訪問リハビリテーションの内容とポイント

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リハビリ
介護サービスの種類」という記事では介護サービスの種類を説明させていただきました。

それでは、それぞれの介護サービスの内容とポイントをご説明していきます。

それぞれの介護サービスの内容とポイント、第6回目は「訪問リハビリテーション」です。

どんな時に利用するの?

どんな時にこの訪問リハビリテーションを利用するのかというところから説明していきたいと思います。

まず、訪問リハビリテーションは病院やリハビリテーション施設に通うのが困難な利用者を対象しているということが前提になります。

病気や怪我などで入院をし、身体機能の回復のためにリハビリを受けることになった場合は医療機関でリハビリを受けることになるのですが、医療保険でのリハビリというのは受ける日数に制限があります。
(心大血管疾患:150日、脳血管疾患等:180日、運動器:150日、呼吸器:90日)

では、ここからは介護の世界ではよく見かける脳卒中の方を例にして説明していきます。

脳卒中(脳血管障害:脳梗塞・脳出血)の方の場合

脳卒中と診断された方の約6割近くはその後の後遺症に悩まれます。

脳梗塞で代表的な後遺症としては「片麻痺」「半身麻痺」などが挙げられますが、後遺症は脳細胞の破損が原因ですので、適切なリハビリによっては改善が見込めることもあります。

そこでリハビリへとうつるのですが、脳卒中は上記のとおり「脳血管疾患等:180日」というところに含まれるので最長のリハビリ期間は180日となっていますが、これはあくまで重度の場合であって重度と診断されなければそのリハビリ期間は150日以内と定められています。

ですが、150日でリハビリの目標は達成されるのでしょうか?

ここからは私の叔父の話になってしまうのですが、やはり150日という期間は短く思えるようです。

それもそのはずで、脳梗塞と診断されてからは抜け殻のようになっていた叔父もリハビリをするようになってからは見違えるように元気になっていきましたが、150日という期間の終了が近くなってきてからは今後を心配するようにもなって来ました。

「特別な器具もない家で今後もリハビリに向き合えるのか?」

そこで主治医から勧められたのが訪問リハビリテーションでした。

(もちろん医療保険でも自費でもリハビリを受けるということは可能なのですが、叔父の場合は通院や通所ができないという点で訪問リハビリテーションを選びました)

訪問リハビリテーション、簡単に説明すると?

それではまた例によって、厚生労働省の介護保険の解説 -サービス編 –より定義から見ていきたいと思います。

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士という専門職が、居宅(ここでいう「居宅」には、自宅のほか軽費老人ホームや有料老人ホームなどの居室も含みます)を訪問して行われる、心身の機能の維持回復、日常生活の自立を助けることを目的とするリハビリテーションをいいます。

これを簡単に説明すると、利用者の心身の機能の回復、向上を目的としてリハビリ専門の職員が利用者の自宅へ来てくれるサービスです。

訪問リハビリテーション
分類居宅サービス
監督・指導都道府県
対象要支護1以上(予防介護)
要介護1以上
利用する場所自宅
別名訪問リハ

具体的な内容は?

訪問リハビリテーションは医師の指示書に基づき、日常の生活動作を助けるための機能の維持や回復訓練などのリハビリテーションを個別に実施していくサービスです。

さらに具体的には、利用者本人の症状や利用者宅の構造などをふまえた上で、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などのリハビリの専門家が利用者の自宅へ訪問し、その利用者に適したリハビリテーションの指導を行います。

また、それ以外にも福祉用具や自助具などの提案や住宅改修に関する助言なども行っています。

リハビリの専門家って?

それではそのリハビリを行う3つの専門家、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士について表でまとめてみました。

リハビリの専門家
理学療法士筋肉や関節を動かす運動療法、立つ、歩く、座るなどの日常生活上必要な身体の機能回復
作業療法士仕事や学習能力を高めるための活動や手先を動かすための手工芸の活動の訓練などの機能回復
言語聴覚士話す、聞く、表現するといったコミニュケーション、食べるなど機能回復

リハビリの内容

その主な内容については平成26年の社保審ー介護給付費分科会の資料を元にわかりやすくするために表で説明していきます。

対象:要支援1・2~要介護5(訪問リハ 500事業所を無作為抽出し、調査)

訪問リハの主なプログラムの実施内容
種別%分類
関節可動域訓練83.2心身機能
筋力増強訓練78.4
歩行訓練69.3
筋緊張緩和64.7
起居・立位動作訓練62
バランス練習50.1
マッサージ31.6
体操10.8
言語訓練4.2
摂食・嚥下訓練3.2
計算ドリル1.6
回想法0.9
トイレ動作訓練9.3活動
その他9.1
入浴動作訓練4.5
移乗動作訓練4.5
その他ADL訓練4.5
IADL練習4.2
趣味活動4.2

どこから来るの?

訪問リハビリテーションを行う事業所は、病院か診療所、または介護老人保健施設に限られています。

その対象と利用するためには?

通所リハビリテーションを利用するには以下の条件をすべて満たしている必要があります。

  1. 居宅で生活を送る
  2. 要支援1以上か、要介護1以上で
  3. 主治医より、サービスの利用が必要だと認められた通所が困難な方

居宅とは?

上記の 1. 居宅で生活を送る の「居宅」とは一体何を指しているのでしょうか?

