訪問介護員なら一度は思う「これってどうなっているの?」

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私の介護の経験は訪問入浴から始まりました。
もう何年も前のことですが、初めての「介護」で、家族介護経験の後だったこともあり、不安と期待が混ざった複雑な心境だったのを覚えています。

そのきっかけとなったのは、新聞の折込広告にあった「時給1900円」という訪問入浴の見出しでした。

ここからは、長くなってしまうので、気が向いた時にでも「介ゴ士目線」をご覧になってみてください。

結果からお伝えすると、「残業はなし」という約束でしたが、あくまで口約束だけで、契約書には「残業あり」と記載されており、時給1900円とされていましたが、週5回勤務で、最初の月給は12万円でした。

他にも幾つもの嘘があり、入社からわずか3ヶ月で退職をしました。

訪問介護と訪問入浴は、同じ訪問系というだけで共通することは少なそうですが、

  • 移動時間って給料に含まれるの?
  • 待機時間って給料に含まれないの?

といった疑問については同じなのではないでしょうか?

今回の記事では、厚生労働省の資料をもとに、「訪問」だからこその疑問についてを説明させていただきます。

【参考:厚生労働省 法定労働条件の確保のために

うちの事業所ってブラック?「ブラック診断とその答え」
しばらく前によく耳にした「ブラック企業」ですが、介護業界もイメージとは程遠いほどの「ブラック事業所」って結構多い...

訪問介護の疑問と問題

雇い止め問題

有期労働契約については、契約更新の繰り返しにより、一定期間雇用を継続したにも関わらず、突然、契約更新をせずに期間満了を持って退職させるといった「雇い止め」が大きな問題となっています。

ポイント:労働条件の明示について

使用者は労働契約に際し、訪問介護労働者に対し、賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければなりません。(労働基準法第15条)

労働条件は、書面で明示しなければならないとされています。

そこで大切となるのが、以下の5つの項目です。

  1. 労働契約の期間
  2. 就業の場所と従事すべき業務
  3. 労働日(休日以外の日)
  4. 労働の始業と終業の時刻
  5. 休憩時間に関する事項

雇い止めの問題は、①の労働契約の期間がトラブルの原因となっていますので、

  • 労働期間の定めの有無
  • 期間の定めのある労働契約の場合はその期間

に関しては明確に定めていなければなりません。

具体的な労働時間に関する問題

私が訪問入浴サービスを辞めた理由は、給料の問題でした。
具体的には、直接的な介護サービスのみが労働時間とされており、待機時間、移動時間が労働時間と認められていなかったため、とんでもなく安い給料で辞めざるをえませんでした。

労働時間として取り扱わなければならない例

  • 交替制勤務における引継ぎ時間
  • 業務報告書等の作成時間
  • 利用者へのサービスに係る打ち合わせ、
  • 会議等の時間
  • 使用者の指揮命令に基づく施設行事等の
  • 時間とその準備時間
  • 研修時間
賃金の算定について

つまり、訪問介護の賃金は、直接的な介護の時間だけではなく、上の「労働時間として取り扱わなければならない例」などを加えた合計の時間となるのです。

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【参考:厚生労働省 法定労働条件の確保のために

移動時間はどうなるの? その1

移動時間とは、事業場、集合場所、利用者宅の相互間を移動する時間をいい、この移動時間については、使用者が業務に従事するために必要な移動を命じ、当該時間の自由利用が労働者に保証されていないと認められる場合には、労働時間に該当します。

①の通勤時間はここでいう移動時間には該当しません。

移動時間

【参考:厚生労働省 法定労働条件の確保のために

移動時間はどうなるの? その2

★ ケース A ★ケースA

ケースAでは、Aさん宅での介護サービス開始時刻から、Bさんタクでの介護サービス終了時刻までの時間のうち。休憩時間を覗いたものが労働時間となります。

★ ケース B ★ケースB

ケーBでは、Aさん宅での介護サービス提供時間、Bさん宅への移動時間及びBさん宅での介護サービス提供時間が労働時間となります。
移動時間はBさん宅への移動に要した時間であり、それ遺体の「空き時間」については、その時間には労務に服する必要がなく、労働者に自由利用が保証されている限り、労働時間として取り扱う必要はありません。

★ ケース C ★ケースC

このケースでは、Aさん宅での介護サービス提供時間のみが労働時間となります。

【参考:厚生労働省 法定労働条件の確保のために

待機時間はどうなるの?

待機時間については、使用者が急な需要等に対応するために事業場等に置いて待機を命じ、当該時間の自由利用が労働者に保証されていないと認められる場合には、労働時間に該当します。

休業手当について

使用者の責に帰すべき事由により、訪問介護労働者を休業させた場合には、使用者は休業手当として平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければなりません。(労働基準法第26条)

労働者の責

【参考:厚生労働省 法定労働条件の確保のために

年次有給休暇の付与について

短時間の労働契約を繰り返し更新している訪問介護労働者であっても、雇入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した場合は、年次有給休暇を与えなければなりません。(労働基準法第39条)

年次有給休暇

【参考:厚生労働省 法定労働条件の確保のために

比例付与について

所定労働日数が少ない労働者に対しても、所定労働日数に応じた年次有給休暇を付与しなければなりません。

有給日数

【参考:厚生労働省 法定労働条件の確保のために

まとめ

訪問系の事業所は、規模は小さいというのが、一般的なところです。
規模が小さいところは、職員数も少なく、人間関係での面倒が少ないといったメリットもありますが、細かなところをしっかりとやっていない事業所が多いのも事実です。

ここでブラックな事業所が怠る3つの「労働者を守るべきこと」をあげさせていただきます。

  1. 就業規則の作成及び周知
    • 常時10名以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し所轄労働基準所長に届けなければならない
  2. 健康診断
    • 常時使用する労働者に対して、雇入れ時及び1年以内ごとに1回、定期に健康診断を実施しなければなりません。
  3. 労働保険(労災保険+雇用保険)
    • 使用者は、訪問介護労働者を含め労働者を一人でも雇っていれば労働保険の手続を行わなければなりません。

この3つを怠っている事業所は結構多いのではないでしょうか?

やはり今後も考えて働くとしたら、大きな事業所や、バックに大きな企業が付いている事業所をおすすめします。
というのも、こういったことを怠る事業所というのに、立ち向かおうとしても、相手は結構慣れていることも多く、結果的に「手間と時間をかけてまで」と泣き寝入りしかないようなことがほとんどです。

たしかに騙されたようでむかつきますが、やはり相手にせず、安定した事業所で働くべきではないでしょうか?

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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