触れてはいけない?タブー?「ホームレスの実態」②

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前回の記事「触れてはいけない?タブー?「ホームレスの実態」①」では、ホームレスの数・いる場所・年齢などについてまとめさせていただきました。
今回の記事では、その続きとして、ホームレスの収入や生活などについてをまとめていきたいと思います。

ホームレスについての記事を書くことは、正直少し罪悪感に似たものを感じますし、真面目なサイトなどではなかなか触れられることのないタブーなことなのかもしれませんが、介護にも関わっている以上、介護士目線ではあえてそこを取り扱ってみたいと思います。

【参考:厚生労働省 ホームレスの実態に関する全国調査検討会報告書

ホームレスの実態

ホームレスと収入

ホームレスと聞くと、やはり仕事をしていないイメージがつい湧いてしまいますが、データを見るとそうでもないことがわかります。

収入のある仕事の有無

収入のある仕事を「している」人は全体の 61.0%となっており、年齢別にみると、45-64歳の層では 65%前後と高く、70歳以上の層でも約 5割となっています。

収入のある仕事の有無

【参考:厚生労働省 ホームレスの実態に関する全国調査検討会報告書

収入源

「仕事以外の収入がある」人について、その収入源を尋ねたところ、全体としては「年金」が 37.7%と最も多く、特に65歳以上の層で「仕事以外の収入がある」人の57.1%は「年金」を収入源として挙げており、45-54歳の層では、「友人・知人からの支援」が 50.0%となっています。

仕事以外の収入源

【参考:厚生労働省 ホームレスの実態に関する全国調査検討会報告書

仕事以外の収入月額

「仕事以外の収入がある」人について、その収入月額を尋ねたところ、「5000円未満」が 22.9%、「5000-1万円未満」が5.4%、「1-5万円未満」が20.2%、「5万円以上」が29.5%となっています。

仕事以外の収入月額

【参考:厚生労働省 ホームレスの実態に関する全国調査検討会報告書

ホームレスと借金

金融機関や消費者金融への借金の有無

金融機関や消費者金融に借金が「ある」人の割合は、全体では16.0%であるが、概ね年齢層が低いほど借金が「ある」人の割合が高く、35歳未満の層では47.1%、35-39歳の層では34.4%が借金が「ある」と回答していることがわかります。

借金の有無

【参考:厚生労働省 ホームレスの実態に関する全国調査検討会報告書

借金金額

金融機関や消費者金融に借金がある人を対象に、その金額を尋ねたところ、「100-300万円未満」が31.6%、次いで「50万円未満」が22.2%となっており、「100 万円以上」の借金がある割合が最も高いのは45-54歳の層で57.9%となっていました。

借金の金額

【参考:厚生労働省 ホームレスの実態に関する全国調査検討会報告書

ホームレスと生活

最終学歴

最後に出た学校(最終学歴)については、「中学校」が最も多く49.8%、次いで、「高校」が 38.2%となっており、35歳未満の層、並びに45-49歳の層では、「短期大学・専門学校」あるいは「大学」を卒業している人が2割を超えることがわかっています。

最終学歴

【参考:厚生労働省 ホームレスの実態に関する全国調査検討会報告書

初めて路上(野宿)生活をする前にやっていた仕事

初めて路上(野宿)生活をする前にやっていた仕事は全体では、「建設・採掘従事者」が最も多く、45.9%で、年齢層が高いほど「建設・採掘従事者」が多くなる傾向が見られます。
一方で、35歳未満の年齢層で「サービス職業従事者」が最も多く41.2%となっていました。

以前にしていた仕事

【参考:厚生労働省 ホームレスの実態に関する全国調査検討会報告書

年齢別 今後希望する生活

「今のままでいい」という回答は年齢が高いほど増える傾向があり、80歳以上の層を除くと、65-69歳の層で37.6%と最も多いが、70歳以上の層では減少することがわかります。

「福 祉や医療を利用したい」という福祉や医療を希望している層が一定割合存在する一方で、「自活したい」という回答は年齢が低いほど多く、「今のままでいい」「福祉や医療を利用したい」という回答とは逆に年齢が高いほど減少していくことがわかります。

今後希望する生活

【参考:厚生労働省 ホームレスの実態に関する全国調査検討会報告書

まとめ

ホームレスの数は、

  • 平成24年の概数調査:9,576人
  • 平成19年の概数調査:18,564人

とここ五年で約6割に減少しています。
減少した理由として考えられるのは平成24年から施行された「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」や「生活保護適用」などによる効果であるとされていますが、

  • 路上には現れないが、慣習的な住居をもたないでネットカフェや簡易宿泊所などで寝泊まりしている人々
  • 家賃を滞納してアパートから退去させられる寸前の人々
  • 契約満了になれば会社の寮から退去しなければならない人々
  • 病院や 刑務所から退院・退所しても行き先のない人々

など、いわゆる広義のホームレスは、むしろ拡大しているとも言われています。

今回の記事を書くにあたり感じたことは、相当数の若年者も含まれているということ、高齢化しているということです。
生活保護受給者は介護業界に大きな影響を与えていることから、ホームレスについても記事を書こうと思いましたが、その実態を知ることで私が思っていたよりももっと深刻な問題であることを痛感しました。

特に、「初めて路上(野宿)生活をする前にやっていた仕事」の回答では、35歳未満の年齢層で「サービス職業従事者」が最も多く41.2%という結果もあり、離職率の高いサービス業と鬱病とホームレスは何かしらの関係があるようにも思えてしまいます。

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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