より快適な生活のための「高齢者向け住まいの本当の選び方」概要編

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平成26年3月に公益社団法人全国有料老人ホーム協会より公表された「平成25年度 有料老人ホーム・サービス高齢者向け住宅に関する 実態調査研究事業」より参考になるデータのまとめを説明していきます。

まず、最初に説明しておかなければならないことは、この実態調査の対象となっているのは、いわゆる高齢者向け住まいとされている有料老人ホームとサービス高齢者向け住宅で、有料老人ホームは「介護付・住宅型・健康型」の3つに分けられているということです。

また、介護付・住宅型・サービス高齢者向け住宅、それぞれの細かな説明は「有料老人ホームの内容とポイント 前編(種類と特徴)」にて詳しく説明しておりますので、そちらをご覧ください。

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高齢者向け住まいについて

ここからは「有料老人ホーム・サービス高齢者向け住宅に関する実態調査」のデータのまとめを見ていくわけですが、その前に知っておきたいのが、いわゆる高齢者向け住まいと呼ばれる有料老人ホームとサ高住についてです。

高齢者向け住まいは「有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅」の2つに分けられており、有料老人ホームは「介護付・住宅型・健康型」の3つに分けられています。

  • 有料老人ホーム
    • 介護付ホーム
    • 住宅型ホーム
    • 健康型ホーム
  • サービス高齢者向け住宅

有料老人ホーム

介護付有料老人ホーム

  • その有料老人ホームの職員によって介護サービスが提供される高齢者向けの居住施設

住宅型有料老人ホーム

  • その有料老人ホームの職員によって生活支援等のサービスが提供される高齢者向けの居住施設
  • 介護が必要となった場合には、入居者自身の選択により、外部の介護サービスを利用

健康型有料老人ホーム

  • その有料老人ホームの職員によって食事等のサービスが提供される高齢者向けの居住施設
  • 介護が必要となった場合には、契約を解除し退去

サービス付き高齢者向け住宅

  • そのサ高住で働く職員によって状況把握・生活相談等サービスが提供される高齢者向けの居住施設
  • 食事、介護、家事、健康管理のいずれかのサービスを提供するサービス付き高齢者向け住宅は、有料老人ホームに該当

高齢者向け住まいの実態

では、高齢者向け住まいの選び方という前提で「有料老人ホーム・サービス高齢者向け住宅に関する実態調査」の要点をまとめていきます。

高齢者向け住まいって何者なの?

今では、他の介護サービスを脅かす存在とまでなった高齢者向け住まい。
ですが、なぜ「共存」ではなく「脅かす存在」となってしまったのでしょうか?
その答えは、高齢者向け住まいの運営元を知ることで、なんとなく見えてくるものがあります。

運営事業者の状況

  • 有料老人ホーム運営事業者の法人種別をみると、全体では「株式会社」が 60.3%で最も多く、 次いで「有限会社」21.3%の順となっている。
  • 住宅型ホームの場合、介護付ホームに比べ、「有限会社」、「NPO法人」、「医療法人」の割合が高い傾向にある。
  • サービス付き高齢者向け住宅の事業運営主体は、「株式会社」が 54.8%、「有限会社」が 14.4%を占めているが、「医療法人」の割合が有料老人ホームもよりも高くなっている。

運営法人種別

開設年と母体法人の業種

  • 有料老人ホームは、介護付ホーム、住宅型ホームともに「平成18年~23年」の間に開設された割合が最も高く、回答ホームの半数近くを占めている。
  • 介護付ホームのうち約1割は平成1年以前から開設しているホームである。
  • 母体法人の業種をみると、有料老人ホ ームでは介護付ホーム、住宅型ホームともに「介護サービス関連」が最も多く、6割を占めている。
  • サービス付き高齢者向け住宅では、有料老人ホームに比べて「医療関連」や「その他」の割合が高い。

開設年

高齢者向け住まいの状況

以前よりも受け入れやすい環境が整ってきた高齢者向け住まいですが、その増加率は段々と落ち着き始めており、一時期の勢いが今になって世の中に浸透してきたようにも思えます。

