訪問看護の内容とポイント

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前回の記事「介護サービスの種類」の自宅で利用するサービス

第2回目は、自宅で利用する訪問型サービスの訪問看護です。

訪問看護、簡単に説明すると?

  • 看護師が病気や障害を持った方の家にやってきて看護ケアを提供する療養生活の支援サービスです。
  • 訪問看護は、医療保険か介護保険、または自費で利用することができます。

訪問看護の看護師はどこから来るの?

  1. 訪問看護ステーション
  2. 病院や診療所などの医療機関
  3. 民間の企業などが行う訪問看護サービス

対象となるのは?

 介護保険を利用医療保険を利用
65歳以上要支援1以上、または要介護1以上の方医師が訪問看護の必要性を認めた方で介護保険の要支援・要介護に該当しない方
65未満〜45歳以上
16特定疾患(主に加齢が原因の病気)の対象者で、要支援・要介護と認定された方医師が訪問看護の必要性を認めた方で
1. 16特定疾患の対象ではない方
2. 16特定疾患の対象ではあっても、介護保険の要支援・要介護に該当しない方
40歳未満利用できません40歳未満でも医師が訪問看護の必要性を認めた方

★注意
介護保険の訪問看護と医療保険の訪問看護を同時に利用することはできませんのでご注意ください。

★例外1 自費
自費で利用するのであれば、要支援や要介護、症状や病状、病気の種類、性別や年齢を問わず、全ての方が訪問看護をご利用いただけます。
また、自費であれば介護保険もしくは医療保険の訪問看護と同時に利用することができます。

★例外2 特例
介護保険の要支援・要介護の認定を受けた方でも、下記に当てはまる方は医療保険の訪問看護をご利用になれます。

  • 介護保険における厚生労働大臣が定める疾病等の方
  • 病状の悪化により医師の特別指示(特別訪問看護指示書)が出されている方

具体的な内容は?

具体的な内容については、日本訪問看護財団のホームページより抜粋させていただきます。

かかりつけの医師と連絡をとり、心身の状態に応じて以下のようなケアを行います。

  • 健康状態の観察と助言
  • 検査・治療促進のための看護
  • 日常生活の看護
  • 療養環境改善のアドバイス
  • 在宅リハビリテーション看護
  • 介護者の相談
  • 精神・心理的な看護
  • 様々なサービス(社会資源)の使い方相談
  • 認知症の看護
  • 終末期の看護

入退院についてのご相談や、必要に応じ他の様々なサービスをご紹介したり、関連機関と綿密な連携をとり、利用者が安心して豊かな療養生活を送れるための様々な支援や調整をいたします。

ここでのポイントは訪問介護と違い、訪問看護は看護的なことはもちろんのこと介護的なことを含めた幅広い内容の業務ができるということが大きな特徴だと言えます。

訪問看護を利用するためには?

訪問看護は医療保険、介護保険、そのどちらを使ってサービスを受ける場合でもかかりつけ医の指示書が必要となります。

介護保険

  1. 訪問看護の利用についてケアマネに相談
  2. ケアマネからかかりつけ医に依頼
  3. かかりつけ医より「訪問看護指示書」が交付
  4. 訪問看護指示書に基づいた必要なサービスが訪問看護機関より提供される。

介護保険を利用した場合のポイントは、ケアマネジャーに「週に◯◯日、訪問看護を受けたい」「◯◯訪問看護ステーションから訪問看護を受けたい」などの要望を伝えておくことです。

★下記の場所に相談することでも訪問介護サービスは受けられます。

  • 在宅介護支援センター
  • 市区町村役所の在宅福祉関連窓口
  • 保健所・保健センターの保健婦
  • 病院の医療相談室
  • 地域の社会福祉協議会
  • 地域の民生委員
  • 民間の訪問看護サービス会社

医療保険

  1. かかりつけ医に相談
  2. かかりつけ医より「訪問看護指示書」が交付
  3. 訪問看護指示書に基づいた必要なサービスが訪問看護機関より提供される。
  1.  ですが、お近くの訪問看護ステーションに相談し、訪問看護ステーションからかかりつけ医に連絡ということも可能です。

訪問看護のメリットとデメリット

メリット

  1. 住み慣れた自宅で医療的なケアが受けられる。
  2. 訪問介護でなくても訪問介護サービスと同様に入浴の介助や排泄の介助が受けられる。
  3. ガンの末期や終末期などのターミナルケアも行っている。

メリットの説明

  1. 医療的なケアは訪問介護では受けられません。
    胃瘻をしている場合でも在宅酸素、人工呼吸器などを利用をしている場合でも対応ができるということです。
    万が一、体調の急変があった場合も速やかな対応ができます。
  2. 名前こそ訪問看護ですが、訪問介護と同じこともできると考えていただけるとわかりやすいです。
    さらには、
  • 介護保険・医療保険の説明や相談
  • 車椅子や杖、介護用ベッドなどの福祉用品の手配状況の確認と助言
  • ガーゼやおむつなど医療用品の手配
  • 終の住処を自宅にするうえで訪問看護はとっても役にたつと思います。

デメリット

  1. あくまで在宅だということ。

在宅での生活というのは

  1. 自宅を自宅での生活を考えるとリフォーム費などがかかる。
  2. 結局、家族への負担はある。

という以上の2点は訪問介護とも共通しているのではないでしょうか?