ここでいう「居宅」には、自宅のほか、軽費老人ホームや有料老人ホームなどの居室も含みます。

つまり、介護を要するための施設ではなく、自立した生活のための部屋ということで、集合住宅的なものも自宅と同様に居宅とされています。

その他のリハビリテーション

やはりもし通えるのであれば通所という形でリハビリテーションを受けることをお勧めしています。

以下が通所で受けられるリハビリテーションです。

  • 通所リハビリテーション
  • 通所介護

また番外編ですが、先ほどもお伝えしましたが訪問リハビリテーションの事業者は病院や診療所、または介護老人保健施設に限られていますので、地域によっては利用が出来ない場合もあります。

その場合は訪問看護でもリハビリテーションを受けることができるので担当のケアマネージャーにご相談ください。

メリットとデメリット

ここからは私と同じ職場の理学療法士の意見を参考にさせていただきます。

メリット

まず大きなメリットして大きく以下の2つが挙げられます。

  1. リハビリを行う場所が自宅
  2. リハビリがその利用者に適した個別のプログラム

リハビリを行う場所が自宅

住み慣れている自宅でできるほどリラックスした集中できる環境なんてないのではないでしょうか?

もちろんしっかりとした設備がある施設に行ったとしても集中することはできると思いますが、訪問リハビリテーションは自宅で1対1のサービスのため自分のペースでリハビリしながら今後を相談したり話し合いながら受けるということができます。

やはり、リハビリをしている時には「自分を見ていてほしいと思う方」「何が気がついたことがあったらすぐに教えてほしいと思う方」は多いようですので、通所ができない状態という前提で利用する訪問リハビリテーションの1対1というのはできる限り不安を少なくしたサービスなのだと思います。

リハビリがその利用者に適した個別のプログラム

もともと訪問リハビリテーションは「利用者本人の症状や利用者宅の構造などをふまえた上で日常の生活動作を助けるための機能の維持や回復訓練などのリハビリテーションを個別に実施していくサービス」という特徴があります。

まず住み慣れた自宅の環境に慣れるという意味でも、そこにあるものを使って行う実生活でのリハビリという点でも訪問リハビリテーションはとても大きなものだと思います。

また、必要であれば専門的な知識のもと、住環境や福祉用具、住宅改修にについても相談ができます。

デメリット

  1. リハビリを行う場所が自宅
  2. 訪問リハビリテーションの事業所が限られている

リハビリを行う場所が自宅

自宅でのリハビリテーションはメリットでありデメリットでもあります。

やはり自宅ということで設備が揃っているわけではないので特殊な機器で指定した部位のリハビリテーションというのはそう簡単には行えません。

また、自宅ということはリハビリテーションの種類も限定されてしまいます。

そしてよく聞くのが「あの人が頑張っているんだから私も頑張らないと」という切磋琢磨した意識や「あなたも大変だったのね」という自分だけじゃないという安心が自宅では生まれ辛いというのもあります。

訪問リハビリテーションの事業所が限られている

これは先ほどもお伝えしましたが、訪問リハビリテーションを行う事業所は、病院か診療所、または介護老人保健施設に限られているため、もし近くに事業所がなければ希望通りにはならないという可能性もあります。

もちろん多くの事業所があるデイサービスでもリハビリを受けることは可能ですが、やはりそこにいる利用者で受けるという点では集団体操に近く「個別」とは言えませんし、「個別」だとしても時間はとても短いものになります。

訪問リハビリテーションの利用料の目安

ここではまた厚生労働省のどんなサービスがあるの? – 訪問リハビリテーションを参考にさせていただきます。

介護度サービス費用の設定利用者負担(1割)
要支援1以上20分以上実施した場合302円(1回につき)
要介護1以上20分以上実施した場合302円(1回につき)

上記の表はあくまで目安ですので、詳しくは市町村・東京都では23区の特別区の窓口までお問い合わせ下さい。

まとめとポイント

ここまた私の叔父の話になってしまいますが、やはり一人でもリハビリを続けるというのはとても難しいことのようです。

専門の理学療法士の方が来ている時には一生懸命になって励んでいても、やはり帰ってしまってから、来ない時にも続けるというのはできませんでした。

リハビリに関しては自分が努力しているところを見ていてもらうことがとても大きなことなのではないでしょうか?

私は通所介護(デイサービス)で数年働いていましたが、そこで行われているリハビリというのは正直「リハビリ」というのとはまた違うような気がします。

集団で行う体操であって、利用者それぞれの身体機能に配慮をしたものではありません。

ですので、リハビリを求めてデイサービスを利用するとしたらリハビリ特化型のデイサービスをお勧めします。

以前に見学で伺ったことがありますが十分な機器が揃っていましたし、常に利用者に目を向けている理学療法士の方がいました。

これは特別養護老人ホーム、ショートステイなどに言えることですが、そこにいる利用者の多くがリハビリを受けたいと言ったとしても、リハビリの対象になるのは、リハビリをすることである程度の目標に到達できるであろうという見込みのある方のみです。

また行われるリハビリは1人に対して1時間ほどしか取れません。

もちろんそこには理学療法士などのリハビリスタッフの人員的な問題などもありますし、私が知らないだけなのかもしれませんが。

つまり、通所が困難なうちは訪問リハビリテーションを利用していたとしても、通所ができるようになったのであれば、一般的なデイサービスでなく、リハビリ特化型のデイサービスや通所リハビリテーションを利用したほうが良いと思われます。

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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