支給限度額についてのちょっと興味深い話

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支給限度額について考えたことってありますか?
そもそも支給限度額って一体なんなのでしょうか?
今回の記事では、支給限度額と支給限度額のちょっとお得な話にスポットを当てて説明させていただきます。

【参考:厚生労働省 区分支給限度基準額について
【参考:厚生労働省 区分支給限度基準額に関する調査

支給限度額の簡単な説明

介護保険の介護サービスは、以下のような手順に従って利用ができるようになります。

  1. 介護保険サービスを利用したい
  2. 要介護状態かの判定
  3. 要介護状態と認定
  4. 介護保険サービスの利用

介護保険のサービスでなくても、介護的なサービスというのはいくつもありますが、介護保険を利用することによって、自分が支払う金額は全体の 1割だけでよくなるのです。(下の図の印)利用者負担上の図からもわかるように、介護サービスの利用料の 1割を支払うということなので、10000円だとしたら、1000円となります。

では、ここからは支給限度額の話をしていきます。
利用した介護サービスの利用料がたったの 1割の支払いで良いのなら、好きな介護サービスを好きなだけ利用したくなりませんか?
そこで出てくるのが支給限度額なのです。
この支給限度額は、介護がどの程度必要な状態であるかを表す介護度に合わせて設定されていますが、支給限度額を超えてしまった分は、全額自己負担となっているのです。
つまり、支給限度額の範囲内であれば 1割の支払い、支給限度額を超えたのなら超えた分が全額自己負担ということなのです。

介護保険給付の対象

【参考:厚生労働省 区分支給限度基準額について

支給限度額に関して

厚生労働省の「区分支給限度基準額について」では、支給限度額は消費税率が引き上げられたことに伴う影響分を機械的に引き上げた平成26年度介護報酬改定時以外は、見直しを行っていないとされています。
つまり、平成26年度介護報酬改定が大きなターニングポイントだったのです。

平成26年度介護報酬改定

介護報酬は平成 26 年度の4月に予定されていた消費税率引上げ(5%→8%)に伴い、

  • 介護サービス施設・事業所に実質的な負担が生じないよう、消費税対応分を補填する必要がある
  • 従前と同量のサービスを利用しているにもかかわらず、限度額を超える利用者が新たに生じる

といったことから、介護報酬への上乗せ対応として引き上げられました。

支給限度額の調査

ここでちょっと見ていただきたいのが、平成23年2月 介護給付費分科会で報告された「区分支給限度基準額に関する調査」の結果概要です。

この調査の目的は、

  • 支給限度基準額を超えてサービスを利用している者「超過者」
  • 支給限度基準額の7~9割程度サービスを利用している者「7~9割の者」

の実態を把握するためとされており、以下の3つの調査の結果となっています。

  1. 介護給付費明細書調査
  2. 週間ケアプラン調査
  3. アンケート調査

支給限度額の調査で分かったこと

介護給付費明細書調査
  1. サービスの利用状況を見ると超過者及び7~9割の者ともに2種類以下のサービス利用が8割以上を占めていた。
  2. また、利用しているサービスの種類では、訪問介護や通所介護など見守りを必要とするサービスの利用が多く、訪問介護や通所介護は利用料が多かった。
  3. 一方、全国のサービス利用料の平均と比べると、医療系サービスは利用料が同程度であるが、訪問介護や通所介護は利用料が多かった。
週間ケアプラン調査
  1. 超過者の習慣ケアプランの内容について、市町村におけるケアプランの点検者による評価では、「見直す余地がある」が 9割であった。
アンケート調査(担当ケアマネジャーに対するアンケート)
  1. 利用者の日常生活の状況をみると、「薬の管理が必要」「見守りが必要」「歩行が困難」「オムツを使用している」の割合が高く、「胃ろう・経管栄養の管理」「ドレーン・カテーテルの交換・管理が必要」「かく痰吸引が必要」など、医療的なケアを利用する者の割合は少なかった。
  2. また、訪問看護のサービス利用内容をみると、身体介護に比べ、掃除、洗濯、調理、配膳等の生活援助の利用が多かった。
  3. さらに、支給限度額を超えたケアプランを作成している理由をみると、「家族等で介護が補えないため」「利用者本人や家族からの強い要望があるため」が多かった。

【参考:厚生労働省 区分支給限度基準額に関する調査

支給限度基準額の本当のところ

では、ここで平成26年6月に公表された、厚生労働省の「区分支給限度基準額について」より、支給限度基準額の実態をまとめてみます。

サービス給付単位数の分布状況

分布図利用割合の高いサービス

  • 要介護度別に見ても、平均の利用単位は支給限度額の約半分ほどである。
  • 要介護状態と認定された者(認定者)のうちの40~8%ほどは介護サービスを利用していない。

【参考:厚生労働省 区分支給限度基準額について

支給限度基準額の現状 1

居宅介護 限度額

  • 受給者1人当たりの平均費用額が限度額に占める割合は、要介護5で約65%である。
  • 限度額を超えて利用している者の割合は、要介護5で約6%である。

【参考:厚生労働省 区分支給限度基準額について

支給限度基準額の現状 2

受給者一人当たり

  • 受給者1人当たりの平均費用額が限度額に占める割合については、要支援1・2を除き、趨勢的に増加傾向。
  • 限度額を超えて利用している者の割合についても、要支援1・2を除き、趨勢的に増加傾向。

【参考:厚生労働省 区分支給限度基準額について

要介護者の介護サービスの平均的な利用状況

要介護度別に見た利用割合の高いサービス

  • 要介護者の介護サービスの平均的な利用割合をみると、福祉用具貸与、通所介護、訪問介護、訪問看護の利用割合が高い。
  • ケアプランに組み込まれたサービス種類数をみると、要介護1では1~2種類が大勢を占めているが、要介護5では3~4種類が大勢を占めている。

【参考:厚生労働省 区分支給限度基準額について

まとめ

今回の記事の支給限度額については、少し理解できましたか?
「サービス給付単位数の分布状況」にある、

  • 要介護度別に見ても、平均の利用単位は支給限度額の約半分ほどである。
  • 要介護状態と認定された者(認定者)のうちの40~8%ほどは介護サービスを利用していない。

という2つの点は、自分の中では予想外でした。

また、ケアマネがどうしているのかはわかりませんが、超過者が出てしまうという状況も自分には少し理解しがたいものがあります。
もちろん、超過者が出てしまうことはたまにありますが、訪問介護では、またちょっと違うようです。

平成23年2月 介護給付費分科会で報告された「区分支給限度基準額に関する調査結果」の「訪問介護の支給限度額の超過者について」では、

  • 訪問看護のサービス利用内容をみると、身体介護に比べ、掃除、洗濯、調理、配膳等の生活援助の利用が多かった。
  • 超過者の7~9割の者も同様の傾向があった。

とされています。

介護保険のサービスは使う人も様々なら、その使い方も様々ということです。
介護サービスの上手な利用方法としては、ケアマネとよくコミニュケーションを取ることでより良いものとなりますので、相談しやすいケアマネを選ぶことが大切かもしれませんね。

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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