平成28年以降のデイサービスについて

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変化

通所介護、通称 デイサービスは平成28年4月から大きく変わっていきます。

それは、利用定員が厚生労働省令で定める数(19名未満)の事業所については、地域密着型のデイサービスとなることです。

1日の利用定員が10名の小規模デイサービスは、19名未満なので必然的に地域密着型デイサービスとなります。

地域密着型のデイサービスになることで一体、どんなことが変わってくるのでしょうか?

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「地域密着型サービス」とは?

要介護者の住み慣れた地域や環境での生活が継続できるようにするために2005年度の介護保険法改正で発表されたのが、地域密着型サービスです。

その特徴として、以下の4つが挙げられます。

  1. その区市町村の住民のみがサービスの利用が可能
  2. それぞれの区市町村が地域のニーズに応じた整備をそれぞれで促進
  3. 指定権限を区市町村に移譲し、地域の実情に応じた指定基準、介護報酬を設定
  4. 指定、指定基準、報酬設定には地域住民、高齢者、経営者、保険・医療・福祉関係者等が関与

【参考:厚生労働省 地域密着型サービスの創設

地域密着型サービスの種類

平成27年10月現在の地域密着型サービスは以下の8つです。

  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  • 夜間対応型訪問介護
  • 認知症対応型通所介護(介護予防)
  • 小規模多機能型居宅介護(介護予防)
  • 認知症対応型共同生活介護(介護予防)
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
  • 看護小規模多機能型居宅介護

上記の8つの中に平成28年4月から地域密着型デイサービスが加わります。

「地域密着型サービス」になるとどうなる?

  1. 新規申請や変更の届出先となる指定権者が東京都から事業所所在地の区市町村になります。
  2. 基準に関する条例を定める権限は、区市町村が有します。
  3. 原則として事業所のある区市町村の被保険者だけがサービスを利用できます。
  4. 区市町村が日常生活圏域ごとに必要な数量を計画に定め、バランスよく計画的な整備を行うことになります。
  5. 利用者や利用者家族、区市町村職員又は地域包括支援センター職員、 地域密着型通所介護について意見を有する者などで構成される「運営推進会議」を開催することが義務付けとなります。

【参考:東京都福祉保健局 指定通所介護

これを簡単に説明すると、

デイサービスの指導・監督を都道府県から区市町村に移譲することで、行政・介護関係者・住民・経営者が協力し、より柔軟にその地域に合った介護サービスへと変えていけるということです。

なぜ地域密着型になるのか?

なぜかというのは、厚生労働省の2013年9月18日の社会保障審議会の議事録を見てみるとその理由がわかります。

これを簡単に説明すると、

今後の高齢者の増加を考えると、通常の訪問介護や通所介護等を普及していくことも重要なことであるが、毎日必要に応じて複数回利用者と接することが可能なサービス、あるいは生活支援サービス、そういったものの普及が必要であるということです。

議事録では、デイサービスについてさらに言及しています。

デイサービスの現状

  • 利用者全体の約3分の1がデイサービスを利用している。
  • その費用額は1.4兆円と全体の15.6%を占めている。
  • 小規模の事業所につきましては、その増加が顕著な状況にある。
  • お泊まりデイサービスについては、お泊まりの環境が十分でない等の問題点が指摘されている。

デイサービスの課題

  • 事業内容の自由度が高ので、事業内容を類型化し、それに応じた報酬を検討してはどうか。
  • 柔軟な事業展開を促進する観点から、人員基準の緩和を検討してはどうか。

小規模デイサービスの課題

  • 事業所が増加しております小規模の通所介護は少人数で生活圏域に密着したサービスであることから、地域との連携や運営の透明性を確保するために、市町村が指定・監督する地域密着型サービスに位置づけてはどうか。
  • 小規模の通所介護の選択肢の一つとして、通常の通所介護事業所のサテライト事業に位置づけることや、小規模多機能型居宅介護の普及促進の観点から、その小規模多機能のサテライト事業所に位置づけることも可能としてはどうか。

