでしょうか?

ここからは私の憶測ですが女性のほうが男性に比べて「老いる」ということを受け入れているのではないでしょうか?

「老いる」ということを受け入れているからこそ、いつまでも家族と一緒に暮らせたり、介護サービスというものを使えたりしているのではないでしょうか?

というのも、いくつかの施設で働いている介護関係の仕事をしている方であれば当然ともいえるのが、利用者の男女比で明らかに女性のほうが利用率が高いということです。

高齢者の経済状況

特別養護老人ホームを介護度5の方が1ヶ月利用した場合の利用者負担の1割は大体ですが10万円前後になると思われます。(従来型の多床室での目安)

この計算でいくと、年間で大体120万、10年利用し続けたら1200万円とかなりの高額になってきます。

もしこれが従来型の多床室でなくユニット型だとしたら、大体1.5倍の金額になり、有料老人ホームなどであればさらに高額になってきます。

もともと今の高齢者が若かった昭和20年頃の平均寿命は女性61.5歳、男性58.0歳だったので、その当時にはここまで長生きするとは思ってもいなかったという方も少なくはないのではないかと思います。

もちろん時代が違うのは理解していますが、介護の仕事についていると「高齢者って本当にお金持ってるなー、なんでこんなに持ってるんだろう?自分が同じくらいの年になったらどうなっているんだろう?」と思うことが多々あります。

ここでまた高齢社会白書の話に戻ってしまうのですが、60歳以上の高齢者の経済的な暮らし向きについてみてみると、『心配ない』と感じている人の割合は全体で 71.0%であり、80歳以上になると 80.0%とすごく高い割合になっています。

この「心配ない」は

  • 家計にゆとりがあり、 まったく心配なく暮らしている
  • 家計にゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている

の合計になります。

備えあれば

高齢者はなぜそんなにお金をもっているのか?

高齢者世帯は、世帯人員一人当たりの年間所得が全世帯平均と大きな差はなく、約7割の世帯は 公的年金・恩給の総所得に占める割合が80%以上

また、高齢者の貯蓄については、

  • 世帯主が65歳以上の世帯では、貯蓄は全世帯平均の1.4倍
  • 世帯主が 60~69歳の世帯及び 70歳以上の世帯では他の年齢階級に比べて大きな純貯蓄を有して いる
  • 世帯主が 65歳以上の世帯の平均貯蓄額 2,377万円で、全世帯平均 1,739万円の約 1.4倍となっている

となっており、貯蓄の目的についてみてみると「病気・介護の備え」が 62.3%で最も多いようです。

また、年をとって年間の収入が減っていったとしても持ち家率が高くなると、貯蓄が増え負債が減っていくということがわかりました。

生活保護受給者

こういった流れでないとなかなかかけない記事が生活保護受給者についてです。

介護の仕事をしていると書きたいことが山ほどあってすべて吐き出したくなってきますが、それについてはまた別の機会でお話します。

平成25(2013)年における65歳以上の生活保護受給者は88万人で、その前の年より増加しています。

ここでまたちょっと興味深いのが、

  • 65歳以上人口に占める65歳以上の生活保護受給者の割合:2.76
  • 全人口に占める生活保護受給者の割合:1.67%

そうなんです、生活保護受給者の多くは65歳以上なんです。

ではここで生活保護と介護保険についてお話します。

生活保護と介護保険

まず、生活保護の支給には、

金銭での給付と現物での給付の2つがあります。

金銭での給付はお金で給付されるということで、現物での給付というのは医療や介護のサービスで給付されるということです。

生活保護にはいくつかの扶助があり、介護保険に関係するのは主に介護扶助(介護サービスや福祉用具の貸与を受けるための扶助)となっており、介護サービスの自己負担分の捕助を受けるということになります。

つまり、本来であれば1割の自己負担がある介護サービスの支払いをしなくてもよいということです。

これは生活相談員やケアマネージャー、経理の方なら知っていることですが、生活保護受給者が介護サービスを利用した場合、その支払いは国保連からサービス事業所へ直接振り込まれます。

「だとしたら」と思う方がいるかもしれませんが、これが相互扶助の福祉なのです。

高齢者の健康と福祉

やはり年を重ねていくごとに健康を維持するということは難しいことになっていくようで、65歳以上の高齢者の半数近くの人は何らかの自覚症状を訴え、さらにその半数近くが日常生活にも影響のある方ようです。

ここで思うのが、何らかの自覚症状を訴えている方の半数しか日常生活には影響がないということではないでしょうか?

もし今の若い世代が65歳以上になったときに同じ質問をしたら、半数どころか80%以上が日常生活に影響があると言いそうな気がします。

65歳以上の高齢者の日常生活への影響 (人口1000人当たり)

 総数男性女性
日常生活動作119.3107.6128.5
外出118.498.4134.1
仕事
家事
学業
94.472.7111.3
運動83.391.277.1
その他33.633.233.9

健康寿命

健康寿命って言葉はご存知ですか?

もちろん私は知らなかったのですが、健康寿命とは日常生活に制限のない期間のことです。

この健康寿命、平成25(2013)年時点で

  • 男性が71.19歳
  • 女性が74.21歳

となっており、過去12年間では延びているのですが、同じ12年間では平均寿命の延びと比べて小さいということがわかっています。

これから先、平均寿命が延びていくのはよいことなのかもしれませんが、この健康寿命というのも伸びてもらわないとなんともいえない世の中になりそうですよね。

65歳以上の高齢者の主な死因別死亡率

順位病名死亡数
1位ガン947.0
2位心疾患561.0
3位肺炎375.0
4位脳血管疾患337.2
5位老衰219.4

また、20年前の死因別死亡率を調べてみたところ、20年前に比べ心疾患で亡くなる方が大幅に減少したこと、次いで脳血管疾患でなくなる方が減少し、老衰で亡くなる方が増えたということがわかりました。

次回の「高齢者に関しての興味深い話 第3章」では要介護について説明していきますので、

今後ともよろしくお願いいたします。

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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