「介護を変えてほしい」そう言われたら 改革の具体案 経営編

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前回の記事、「上司などに介護を変えてほしいと言われたら 経営と現場のジレンマ編」では、介護事業所の抱える問題点を現場側・経営側の両方から説明させていただきました。

今回の記事では、「介護の改革」の具体案を厚生労働省の資料を基に説明させていただきます。

介護を変えるための具体案

まず、大きなポイントを経営と現場の両面から考えていきたと思います。

経営で考えるポイント

経営としては、やはり「売上」が運営していくうえで最も大きなポイントとなります。
営業に関しては、それぞれの事業所でその事業所に合った策を講じていると思いますので、そのツールや方法はまた別の機会に説明させていただきます。

で、売上についてですが、収入と支出を一元的に管理することが、まずは再優先になります。
これは、「どのくらいの金額の収入があったのか」と同様に「どのくらいの支出があったのか」を知ることで、収支のバランスが管理できるということなのです。
といっても、ここまでは当たり前ですよね。

ここで大切なのが、「支出の詳細を知る」ということです。
では、ここからは、その費用についての具体的なところを説明させていただきます。

固定費用と変動費用

家賃や管理費は、絶対的にかかる出費ですが、必要物品の購入やガソリン代などは、その月によってバラバラです。
また、介護という業種は、収入に比べて支出が多いという現状があります。
そのなかで最も大きな割合を占めるのが給与費です。

では、ここで厚生労働省より公表されている「平成 26 年介護事業経営実態調査結果の概要」の中から、収入に対する給与費の割合とその推移を見ていきたと思います。

サービスの状況

【参考:平成 26 年介護事業経営実態調査結果の概要

給与費の割合で見るベスト5

ちょっと字が小さいのですが、上の資料から見てわかるように、収入に対しての給与費の割合が70%を超えているところもあります。
残りの30%から変動費用を支出しなければならないという意味では、こういった事業所を運営されている方は、やはり経営がうまいのではないでしょうか?

収入に対しての給与費の割合が高い事業所 ベスト5
  1. 定期巡回・随時対応型訪問介護看護:85.6%
  2. 夜間対応型訪問介護:83.0%
  3. 居宅介護支援:81.9%
  4. 訪問看護ステーション:76.6%
  5. 訪問介護:73.7%
収入に対しての給与費の割合が低い事業所 ベスト5
  1. 福祉用具貸与:32.0%
  2. 特定施設入居者生活介護:39.9%
  3. 地域密着型特定施設入居者生活介護:52.6%
  4. 通所介護:55.8%
  5. 認知症対応型共同生活介護:55.9%

給与費

【参考:平成 26 年介護事業経営実態調査結果の概要

収支差率で見るベスト5

介護という業種では、変動費用を抑えることが利益を上げる大切なポイントとなりますが、その種別によって変動費用は大きく異なってきます。
次は、収支差率で見るベスト5です。
収支差率が小さければ小さいほど、やりくりは難しくなっていきます。

収支差率が高い事業所 ベスト5
  1. 特定施設入居者生活介護:12.2%
  2. 認知症対応型共同生活介護:11.2%
  3. 通所介護:10.6%
  4. 介護老人福祉施設:8.7%
  5. 介護療養型医療施設:8.2%
収支差率が低い事業所 ベスト5
  1. 居宅介護支援:-1.0%
  2. 複合型サービス:-0.5%
  3. 定期巡回・随時対応型訪問介護看護:0.9%
  4. 福祉用具貸与:3.3%
  5. 夜間対応型訪問介護:3.8%

収支差

【参考:平成 26 年介護事業経営実態調査結果の概要

まとめ

変動費用を抑えることが利益を上げる大切なポイントですが、それ以前に収入と支出を一元的に管理することが優先です。
また、個室や少人数のベッドを有効活用することでも、少しづつは収益に繋げられます。
感染などを防ぐためにも衛生に関する備品は削ることはできませんが、無駄に使わないようにすることを心がけるだけで、また少しコストを抑えられます

国の在宅推進、虐待のニュース、介護報酬の引き下げなど、まだまだ困難な時期は続きますが、上記のベスト5からもわかるように、どこの事業所もそう簡単にうまくいっているわけではありませんし、最も新しい平成27年の厚生労働省の資料では、廃止・休止となった事業所は165件にものぼります。

運営の効率化を図るために、事業所によっては、その事業所の収入と支出を全職員に報告しているところもあります。
その事業所によって支出だけだけでなく、問題は多くあるはずですので、その事業所に合ったやり方を模索していくことが、今後を大きく左右することは間違いありません。

ただ、間違えてもしてはならないのが、人員基準を違反してまで支出を下げるといった罪のない職員に大きな負担をかけることです。

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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