簡単に説明すると

財政をもとにした国の考えている介護サービスの流れは、デイサービスの普及で大きく変わってきてしまっているということです。

その圧倒的な普及もあり、ニーズも圧倒的ですが、小規模はデイサービスの中でも介護報酬が高く、定義が少し曖昧なところを考えると、やはり見直しが必要となります。

そこで考えられたのが、管轄を都道府県から区市町村にすることで、より柔軟にその地域の実情に合わせ、今後の高齢者対策とするために地域密着型となりました。

で、具体的にどう変わるってことなの?

事業所数

地域密着型となった理由に、小規模デイサービスの急激な増加、それに伴い予想以上の費用がかかったことが挙げられます。

地域密着型にすることで、都道府県から区市町村へと管轄が変わり、よりスピーディーに「その地域に本当にデイサービスが必要なのか?」という判断ができるようになります。

つまり、今までであれば必要な基準さえ満たせば誰でも開設できたデイサービスが、自治体の計画に見合い、なおかつ選ばれなければ開設ができなくなるのです。

介護報酬

平成27年度の介護報酬が実質下がったことからもわかるように、財務省から見た介護の状況は厳しいものであるのは間違いありません。

平成27年げんざい、デイサービスはその利用人数によって

  • 大規模型
  • 通常型
  • 小規模型
  • 認知症対応型

に区分されています。

このうち、最も費用のかかる小規模型を見直すことによって少しでも費用がかからないようにしたいというのが地域密着型に移行する一つの理由です。

今後は小規模型という区分がなくなるので、新たな区分となり介護報酬が変わってくるでしょう。

事務負担

事務的な負担もまた、変わってくると思われます。

届け出がより身近な区市町村となることで、事務手続き等がよりスピーディーとなります。

逆に、都道府県がしてきた事務を区市町村が請け負うこととなるので、その負担が各事業所に回ってくることも考えられます。

詳しくは厚生労働省のデイサービスの見直しについてをご覧ください。

指定、指定基準、報酬設定 そして指導・監督

地域密着型になると、指定、指定基準、報酬の設定を、地域住民、高齢者、経営者、保険・医療・福祉関係者等が関与することとなります。

そして、必然的になってくるのが事業所を取り巻く人々の連携です。

つまり、連携というものがメリットでありデメリットにもなり得るということなのです。

「壁に耳あり障子に目あり」ではありませんが、報酬設定だけでなく、指導・監督もより身近になっているため、経営には今以上に神経を使わなければならないでしょう。

まとめ

ここから数年もしないうちに小規模のデイサービスには大きな変化があると考えられます。

地域密着型となり、事業基盤がしっかりとしていない区市町村が介護報酬を設定していくとなると、減少以外はやはり考えにくいです。

となると、儲けを期待して参入してきた民間の法人が、その我慢比べから逃げ出すことは正直容易に想像できるのではないでしょうか?

小規模のデイサービスの今後としては、大規模・通常規模のサテライト(出張所)、小規模多機能型のサテライト(出張所)として吸収されていくことが検討されています。

小規模デイサービスの今後

また、地域密着型サービスとした場合の市町村の事務には、事業所指定、基準・報酬設定を行う際、住民、関係者からの意見聴取が含まれており、市町村の判断で公募により事業者を指定できる権限も有しています。

中途半端で口だけの民間の法人が地域密着型となることによって、なくなっていくことはありがたい話にも思えますが、家族や利用者を思うとコロコロと変わっていく現状に納得できないという方も少なくはないのではないでしょうか?

もっと詳しいデイサービスの実情
以前の記事、デイサービスの実情では、以前に私が働いていたデイサービスを例に、デイサービスの実際の状況についてお伝...
http://kaigoshi-mesen.com/kaigoshi-mesen-shoseki/
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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。