うちの事業所ってブラック?「ブラック診断とその答え」

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しばらく前によく耳にした「ブラック企業」ですが、介護業界もイメージとは程遠いほどの「ブラック事業所」って結構多いのではないでしょうか?

営利法人が多く参入している通所系や訪問系では、不正請求・架空請求といった悪質な経営をする事業所が一時期は多く存在していまいしたが、あくまで規模の小さい事業所がその主たるところでした。

大きな転換を迎えたのが、ワタミやコムスンといった大手の企業が参入していた有料老人ホームといった規模の大きな事業所で行われた不正であり、それを機に監査・指導が厳しくなっていったのですが、介護報酬の引き下げによりコストの削減を余儀なくされ、ブラックにならないまでもグレーなやり方をしているところは今でも多く存在していると思われます。

今回の記事では、自分の働いている事業所がどのくらいブラックなのかを診断しやすくするために、厚生労働省の資料をもとに正しい答えを説明させていただきます。

【参考:厚生労働省 介護労働者の労働条件の確保・改善のポイント

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ブラック診断

労働時間について(労働基準法第32条など )

労働時間とは、使用者の指揮監督の下にある時間をいい、介護サービスを提供している時間に限るものではありません。

タイムカードを、本人以外が打つということも介護事業所によっては多くみられるケースですが、実際の労働時間とが合致していなければ、必要に応じて実態調査につながってしまいます。

労働時間として取り扱わなければならない例

  • 交替制勤務における引継ぎ時間
  • 業務報告書等の作成時間
  • 利用者へのサービスに係る打ち合わせ、
  • 会議等の時間
  • 使用者の指揮命令に基づく施設行事等の
  • 時間とその準備時間
  • 研修時間

変形労働時間制について(労働基準法第36条)

時間外労働・休日労働を行わせる場合には、時間外労働・休日労働に関する労使協定(36協定)を締結し、 労働基準監督署長に届け出る必要があります。

変形労働時間制は、ちょっとややこしいの簡単に説明させていただきます。

  • 1週間の所定労働時間が40時間なら、週平均が40時間を超えてはいけない
  • 超えるのであれば、36協定を締結し、労働基準監督署長に届け出る必要がある
  •  超えたとしても、延長時間の限度は、変形労働時間制の対象者であれば
    • 1週間 14時間
    • 1か月 42時間
    • 1年間 320時間 等

休憩・休日について(労働基準法第34条)

労働時間が6時間を超える場合には少なくとも45分、8時間を超える場合には少なくとも1時間の休憩が労働時間の途中に必要です。

以下のような場合でも、休憩は確実に取得できるようにしましょう。

  • 代替要員の不足等から夜勤時間帯の休憩が確保されていない
  • 所定の休憩時間に利用者の食事介助等を行う必要が生じ、休憩が確保されていない

夜間勤務者等の法定休日について(労働基準法第35条)

使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければなりません。

  • 「休日」とは、単に連続24時間の休業を指すのではなく、 原則として暦日(午前0時から午後12時まで)の休業のことであり、いわゆる「夜勤明け」の日は、法定休日には該当しません

年次有給休暇について(労働基準法第39条)

非正規労働者も含め、6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対しては、年次有給休暇を与えなければなりません。

  • 年次有給休暇を取得した労働者に対して、 賃金の減額その他の不利益な取扱いをしてはいけません。
  • 例えば、精皆勤手当や賞与の額の算定に際して、年次有給休暇を取得した日を欠勤として取り扱うことは、不利益取扱いとして禁止されます。

年次有給休暇の日数 有給休暇

【参考:厚生労働省 介護労働者の労働条件の確保・改善のポイント

賃金について(労働基準法第24条)

賃金は、いかなる労働時間についても支払わなければなりません。

以下のような場合でも、介護サービスに直接従事した時間以外の労働時間も通算した時間数に応じた算定をしなければなりません。

  • 交替制勤務における引継ぎ時間
  • 業務報告書の作成時間
  • 会議等の時間
  • 研修時間
  • 移動時間
  • 待機時間

時間外・深夜割増賃金について(労働基準法第37条)

  • 時間外労働:25%以上の割増賃金を支払わなければなりません
  • 深夜業:25%以上の割増賃金を支払わなければなりません
  • 休日労働に対しては、35%以上の割増賃金を支払わなければなりません

時間外労働に関しては、1か月に60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率は50%以上とされています。

ここでの深夜とは、午後10時から午前5時までの労働をさします。

健康診断について

非正規労働者も含め、常時使用する労働者に対しては、雇入れの際と1年以内ごとに1回、定期に健康診断を実施しなければなりません。

なお、健康診断の実施は法で定められたものですので、その実施に要した費用を労働者に負担させることはできません。

  • 深夜業等の特定業務に常時従事する者については、6か月以内ごとに1回 定期に健康診断を実施しなければなりません。
  • 「契約更新により 1年以上使用され、又は使用されることが予定されている者」、「週の労働時間数が、通常の労働者の週の労働時間数の4分の3以上である者 」であれば、「常時使用する労働者」として健康診 断が必要です。

福利厚生について

福利厚生は大きく「労働保険」と「社会保険」に分かれています。
そのどちらもが普通に働いているのであれば加入しなければならないものですが、働いている事業所はちゃんとしていますか?

保険

【参考:介護事業所ナビ 業務推進マニュアル

健康保険や雇用保険などの福利厚生については長くなってしまうので、こちらをご覧ください。

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まとめ

これは私の「介ゴ士目線」で詳しく書いていますが、私が以前に働いていたデイサービスでは、会社ぐるみで不正請求を行っていました。
それは、監査の時に初めて知ったのですが、結果的には職員の健康保険も雇用保険も入っていなければ、健康診断さえありませんでした。

多くの方にとっては、介護のイメージを崩すようなことですが、一時期の小規模デイサービスではそう珍しいことではなかったと思います。

現在では、もう少なくはなったと思いますが、それでも不正や違反にならない程度のところをうまくついたグレーなやり方を所々でしている事業所はいまだに多いのではないでしょうか?

それもやはり、介護報酬の引き下げが大きく関係していると思われますが、介護報酬を上げれば、そういった事業所がまた多く出てきてしまうとも思われます。

営利法人が参入したことで、高齢者対策としては大きな力になりましたが、「高齢者=儲かる」といった考えの営利法人が多いなかで今後を考えると複雑なところでもあります。

ただ、利用する高齢者を本当に考えるのであれば、やはり現場にとって負担にならないようなやり方をするのが本当の良い経営者なのではないでしょうか?

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kumo

他も見てみたいという気持ちから特養、有料、ショート、デイ、訪問入浴で働いてきました。 特養では介護職として、デイサービスでは立ち上げから運営、そして現在は都内の施設で現場もこなす生活相談員として働いています。 自分の家族介護と介護士としての介護の経験が少しでも介護に悩む方の力になれたらと願っています。
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