経年比較で見るホーム件数

  • 平成 24年と比較した介護付ホーム数の増加は 93件(前年比 102.9%)であった。
  • 住宅型ホー ムの場合、前 2年度と比較するとゆるやかな伸びになっているものの、479件増加している(前年比 110.4%)。

ホーム件数

ホーム・住宅の件数、定員数・住戸数

  • 各自治体等で公表されている「有料老人ホーム一覧」の有料老人ホ ーム件数は 8,424件であった。
  • 住宅型ホームが全体の 0.5%を占めており、介護付ホームは 39.3%にとどまっている。

住宅の件数・定員数

より快適な生活で考える「高齢者向け住まい」

では、生活に直結する高齢者向け住まいの居室や広さ、設備などはどうなっているのでしょうか?

居室・住戸数

  • 介護付ホームでは、比較的大規模な施設も多くあり、80室以上の割合が 17.3%を占めて いる。平均では 61.4室である。
  • 住宅型ホームは小規模な事業所が多く、30室未満の ホームが 65.5%を占めている。
  • サービス付き高齢者向け住宅でも比較的小規模な事業所が多く、住戸数 30未満が半数以上を占めている。

居室・住戸別

入居定員数(有料老人ホーム)

  • 入居定員数は基本的に居室数規模と同様であるが、介護付ホームでは定員 80人以上のホ ームが 19.3%を占めており、平均でみても 67.3人となっている。
  • 住宅型ホームでは定員 30人未満のホームが 63.0%を占めており、平均入居定員数 は 29.5人であった。

入居定員数

居室・住戸面積

  • 介護付ホームの最多居室面積をみると、「18~25m²未満」が 42.5%で最も多く、次いで「13~18m²未満」24.3%となっている。平均では 22.2m²である。
  • 一方、住宅型ホームの最多居室面積は「13~18m²未満」が 26.7%、「13m²未満」が 22.6%であり、平均では 16.0m²である。
  • サービス付き高齢者向け住宅では「18~25m²未満」が 64.9%を占めており、平均では 23.9 m²となっている。

最多居室面積

設備

  • 居室設備をみると、住宅型ホームでは「トイレ」や「洗面」、「収納」などの設置割合が 40~60%にとどまっており、介護付ホームやサービス付き高齢者向け住宅に比べて設置水準 が低い。
  • 共用部の設備については、介護付ホーム、住宅型ホームともに設置割合に大きな差はみ られない。

全居室の設置割合

入居者の状況

次に見ていきたいのが、そこに住んでいる高齢者についてです。
そこで、どんな方が生活をしているのかを知ることが、高齢者向け住まいを知る最も近道かもしれません。

入居時要件

  • 入居時における要介護度の要件をみると、介護付ホーム、住宅型ホーム、サービス付き 高齢者向け住宅のいずれにおいても「自立・要支援・要介護(要件なし)」が最も高い。
  • ただし、有料老人ホーム(介護付ホーム、住宅型ホーム)では「要支援・要介護のみ」「要 介護のみ」の割合も 50%前後を占めている。一方、サービス付き高齢者向け住宅では、「要 支援・要介護のみ」「要介護のみ」の要件を設けている事業所は 30%程度であり、入居者像の違いがうかがえる。

入居時要件

入居者の平均年齢

  • 入居者の年齢分布をみると、85~89歳の年齢階層が最も多く、80~90歳代の割合が 7~8 割を占めている。
  • 入居者の平均年齢は、介護付ホームでは 85.7歳、住宅型ホームでは 83.3歳、サービス 付き高齢者向け住宅では 82.1歳である。

入居者の年齢分布

要介護度

  • 入居者の要介護度状態をみると、自立割合は介護付ホームでは 20.0%、住宅型ホームでは 7.3%、サービス付き高齢者向け住宅では 1.5%である。
  • 住宅型ホームの入居者は要介護 3以上の要介護者が入居者全体の半数近くを占めており、介護付ホームやサービス付き高齢者 向け住宅に比べると、重度の要介護者の割合が高いことが分かる。