(記事:訪問介護の内容とポイント

デメリットの説明

やはり訪問介護は自宅で受けるので、それがメリットでありデメリットでもあります。
自宅でできる医療行為には限界があり、病院と同じようにというわけにはいきません。

また、何よりも家族が自宅で面倒を見るというのは、要介護者本人にとっては心強く、思ったことを素直に伝えられる環境ということを意味しています。

その金額は?

介護保険

介護保険の場合、医療保険と違って訪問看護の利用回数に制限はありません。

1回の利用時間数は以下の4つの区分の中から、 必要に応じて選択することができます。

  1. 20分未満
  2. 30分未満
  3. 30分以上60分未満
  4. 60分以上90分未満

但し、介護保険の支給限度額によって月間の上限が設定されています。
(詳しくは「介護保険の支給限度額の説明」をご覧ください)

時間利用料金一割負担額
20分未満3000円300円
30分未満4500円450円
30分以上60分未満8100円810円
60分以上90分未満11100円1110円

※注  この表は交通費を含めた基本料金のおおよそです。
わかりやすくするためおおよその金額として設定しています。

医療保険

上記「対象となるのは?」の医療保険の利用条件を満たした方は、週に1~3回まで訪問看護を利用することができます。
(1回の利用時間数については30~90分の範囲)

医療保険には支給限度額はありません。
つまり、医師に必要性を認められれば利用回数・利用時間数の上限まで訪問看護を利用することができます。

回数1割負担3割負担
1回1800円5300円
2回2600円8000円
3回3500円10500円
4回4300円13000円
5回5200円15600円

※注  この表はわかりやすくするためおおよその金額として設定しています。

負担早見表

 介護保険医療保険
基本利用料費用の1割を負担70歳以上の方は、原則として費用の1割を負担※1
70歳未満の方は、原則として費用の3割を負担※2
その他の負担支払限度額を超えるサービスや保険給付対象外のサービスについては全額自費負担一定時間を超えるサービスや休日や時間外のサービスは差額を負担
交通費やおむつ代などは実費分を負担

※1 現役並みに所得のある方は費用の3割を負担
※2 義務教育就学前の方は費用の2割を負担

ポイント

1 週間当たりの訪問回数

介護保険による訪問看護は、ケアマネの作るケアプランに盛り込まれれば、週に何回でも行えます。

しかし、医療保険による訪問看護は、原則として週に3回までとされています。(例外規定あり)

1 日当たりの訪問回数

介護保険による訪問看護は、ケアマネの作るケアプランに盛り込まれれば、一日に複数回行うことができます。
しかし、医療保険による訪問看護は、1日1回までという制限があります。(例外規定あり)

複数の訪問看護ステーション

介護保険による訪問看護は、ケアマネの作るケアプランに盛り込まれれば、何箇所からの訪問看護ステーションからでもサービスを受けることができます。
しかし、医療保険による訪問看護は、基本的に患者1人につき同一月に1カ所からの訪問看護しか認められていません。(例外規定あり)

サービスの利用時間

介護保険による訪問看護では、サービスの実施時間によって介護報酬の算定単位数が決まっています。
しかし、医療保険ではサービスの実施時間による基本報酬の差はないが、厚生労働省通知の長時間訪問看護加算が規定されています。

つまり、利用する細かな時間設定ができるのが介護保険ということになります。

 まとめ

上記のポイント金額の表を見ていただければ一目瞭然だと思いますが、介護保険と医療保険では明らかに介護保険の方が使い勝手が良いのではないでしょうか?

ですが、一般的に訪問看護が必要な方の多くは、訪問看護以外の様々な介護保険サービスも同時に利用しており、複数のサービスを利用しながらとなると、訪問看護の利用は週に1~2回に抑えられてしまうことが多いというのもいえます。

いずれにせよ、自宅での生活を続けたいという方にとってはなくてはならないサービスであり、専門的な見解で家族を支える大切な仕事だということはやはり忘れてはいけないのではないでしょうか?

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。