介護度ってどうやって決めるの? 審査判定編

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家族に合った施設を探している方や、求職中の介護士の中には、それぞれの施設の平均介護度を多少なりとも気にされているのではないでしょうか?
また、介護を仕事とされている方なら、「介護度の基準がその方の住む区によって違う」と感じたことや、「○○区は甘いからね」といったことを一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

今回の記事では、「どのようにして介護度が決められるのか?」の審査判定についてを、厚生労働省の資料などをもとに説明させていただきます。

「ちょっと待って、介護度も介護保険もはじめて」という方は ↓ こちらの記事を参考にしてください。

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どのようにして介護度が決められるのか?

いくら介護が必要と思っても、「要介護状態」と認定されなければ、デイサービスなどの介護保険サービスを利用することはできません。
ですが、「要介護状態」と認定されれば、その介護度に見合った額の介護保険サービスを、自己負担1割で利用することができます。(利用者負担

要介護状態と認定されるまでの流れ

要介護状態と認定されるまでには、①申請→②調査→③判定→④認定という4つの過程があります。
ここからは、以下の例を用いて説明させていただきます。

70歳の父トシオさんはこのところ物忘れがひどく、この間は夕方過ぎになって警察の方に連れられて帰宅した。
トシオさんと一緒に暮らす45歳の娘ヨシコさんは仕事の関係上、毎日、毎時間トシさんを見ることはできないので介護サービスを利用しようと考えている。

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3. 審査判定

審査判定は、2. 認定調査・主治医意見書をもとに

  1. コンピューターによる一次判定
  2. 保健医療福祉の学識経験者が行う二次判定

の二段階で行います。

申請からの流れ

【参考:厚生労働省 介護認定審査会委員テキスト

2. 認定調査・主治医意見書に関しては、前回の記事「介護度・平均介護度ってどうやって決めるの? 認定調査編」をご覧ください。

1. コンピュータによる一次判定

一次判定は、客観的で公平な判定を行うためにコンピューターで行うのですが、ここで出てくるのが、1分間タイムスタディ・データというものです。

1分間タイムスタディ・データ

介護老人福祉施設や介護療養型医療施設等の施設に入所・入院されている3,500人の高齢者について、48時間にわたり、どのような介護サービス(お世話)がどれ位の時間にわたって行われたかを調べたデータ

つまり、「1分間タイムスタディ・データ」とは、心身の状況が最も近い高齢者のデータを探すための基準となるものなのですが、ただの基準ではなく、介護に要す時間を推計するシステムでもあるのです。

判定

1. まず最初に、認定調査より得たデータをもとに要介護認定等基準時間を算出します。

中間評価呼応もく

【参考:厚生労働省 介護認定審査会委員テキスト

一次判定結果

図表35

【参考:厚生労働省 介護認定審査会委員テキスト

2. その後、算出された要介護認定等基準時間と認知症加算の合計をもとに要支援1~要介護5に判定されます。(要支援もあります。)

要介護度と基準時間

【参考:厚生労働省 介護認定審査会委員テキスト

参考:樹形モデル

「心身の状況が最も近い高齢者のデータを探すための基準となるもの」を表すのに、以下の図のように枝分かれしていく樹形モデルと呼ばれるものがあります。

樹形モデル 食事

【参考:厚生労働省 介護認定審査会委員テキスト

参考:理解及び記憶(主治医意見書)の算出方法
図表27

【参考:厚生労働省 介護認定審査会委員テキスト

2. 保健医療福祉の学識経験者が行う二次判定

二次判定は、保健医療福祉の学識経験者5名程度で構成された介護認定審査会で、状態の維持・改善可能性に係る審査判定を行い、そこで初めて要介護状態と認定されます。

まとめ

要介護認定は、全国一律の基準に基づき、公正かつ的確に行われることが重要とされています。
要介護度認定で大切なのは、「平成21年4月からの要介護認定方法の見直し」であり、以下の4つが大きなポイントとされています。

  1. 最新の介護の手間を反映させるためにデータを更新したこと
  2. できるだけ要介護認定のバラツキを是正
  3. 認定調査における評価軸を3つにした
  4. 「見たまま」の状況で選択肢を選び、その上で特記事項として必要な情報を付記

平成21年の見直しから7年が経過し、少しは「介護度の基準がその方の住む区によって違う」「○○区は甘いからね」といった思いは薄れてきたのではないでしょうか?

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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