入居者の要介護度分布

平均入居期間

  • 入居者の平均入居期間は、介護付ホームでは平均で 3.8年、住宅型ホームでは 2.3年で あった。
  • 入居期間の分布状況をみても、住宅型ホームでは「1~3年未満」が 48.0%を占めている のに対し、介護付ホームでは「3~5年未満」が 35.3%で最も高く、「5~10年未満」「10年 以上」の割合も合計で 2割近くを占めている。入居時における状態像の違い等が影響して いると考えられる。

平均入居期間

新規入居者の入居前の生活場所

  • 入居前の生活場所をみると、有料老人ホームでは「自宅、家族・親族等と同居」と「医 療機関」がともに 4割前後を占めている。また、サービス付き高齢者向け住宅でも「自宅、 家族・親族等と同居」と「医療機関」の割合が高いが、有料老人ホームに比べると医療機 関から入居する割合は低くなっている。

入居前の生活場所

退去後の生活場所

  • 退去後の生活場所(または退去理由)をみると、介護付ホームでは退去者の半数以上が 「死亡による契約終了」であった。また、「医療機関」に入院した割合が約 2割、「介護保険施設」が 1割弱となっている。
  • 住宅型ホームでも同様の傾向はみられるが、介護付ホームに比べて「死亡による契約終 了」の割合は低くなり「医療機関」の割合が高くなっている。医療的ニーズを抱える入居 者に対するホーム内での体制も影響していると考えられる。
  • サービス付き高齢者向け住宅では、有料老人ホームに比べて「自宅、家族・親族等と同 居」の割合が高くなっている。

退去後の生活場所

サービスに関してはどんな感じなの?

冒頭で、高齢者向け住まいには幾つかの種類があり、それぞれで提供されているサービスの違いがあるということをお伝えしました。
では、具体的にどういったサービスを提供し、どういったことが基本料金外となるのかを見ていきます。

状況把握・見守りの方法(複数回答)

  • 入居者の状況把握・見守りの方法として行っている内容をみると、「居室訪問」や「緊急 通報コール」、「フロント等による入居者の外出チェック」、「喫食による確認」等は、介護 付ホーム、住宅型ホーム、サービス付き高齢者向け住宅いずれにおいても比較的実施されている割合が高い。
  • 介護付ホームでは「サロン、趣味・健康づくり活動等への参加状況の把握」を行っている割合も高い。

入居者の状況把握

生活支援サービス等の実施割合

  • 生活支援サービス等の提供状況をみると、介護付ホームでは「介護予防、自立支援を目的とした各種教室」と「金銭管理サービス」を除く項目では 80~90%程度の実施率となっている。ただし、「介護予防、自立支援を目的とした各種教室」も 60%のホームで実施されており、「一般的なアクティビティ」とあわせ、住宅型ホームやサービス付き高齢者 向け住宅とは実施割合に大きな差がみられる。

介護保険以外の

実施している生活支援サービスが基本利用料に含まれる割合

  • 実施している生活支援サービスの利用料が基本利用料に含まれる割合をみると、介護付 ホームでは「食事介助」「入浴介助」「排泄介助」「ゴミ出し」「清掃代行」「服薬管理サービ ス」「一般的なアクティビティ」が 80%を上回っている。
  • 「通院付添(提携医療機関 以外)」や「通院以外の外出支援」のサービス利用料が基本利用料に含まれる割合は低くな っている。
  • 住宅型ホームやサービス付き高齢者向け住宅では、介護付ホームに比べると多くのサー ビスで利用料が基本利用料に含まれる割合は低くなる傾向がみられる。

生活支援サービス

まとめ

今回の記事は、高齢者向け住まいを探す上で参考にしていただきたいという思いで作りましたが、その参考の仕方はやはり「平均以上か?」という点で参考にしていただくのが最も効率的に思えます。

例えば、有料老人ホームは、介護付ホーム、住宅型ホームともに「平成 18年~23年」の間に開設された割合が最も高いのですが、それ以前に開設されたホームも沢山あります。
つまり、設備などを考えると新しければ新しいだけ、生活がしやすいように造られているということが言えます。

また、住宅型ホームとサービス付き高齢者向け住宅では居室面積水準にかなりの差がみられるので、今後を考えた生活のしやすさを前提に選ぶことがポイントになります。

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。