迫り来る介護業界の暗黒期「団塊の世代」本人の意識編

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前回の記事、「迫り来る介護業界の暗黒期「団塊の世代」特徴と説明編特徴と説明編」では、医療・福祉のニーズが最も必要になる2025年に高齢者となる「団塊の世代」に関しての「なぜ?・どうして?」といったところの説明をさせていただきました。

おさらいとなりますが、「団塊の世代」とは、以下の3年間に生まれた方々をさしています。

  1. 1947年(昭和22年)→2016年現在:満69歳
  2. 1948年(昭和23年)→2016年現在:満68歳
  3. 1949年(昭和24年)→2016年現在:満67歳

私の中での「団塊の世代」は、この3年間の前後3年間くらいも「団塊の世代」と勝手に理解しており、私の親もまた「団塊の世代」になります。

現在の日本では、高年齢求職者給付金といった制度もあり、65歳を過ぎても働きやすい環境となっていますので、介護事業所でも60歳を過ぎた介護従事者というのは多く存在しています。

今回の記事では、団塊の世代の仕事や生き方などに関するデータを集めてみました。

団塊の世代の方の意識に関するデータ

私達の思う「団塊の世代」と、「団塊の世代」の方々本人が思う「団塊の世代」の捉え方は大きく違っていると思われます。
やはり、本人たちにしかわからない喜びもあれば苦労もあると思いますが、これに関しては、内閣府の「平成24年度 団塊の世代の意識に関する調査結果」であらゆる面から調査していますので、こちらを参考にまとめさせていただきます。

この「平成24年度 団塊の世代の意識に関する調査結果」は、昭和22年から昭和24年に生まれた男女を対象とし、郵送配布、郵送回収による方法で調査を行ったものです。

その具体的な調査事項に関しては、以下の8つが主な項目になっています。

「団塊の世代」や高齢者のイメージに関する事項

  1. 経済状況に関する事項
  2. 就労に関する事項
  3. 学習・社会参加に関する事項
  4. 健康や介護に関する事項
  5. 住居に関する事項
  6. 日常生活に関する事項
  7. 行政への要望に関する事項

今回は、その中でも現在の若者などに生活・仕事に影響する項目を主に取り上げてみたいと思います。

あなたは一般的に高齢者とは何歳以上だと思いますか?

高齢者とは?

【参考:内閣府 平成24年度 団塊の世代の意識に関する調査結果

この調査は平成24年のものなので、「団塊の世代」の方が今から4年前の65~68歳の時に行われたものです。
この表からわかるのは、65歳以上が高齢者とされているのに対し、「団塊の世代」の方の多くは自分たちが高齢者だとは思っていないということです。

現在、どのような点を重視して生活していますか?
5年後はどのような点を重視して生活したいと思いますか?

どのような点を重視して

【参考:内閣府 平成24年度 団塊の世代の意識に関する調査結果

この表からわかるのは、65歳を過ぎてもなお「仕事・事業をしたい」が42.5%、5年後も「趣味や勉強に取り組みたい」と考える方が19.2%もいるという意欲的な方が多く存在するということであり、同時に日本の経済成長を支えてきたことの現れにも思えます。

あなたは今まで主にどういう目的で貯蓄をしてきましたか?
また、今後は、主にどのような目的で貯蓄をしたいと思いますか?

貯蓄

【参考:内閣府 平成24年度 団塊の世代の意識に関する調査結果

この表からわかるのは、「投資・運用」のための貯蓄ではなく、「何かの備え」のための貯蓄が答えの大半を占めているということです。
これからも高齢者と呼ばれる方が増えていくなか、「投資・運用」として貯蓄を使うことは、今後の不安をよりいっそう強いものにしてしまうかもしれませんが、全人口に占める高齢者の割合を考えると、財布の紐がキツイというというのは、日本の経済にとっては悩ましいことなのかもしれません。

あなたが今後も働くとき、何歳まで働きたいと思いますか?

いつまで働く

【参考:内閣府 平成24年度 団塊の世代の意識に関する調査結果

「働けるうちはいつまでも」と答えた方が全体の25%もいるということ、「今すぐにでも辞めたい」と答えた方が1.8%であったというのは驚きでしかありませんが、その方たちが働くことによって会社に与える影響は、その会社によってかなり違うのではないでしょうか?

あなたが今、働くうえで、重視していることは何ですか?

就労時

【参考:内閣府 平成24年度 団塊の世代の意識に関する調査結果

年齢をを重ねた方々の経験や能力を発揮できる仕事であれば、それこそ大きな力になり得ると思いますが、40.7%の「体力的に無理なく続けられる仕事であること」、29.7%の「自分のペースで進められる仕事である」、19.4%の「勤務日や勤務時間を選べる」といった気持ちで仕事に就くというのはどうなのか、正直私はなんともいえませんが、今後も各業界で人手が足りなくなるのは間違いのないことです。

あなたは現在、日常生活での悩みやストレスを感じていますか?

ストレス

それはどのようなものですか?

非常に感じている【参考:内閣府 平成24年度 団塊の世代の意識に関する調査結果

この2つの表からわかることは、「団塊の世代」で不安を抱えている方の多くは、生活や健康、それに関わる経済的なものに関しての不安が大半を占めているということです。
以前に比べ、医療や生活の質の向上により、健康寿命が伸びたとはいえ、やはり気になるのは健康に対しての不安であり、そこには長く続いた不景気の影響やそのトラウマ的なものが潜んでいるようにも思えます。

まとめ

私が今まで働いてきた介護事業所では、60歳を超えた方が多く働いていました。
もちろん高齢ということもあり、入浴の介助、おむつ交換、移乗介助といったことは腰に負担がかかるうえに事故につながりやすいということで、暗黙の了解でしなくてもよいということになっていました。
現場以外で働く60歳以上の職員は、いつも新聞を読んでいるか、ウロウロとしては職員を怒鳴り散らしているか、ほとんど何もしないで座っているか以外は正直見たことがありません。

年齢をを重ねた方々の経験や能力を発揮できる仕事であれば、企業にとっては大きな力になり得ると思いますが、「体力的に無理なく続けられる仕事であること」という気持ちで就労をしている方が40.7%もいたら、それは正直どうなのかとも思ってしまいます。

パワハラやセクハラといった言葉がありますが、介護業界では60歳以上の職員によるシルバーハラスメント、シルハラが多く見られているのではないでしょうか?

高齢者に関しての興味深い話 第1章」でもお伝えしていますが、今現在で 4人に 1人が 65歳以上であり、10人に 1人は 75歳以上という世界でも類まれな超高齢化社会です。
そして、高齢者 1人を 15~64歳までの現役世代 2.4人で支えている時代です。

昔の日本とは違い、平均寿命が伸びたという反面で、独居や老々介護、介護疲れや介護鬱、虐待や殺人、介護人材不足や介護事業の経営難という言葉も度々耳にする時代でもあります。

人口的にも財政的にも高齢者でパンク寸前の日本に、次に待ち構えているのは「団塊の世代」の高齢化です。

今必要なのは、効率的で効果的な措置となりますが、今までの措置の殆どは高齢者のためのものです。
ですが、「団塊の世代」が待ち構えている日本の今の状況、人材不足が深刻化する介護業界、そして介護そのものを見直すためにも、介護をする人間だけでなく高齢者も「共存」を考えることが必要なのではないでしょうか?

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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